(A) 光学系の不具合 |
1. |
「エラー9453 HCランプ失敗」のメッセージが出て、ランプが点灯しない。 |
|
エラーが出たランプ(1)をランプソケット(Ⅰ)から取り外し、このランプを別のランプソケット(Ⅱ)に取り付けて、最適化を試みます。
【1】 →別のランプソケット(Ⅱ)では点灯した場合 このランプ(1)を最初のランプソケット(Ⅰ)に戻し、ランプ最適化をしてください。
- このランプ(1)が点灯すれば、ランプのピンとソケット(Ⅰ)の金具の接触不良が原因でした。(完了)
- ランプ(1)が点灯しなければ、ソケット側(Ⅰ)の不具合が考えられます。別のランプ(2)をこのソケット(Ⅰ)に取り付けて、ランプ最適化をしてください。点灯しなければカストマコンタクトセンタにご連絡ください。
【2】 →別のランプソケット(Ⅱ)でも点灯しなかった場合 最初のランプソケット(Ⅰ)に別のランプ(2)を取り付け、ランプ最適化をしてください。
- 別のランプ(2)が点灯すれば、エラーが出たランプの不具合です。
- 別のランプ(2)が点灯しなければ、別のランプソケット(Ⅱ)に取り付けて、最適化を試して下さい。
カストマコンタクトセンタにご連絡下さい。
|
|
2. |
最適化画面で 「ピークが検出されません」、「HC ランプ低エネルギー」 のエラーが出る。またはゲインが非常に高い。 |
|
・ ランプが消耗している可能性があります。
・ ランプの光軸が大きくずれている可能性があります。 ランプ先端の延長線上に丸い石英ウィンドウがあることをご確認下さい。
・ [メソッド編集] - [光学系] の設定画面で、「スリット幅 (nm)」 を狭められている場合は、 新規作成時のデフォルトの値に戻して下さい。
|
|
3. |
最適化画面で、「フォトマルチプライヤ過剰高電圧」 のメッセージが出る。 |
|
D2 ランプがオンになっている場合は、[メソッド編集] - [光学系] の設定画面でバックグラウンド補正を 「BC オフ」にしてください。 D2 ランプがオフの状態でもメッセージが出る場合は、ランプの光軸を調整してください。改善されない場合は ホロカソードランプが消耗している可能性があります。
改善された場合は、[メソッド編集] - [光学系] の設定画面でバックグラウンド補正を 「BC オン」にしてください。 再度メッセージが現れた場合は、D2 ランプの光軸を調整してください。それでもエラーが改善されない場合は、 D2 ランプのコネクタの接続が悪い、D2 ランプの固定位置が悪い。または D2 ランプが消耗している可能性が あります。 D2 ランプがかなり消耗すると、「D2 ランプ低エネルギー」 のメッセージが出始めます。
|
|
4. |
[分析]画面で、「○○ランプの mA時間を超えました。」 のメッセージが出る。 |
|
ランプの積算時間をリセットします。
<<詳細資料はこちら
|
|
|
(B) 原子化部の不具合(フレーム) |
1. |
フレーム点火ボタンを押しても、イグナイタから火柱が出てこない。 |
|
・ 各ガス圧が正常であること (空気 : 0.4MPa、アセチレンガス : 0.08MPa)、ガスボンベの残圧が十分である ことを確認してください。
・ お使いのエアコンプレッサにドライヤ、自動ドレイン機能が付いていない場合は、必ずフィルタやドライヤなどを 接続し、水分を除去した後、装置に空気を供給してください。 その日の分析終了時に必ずコンプレッサ内の残圧を解放してください。圧縮空気が冷やされると水に変わります。 原子吸光内に混入すると不具合の原因となります。
・ 空気の配管途中に水分を除去するフィルタが取り付けられている場合は、フィルタに溜まった水を捨ててください。
・ アセチレンガスを使い切ってしまうと、原子吸光内がアセトンで汚染され不具合の原因となります。 700kPa 以下のボンベは使用しないでください。
|
|
2. |
フレーム点火ボタンを押して、イグナイタから火柱も出ているが、バーナーに着火しない。 |
|
イグナイタノズルにススが詰まっているかもしれません。クリーニングワイヤでメンテナンスをします。
<<詳細資料はこちら(244KB)
|
|
3. |
フレーム点火ボタンを押すと、キャピラリーチューブから空気が逆流する。 |
|
ネブライザの吸引量が少ない。またはインパクトビードが出口を塞いでいる。 ネブライザとスプレーチャンバの位置を調整してください。
|
|
4. |
