すべての分析対象元素で優れた検量線の直線性が得られ、相関係数(R)は測定範囲全体で 0.9998 以上でした。検量ブランクの標準偏差(n = 10)の 3 倍として計算した装置検出下限(IDL)は、サブ ng/L の範囲内でした。500 倍の希釈係数を適用しても、検出下限は玄武岩 CRM の認証濃度を大幅に下回っていました。この結果は、7850 ICP-MS が REE の測定に十分な感度を備えており、微量濃度の地球科学研究にもルーチンの探査ワークフローにも対応できることを示しています。
メソッドの精度は、測定した濃度と認証参照値を比較して評価しました。16 元素すべてで、回収率は認証値の 91~101 % 以内でした。ほとんどのランタニドの回収率は 94~99 % で、トリウムとウランの回収率はそれぞれ 91 % と 101 % でした。
精度も同様に優れており、複数回の測定で通常の相対標準偏差(RSD)は 3 % 未満でした。複雑な地質マトリックス中の Tm や Lu などの低アバンダンスの元素でも、予想限界内の良好な精度を示しました。
表 1 の結果から、7850 ICP-MS と He モードの組み合わせにより酸化物およびマトリックスベースの干渉を効果的に抑制し、ランタニドシリーズ全体で正確に定量できることがわかります。

長期安定性
ISTD 安定性は、プラズマのロバスト性とマトリックス耐性の重要な指標です。3 時間の分析シーケンスにわたる 70 回の分析で、Rh ISTD の回収率をモニタリングしました(Rh を ISTD として使用しました。これは、リチウムやスカンジウムなどの他の潜在的な ISTD 元素と異なり、Rh は玄武岩 CRM 中に存在していなかったためです)。すべての内部標準回収率は ±20 % の管理限界内でした。これは優れた信号安定性を示しています(図 2)。

REE のルーチン測定
この研究の結果から、7850 ICP-MS を He モードで使用すれば、玄武岩中の REE のルーチン測定に実用的なメリットがあることがわかります。He モードは他の反応性ガスモードとは異なり、すべての分析対象元素を 1 つのセル条件セット下で測定できるため、メソッド作成が簡素化されます。この手法によりメソッドの複雑さが軽減され、生産性が向上し、ラボ間での移管が容易になります。
地質学ラボでは多くの場合、分析性能と同じくらい運用のシンプルさが重要です。プリセットメソッド、自動レンズチューニング、安定した He KED 操作を組み合わせることで、装置の設定時間とオペレータによる操作を大幅に削減できます。このように使いやすいため、オペレータの専門知識レベルにばらつきがあるラボでも性能の一貫性を確保できます。
生産性の点で見ると、長期的な安定性により QC エラー、繰り返し分析、装置のダウンタイムを大幅に減らすことができます。長時間のシーケンス全体で正確な結果を維持できるため、大量のサンプルバッチを処理する探査ラボや研究施設などのハイスループット環境にも直接対応できます。
また、四重極 ICP-MS は高分解能システムやマルチコレクタシステムよりコスト効率が高いため、7850 ICP-MS は複雑な操作や高価な専門装置なしで信頼性の高い REE 定量を実施したいラボに適したソリューションです。







