Agilent Information Pipeline GC, GC/MS(HPI)編 : エネルギーおよび化学業界の最新情報

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代替キャリアガス、自動ヘリウム節約機能、どちらを選びますか?

代替キャリアガスへの切り替え

GC 分析を成功させるために、代替キャリアガスに切り替える際には、カラムやオーブンプログラムといった他のメソッド条件を変えずに、キャリアガスのみを変える必要があります。そのためには、カラム流量やホールドアップ時間を調節し、ピーク溶出順序やリテンションタイムを維持する (またはできるかぎり近くする) ことが求められます。クロマトグラフィ性能を維持すれば、時間積分イベントやピーク同定テーブルに加えられる変更を最小限に抑え、メソッドの再バリデーションを円滑化することができます。GC メソッドトランスレーション ソフトウェア では、ヘリウムメソッドの代替キャリアガスへの修正をガイドするメソッド変換ツールを提供しています。

水素は安価なガスです。水素を使えば、クロマトグラフィ効率を高め、分析時間を短縮することが可能ですが、安全性に関する懸念がそうした利点を上回るケースもあります。水素への切り替えを成功させるためには、クリーンなガス供給源 (できれば > 99.9999 %)、ガスフィルターの使用による水分および酸素の除去、クロマトグラフィ品質のステンレスチューブを用いたシステム配管、スプリットおよびセプタムパージベントフローの適切な排気が求められます。場合によっては、リーク検出器が必要となるケースもあります。

窒素は入手が容易で、安価で安全なガスです。ヘリウムや水素と比べると、窒素では低速で最高の効率が得られます。高流速の場合でも、とりわけ単純なルーチン GC 分析では、「そこそこ良好」な分離能が得られます。多くの 石油化学などで使用されているGC メソッドは、窒素をキャリアガスとしたメソッドに容易に修正することができます。また、2 つのカラムを用いてピーク分離能の問題を解決する 2-D GC アプリケーションにも、窒素は適しています。GC/MSD アプリケーションや一部の GC 検出器アプリケーションには、窒素は適さない場合があります。

代替キャリアガスを使用できない場合のヘリウムの節約

場合によっては、メソッド性能の再バリデーションに要するコストや時間が原因で、ヘリウムから水素や窒素への切り替えが困難になったり、不可能になったりすることがあります。そうしたケースでは、ヘリウムの節約が特に重要となります。ヘリウムを節約すれば、現在ある量のヘリウムを長く使用できるだけでなく、分析コストを節約し、ビジネスの継続性を確保することも可能です。

機器がサンプルを分析していないときには、しばしば機器が分析モードのまま保たれ、加熱ゾーンが高温に維持され、不活性キャリアガスがシステム内を流れています。こうしたアイドル条件では、ヘリウムが無駄に消費されています。そのため、機器がアイドル状態のときに水素や窒素に切り替えれば、大量のヘリウムを節約し、ひいては費用を節約することができます。

ガスを切り替えるための最善の方法は、GC フロー制御モジュールにヘリウムまたは窒素をシームレスに切り替えができる装置を使用し、日々の分析にプログラム可能な自動ヘリウム節約機能を統合することです。新しい Agilent 7890 GC システムのプログラム可能キャリアガス切替スイッチととスリープ/ウェイク機能を使えば、ヘリウム節約モジュールの操作を完全に自動化することができます。機器がアイドル状態の際に窒素をキャリアガスとして使用するスリープモードと、ヘリウムをキャリアガスとして使用するウェイクモードを作成および保存することが可能です。7890B GC のプログラム可能ヘリウム節約機能とガスセーバー機能を組み合わせれば、現在のヘリウム供給量の持続期間を大幅に延ばし、ヘリウムへの依存度を軽減させることができます。

 

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