「F9938、フレイムリキッドトラップが準備されていません。」 のメッセージが出る。 |
|
リキッドトラップ内の水の量が減っています。リキッドトラップに水道水を注ぎ足してください。 有機溶媒の分析の場合は、水道水ではなく、ご使用の有機溶媒を注ぎ足してください。
|
|
5. |
バーナー点火中にフレームに隙間ができ始め、徐々にフレームが小さくなって消える。 |
|
バーナー洗浄直後に起こり易い症状です。水滴が上昇しバーナーのスリットに付着することにより隙間ができます。 バーナーを良く乾かしてください。
|
|
6. |
高温バーナーを取り付け、フレームタイプが 「空気/アセチレン」 では正常に点火するが、「N2O/アセチレン」 では正常に点火しない。 |
|
空気と亜酸化窒素の圧力が 0.4MPa に設定されていることを確認してください。 点火直後は 「空気/アセチレン」 のフレームです。この状態から空気の圧力が徐々に下がり、 亜酸化窒素の圧力が徐々に上がります。亜酸化窒素の圧力が下がる場合は、 ガスの残圧が少なくなっているか、レギュレータが故障している可能性があります。 フレームが黄色い場合もレギュレータの故障が考えられます。 |
|
7. |
高温バーナーを取り付け、[メソッド編集] - [タイプ/モード] の設定画面でフレームタイプを 「N2O/アセチレン」 に変更しても高温バーナー時のフレームの大きさにならない。 |
|
[最適化] 画面でアセチレン流量を増やしても、フレームの状態が変化しない場合は、スプレーチャンバ内の 詰まりが原因でガス流量が飽和している可能性があります。スプレーチャンバを分解洗浄してください。
|
|
|
(C) 原子化部の不具合(ファーネス) |
1. |
[ファーネス設定] 画面でチューブクリーンを実行する、または分析の昇温時に 「GTA チューブ失敗」 のメッセージが出る。新しいグラファイトチューブに交換し、一時的に復旧しても直ぐに同じエラーが出る。 |
|
グラファイトチューブを取り付け直してください。グラファイトチューブを挟み込む電極の窪み部分が 消耗により後退しており、グラファイトチューブと電極の接点が悪い可能性があります。 改善されない場合、電極交換をお薦めします。カストマコンタクトセンタにご連絡下さい。
|
|
2. |
夏場にワークヘッドが結露する。 |
|
ワークヘッド部は冷却水が循環することで冷やされています。そのため室内の温度が高いとワークヘッドの表面で結露が発生します。室温を下げても結露する場合は、この季節だけ冷却水循環装置を25℃に設定してください。通常の設定温度は23℃です。
|
|
3. |
「F8103 低水圧エラー」 が出て昇温しない。 |
|
・ 水が減っている場合は注ぎ足してください。
・ 暫く冷却水を交換されていない場合、水中を漂う汚れが循環装置浴槽の底や配管に溜まっている可能性が あります。水道水を入れ替えてください。
・ 冷却水の循環ラインのどこかで空気を噛んでいる可能性があります。冷却水循環装置の電源を何度かオン/オフ すると解消される場合があります。冷却水を交換された直後に出やすい不具合です。
・ グラファイトチューブ交換直後にこのエラーが出た場合は、電極右扉を閉じた際に、冷却水ホースが「くの字」に 折り曲げられていないかご確認ください。
|
|
|
(D) 分析 |
1. |
D2 補正タイプの原子吸光で、「シグナルゲインオーバーレンジ」 のエラーが表示される。 |
|
・ [メソッド編集] - [光学系] の設定画面でバックグラウンド補正を 「BC オフ」 に変更し、分析を開始してください。 エラーが消えれば D2 ランプが消耗しているため、交換を推奨します。
・ Na、K などの長波長の元素は D2 ランプによるバックグラウンド補正ができないので、常に 「BC オフ」 を 選択してください。
|
|
|
(E) 分析(フレーム) |
1. |
吸光度が低い。 |
|
・ バーナー位置があっていることを位置調整用カードで確認します。
・ [分析] 画面で [最適化] ボタンをクリックします。[フレーム最適化] 画面が開きます。フレームを点火し、 [シグナル最適化] ボタンをクリックしてください。適当な濃度の標準溶液を吸引し、ネブライザの流量調整つまみ、 インパクトビードの位置調製つまみを回転し、吸光度が最大になる位置に調整してください。 ※ Cu5ppm の溶液を吸引させた時の目安は 0.55Abs です。
