複雑な ADME およびバイオアナリシスの課題に対応

創薬と医薬品開発には、新薬になる可能性のある候補物質の厳密なスクリーニングが必要です。このプロセスでは、新しい化学物質の効能と毒性を評価するために、in vitro や in vivo での生物学的活性を調べるさまざまな研究が実施されます。

  • バイオアナリシス技術は、生体サンプル中の化合物の濃度と活性を測定して、ターゲットの生物学的活性に適した濃度を決定するために、医薬品開発において使用されます。また、効果がない化合物、効果の低い化合物、毒性のある化合物をスクリーニングするのにも有効です。
  • ADME(吸収、分布、代謝、排泄)アッセイは、医薬品が体内でどのように処理されるのかを示します。この情報は、医薬品の潜在的な安全性と効能を評価するうえで重要です。ADME の研究から得られる情報は、新薬候補物質の失敗率を低減し、研究者が化合物の薬理学的特性を最適化するのに役に立ちます。
  • 薬物動態研究により、医薬品の体内での経時的な動態が分析されます。薬物動態では、新薬候補物質がどのように体内に取り込まれ、全身に広がり、変化し、さまざまな体液や組織によって除去されるかを測定します(ADME)。こういった研究は、医薬品の効果や効能を高め、リスクや相互作用を最小限に抑えるための投与量、タイミング、剤形をメーカーが特定するのに役に立ちます。

ナノグラムレベルの化合物を検出するには、高感度のバイオアナリシスメソッドが必要になります。アジレントは、ADME、PK、およびバイオアナリシス試験において、従来の分析メソッドと比較して、感度、選択性、自動化の容易さを向上させた包括的なワークフローソリューションにより、お客様が適切に分析を実施できるようにします。

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信頼性の高い ADME/PK およびバイオアナリシスを実施するための実績のあるソリューション

新薬候補物質に関する重要な意思決定のための定性的および定量的な深い洞察の確立

創薬パイプラインの迅速な構築

Agilent RapidFire 400 ハイスループット質量分析システムでは、サンプル注入時間を 8 秒以内に短縮できます。

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マルチオミックバイオアナリシス LC/MS の研究

L-アスパラギナーゼ毒性のメカニズムを、代謝物、脂質、ペプチドの分離と、高速で高感度の 6495D LC/TQ MS システムを用いて解明しました。

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バイオアナリシス

候補物質を効果的にスクリーニングするには、信頼性の高いバイオアナリシスツールが不可欠です。アジレントは、正確なバイオアナリシスを実施するための包括的なソリューションおよび実績のある効率的なメソッドを提供することにより、信頼性の高い意思決定を可能にします。



ADME アッセイ

ADME ワークフローでは、研究者が新薬になる可能性のある候補物質について情報に基づいた意思決定をできるよう、迅速なターンアラウンドタイムを活用しています。アジレントは、ハイスループットで超高速のソリューションにより ADME 試験の迅速化を支援しているため、正確な回答を短時間で得ることができます。



薬物動態(PK)の研究

アジレントは、医薬品開発での薬物動態(PK)の研究において、より深い洞察を得るために必要な感度で、医薬品の安全性と効能を最適化するお手伝いをします。




注目のアプリケーションノート

医薬品とその代謝物のキラル認識は、薬物代謝を理解するうえで重要な役割を果たします。複雑な生体サンプルでは、1 回の LC 分離でアキラルとキラルの識別を同時に実施することは困難です。キラル次元を用いた二次元液体クロマトグラフィー(2D-LC)では、複雑な生体サンプル中の分析対象物のキラル識別が可能です。‑このアプリケーションノートでは、Agilent 1290 Infinity II 2D-LC システムを用いた 2D-LC/MS/MS により、ヒト尿中のプロプラノロールとそのヒドロキシ代謝物の代謝におけるキラルシフトを定量的に調査します。 オンライン 2D-LC 分析は、時間を節約し、サンプルハンドリングを最小限に抑えます。ラセミ体プロプラノロール投与後のヒト尿サンプルを分析した結果、プロプラノロールおよびそのヒドロキシ代謝物において、かなりのキラルシフトが認められました。プロプラノロール注射液のエナンチオ選択的代謝を調査するために、個々の (R)- および (S)-エナンチオマーの排泄率をモニタリングしています。
 
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シトクローム P450(CYP)阻害の分析は、創薬プロセスの重要な要素です。これは、医薬品間で悪影響を及ぼす相互作用が、医薬品開発プログラムの終了、市場からの撤退、または治療的使用の制限につながる可能性があるためです。創薬プロセスの初期の段階で可能性の低い候補物質を排除する必要があるため、in vitro ADME 分析も初期の段階で実施されるようになり、その結果、より多くのサンプルを評価する必要が生じています。そのため、シトクローム P450 アッセイを迅速かつコスト効率の高い方法で効率的に分析する手段が求められています。Agilent RapidFire/MS システムは、トリプル四重極(QQQ)または飛行時間型(TOF)質量分析(MS)にハイスループットサンプル処理を組み合わせることにより、ADME アッセイ分析を効率化します。2 セットの実験から得られた結果は、従来の LC/MS メソッドと比較した際の RapidFire システムの主な利点を示しています。つまり、スループットが 10 倍超向上し(1 サンプルあたりの処理時間は 6~10 秒)、阻害結果も同等でした(IC50 値)。結果的に、RapidFire システムは、これらのアッセイにおける従来のラボワークフローの効率とスループットを大幅に向上させました。
 
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Agilent 1290 Infinity LC システムを用いた、血漿中の MTX と SSZ の同時測定のためのシンプルで高感度かつ堅牢な HPLC/DAD メソッドについて説明します。 このメソッドは、MTX では 0.02~100 ng/µL(0.04~220 µM)、SSZ では 0.1~100 ng/µL(0.25~251 µM)の必要な濃度範囲内で直線性を示しており、それぞれの R2 係数は > 0.998 でした。このメソッドの LLOQ は、MTX では 0.02 ng/µL、SSZ では 0.1 ng/µL です。このメソッドは、これまでに報告されている MTX のバイオアナリシスメソッドよりも感度が高く、キャリブレーション範囲が広く、より少量の血漿サンプル(200 µL)で実施できます。また、このメソッドを、回収率、安定性、再現性、選択性、真度、精度といった重要な分析性能基準について、品質管理サンプルを用いて評価しました。
 
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本製品は一般的な実験用途での使用を想定しており、医薬品医療機器等法に基づく登録を行っておりません。

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