3. 7 アフィニティクロマトグラフィー

アフィニティクロマトグラフィーは、タンパク質など生体物質がもつ高い親和性を利用したクロマトグラフィーで、細胞培養液から特定のタンパク質を抽出、精製するのに利用されます。図11に、Protein Aを固定化したアフィニティカラムによるCHO細胞培養液上清からのIgGの精製を示します。

図 11 Protein Aカラムを用いたIgGの精製例

図11 Protein Aカラムを用いたIgGの精製例

カラム Agilent Bio-Monolith rProtein A, 4.95 × 5.2 mm (P/N 5190-6903)
移動相 A:50 mM リン酸ナトリウム、pH 7.4(Binding Buffer)
B:100 mM クエン酸ナトリウム、pH 2.6(Eluting Buffer)
流速 3.0 mL/min
検出 UV

参考:Agilentバイオ医薬品分析用LCカラム情報

3. 8 イソクラティック溶離とグラジエント溶離

HPLCには、移動相の組成を保って分離するイソクラティック溶離と、移動相の組成を変化させて分離を行うグラジエント溶離があります。一般的に、1成分、あるいは各成分の保持時間に大きな差がない複数成分を分析する場合はイソクラティック溶離、保持時間に大きな差がある多成分を分析する場合はグラジエント溶離が用いられます。一般に、保持時間やピーク面積再現性、ベースライン安定性はイソクラティック溶離の方が優れています。一方、イソクラティック溶離では分析時間が長くなる試料や、試料中の成分数が不明な場合などは、グラジエント溶離が適しています。

グラジエント溶離は、高圧グラジエントと低圧グラジエントがあります。移動相の混合を、高圧部(ポンプヘッドの下流)で行うのが高圧グラジエント、移動相の混合を低圧部(ポンプヘッドの上流)で行いうのが低圧グラジエントです。