・ キャピラリーチューブ交換後に吸光度が下がった場合は、チューブの径が合っていることを確認してください。 標準用チューブの部品番号は 9910024800 です。
|
|
|
|
|
(F) 分析(ファーネス) |
1. |
吸光度が低い。 |
|
キャピラリーチューブ先端が汚れていて、試料がチューブ先端にトラップされる。そのためグラファイトチューブの底に 正常に滴下されず吸光度低くなります。キャピラリーチューブ先端を洗浄するか、キャピラリーチューブを交換して ください。
|
|
2. |
ファーネスタイプの原子吸光で、「シグナルゲインオーバーレンジ」 のエラーが表示される。 |
|
光路を遮る要因があった時に表示されます。サンプル注入量が多い、原子化時に煙を生じる等。 分析は止まらず継続されます。
|
|
|
(G) SIPS(フレーム) |
1. |
SIPS ポンプ右側のサンプル溶液が、真ん中の希釈液に逆流してしまう。 |
|
SIPS を取り外し、手動測定モードにします。シリンダーもしくはビーカーに水を汲み、フレームを点火し、1分間辺りの水の吸引量を確認します。[メソッド編集] - [SIPS] 画面を開き、ネブライザ吸引量を確認します。ネブライザ吸引量が 5mL/分の場合、SIPS を外した状態で 5mL/分吸引している必要があります。ネブライザを調製、またはメンテナンスし、吸引量を上げてください。
|
|
|
(H) PSD100・PSD120 オートサンプラ (ファーネス) |
1. |
PSD オートサンプラのアームが下がらない。 |
|
アームが下がらない状態で回転している時は、アームを上下動させる棒のメンテナンスしてください。
<<詳細資料はこちら(426KB)
|
|
2. |
サンプルバイアル、グラファイトチューブの穴にキャピラリーチューブが入らなくなる。 |
|
・ キャピラリーチューブ先端が湾曲している場合は、ガイドフォルダからキャピラリーチューブを抜き、キムワイプ等で 先端をしごき、摩擦でチューブを真っ直ぐにしてください。
・ 手前奥、左右にアームの位置調整をした後に、PSD 背面のつまみがしっかりと固定されていない可能性があります。
・ サンプル回転板と PSD 筺体カバーの隙間が均等でない可能性があります。一部が接触している場合は、 PSD 背面の筺体カバーを固定するネジ 3本を緩め、隙間を均等してネジを締め直してください。
|
|
3. |
「F8123シリンジメカニズム失敗」のメッセージが出る。 |
|
錆び等が原因で、シリンジドライブモータの軸の動きが悪い。潤滑油を注油し動きを良くしてください。
<<詳細資料はこちら(164KB)
|
|
|
(I) ソフトウェア、PCの不具合 |
1. |
SpectrAA ソフトウェア起動時に、「GPIB」 が含まれるエラーや 「No driver detected」 と表示され、装置を認識しない。 |
|
・PC内の GPIB ボードが接触不良を起こしている可能性があるため、しっかりと取り付けてください。
・PC背面と装置本体を繋ぐ GPIB ケーブルを取り外し、再度しっかりと取り付けてください。
<<詳細資料はこちら(1.3MB)
|
|
2. |
PCの電源はオンになるが、Windowsが起動しない。 |
|
・GPIB ボードを外した状態で Windows が起動するかご確認ください。
・メモリを抜き差ししてください。
<<詳細資料はこちら(847KB)
<< PC が HP400 シリーズの場合はこちら (1.78MB)
|
|
3. |
SpectrAA ソフトウェアを起動すると直近で使用したワークシートが自動的に開く、またはそのワークシートを閉じることが出来ない。そのためソフトウェアを正常に終了できない。 |
|
ワークシートが一部欠損している可能性が高いと考えられます。ワークシート名を確認し、ソフトウェアを終了します。 問題となっているワークシートをフォルダから手動で削除してください。デフォルトの保存先フォルダは C:\Varian\sp100\DATA です。
|
|
4. |
「雛形から」、「開く」を選択した時、ワークシートのロード時のフォルダを「DATA」以外に変更したい。 |
|
デフォルトでは「DATA」フォルダを開く設定になっています。「Default Worksheet Path」 を設定することで、 ワークシートのロード時のフォルダを指定可能です。
<<詳細資料はこちら(460KB)
|
|
|