Access Agilent 2011年3月号

TOF および Q-TOF 用の新しい MassHunter Acquisition ソフトウェアによる生産性の向上

Doug McIntyre
Agilent LC/MS ソフトウェアソリューションマネージャ

以前にも増してコスト削減が求められている多くのラボでは、新しい機器と既存の機器の生産性を高める必要があります。TOF および Q-TOF 用の Agilent MassHunter Acquisition ソフトウェアのリビジョン B.04.00 は、サポートされるあらゆる精密質量システムの生産性を向上させます。このソフトウェアを使用することで、コンプライアンスモードを使って規制ラボでの運用が可能になったり、ハイスループットラボで MassHunter Study Manager を使用することで複数のサンプルセットのキューイングが可能になるほか、データに左右される MS/MS 取り込みの効率を向上させることができます。さらに、Agilent Ultra High Definition (UHD) Q-TOF のオートチューンにより、サポートされるすべての機器でパフォーマンスが向上します。最初は、MassHunter Acquisition ソフトウェアは Microsoft Windows® XP または 64 ビット バージョンの Microsoft Windows 7 (32 ビットモードで実行) で実行されます。

コンプライアンスモードにより規制ラボに対する性能が向上

高い選択性と感度を備えた Agilent TOF および Q-TOF システムは、医薬品開発の生体分析測定に適しています。これらの機器を使用して、予測される代謝物と予測されない代謝物の両方についてフルスキャン高分解能データセットを取得できます。これにより、代謝安定性を測定し、代謝物の同定を 1 回の分析で実行できます。21 CFR Part 11 で定義されたプロトコルに従う必要のある規制ラボが、この結合分析を実行して時間を節約する場合は、以前はトリプル四重極 (QQQ) システムでのみ使用できたコンプライアンスモードを有効にできます。

コンプライアンスモードには、セキュリティで保護されたログイン、各ユーザーのタスク制限、取り込みメソッドのバージョニング、すべての変更の監査証跡、改ざん検出ツールが含まれます。コンプライアンスモードの Agilent MassHunter Quantitative Analysis に使用する場合、規制ラボは QQQ マルチプルリアクションモニタリング (MRM) データまたは TOF/Q-TOF 精密質量スキャンデータを用いて生体分析測定を実行できます。

図 1. MassHunter Study Manager は、サンプルセットをキューイングし、LC/MS 分析の完了に必要なタスクをスケジュールすることで、サンプルスループットを高速化します。(画像を拡大)

Study Manager でサンプルセットをキューイングすることで
スループットが向上

また、以前は LC/QQQ 機器でのみ使用できた Study Manager が、このリリースでは Agilent TOF および Q-TOF システムでも使用可能になりました。Study Manager を使用すれば、手動で作成したワークリストや、スプレッドシートやテキストファイルからインポートした複数のワークリストを提出できます。各サンプルセットと分析は、独立して実行され、独自の提出者やファイルの場所などの特性を持ちます。コンプライアンスモードで使用する場合、各分析は、他のオペレータが変更できないようにロックされて、提出したユーザーしか使用できなくなります。

オートチューンの向上により機器のパフォーマンスが最大化

Agilent 6538/6540 UHD Q-TOF システムに組み込まれ、機能が向上したオートチューンアルゴリズムは、4 GHz 取り込みエレクトロニクスを備えたすべての標準 Agilent TOF および Q-TOF 機器にも適用されるようになりました。これらのアルゴリズムにより、自動チューニングの一貫性を高め、機器の分解能と質量精度を最大化できます。

新しい取り込みモードによる情報量の増加

以前は、UHD Q-TOF システムは極性切り替えモードで操作できませんでした。このモードは、最適な極性を判断するためにサンプルが事前に分析されていない可能性のあるスクリーニングアプリケーションで使用すると特に効果的です。現在は、サポートされるすべての Agilent TOF および Q-TOF システムが、MS 専用モードで高速極性切り替えを実行できます。

精密質量 MS/MS ライブラリ検索の実行時の結果を向上させるために、このソフトウェアリリースは、複数のコリジョンエネルギーにおける MS/MS モードの操作をサポートします。Agilent MassHunter Personal Compound Database and Library (PCDL) Manager ソフトウェアでは、複数のコリジョンエネルギーでのスペクトルの保存もサポートされるため、この新しい取り込みモードを使用して、ライブラリスペクトルの取り込みと PCDL データベースの検索の両方をバランスよく行うことができます。

データに基づいた取り込み (自動 MS/MS) の性能も向上しました。純度評価、同位体グループ化、累積吸光度など、プリカーサイオン選択時の新しい基準がいくつかあります。これらのパラメータにより、ペプチドの同定が大幅に向上します。また、優先イオンリストで自動 MS/MS をトリガできます。この機能は、候補となるサンプル成分について他のデータがある場合に特に役立ちます。

ソフトウェアアップグレードによる生産性の向上

2011 年 3 月 1 日から、すべての TOF および Q-TOF システムにこのソフトウェアが付属するようになりました。既存の Agilent 6220、6228、6230 TOF、または 6520、6528、6530、6540 Q-TOF をお持ちの場合は、TOF/Q-TOF 用の G3849AA MassHunter ワークステーションソフトウェアアップグレードを注文して、システムをアップグレードすれば、この新機能を利用できるようになります。このアップグレードには、次の製品のライセンスもそれぞれ 2 つ含まれます。

  • Agilent MassHunter Qualitative Analysis B.04.00
  • Agilent MassHunter PCDL Manager ソフトウェア B.04.00
  • Agilent MassHunter Quantitative Analysis B.04.00 SP2
  • Microsoft Excel 2010

このソフトウェアではインストール手順を簡素化したため、アジレントのサービス担当者によるサポートは不要になりました。

特に、Windows 7® への移行も計画している場合には、G1668AA High-End LC/MS ワークステーションを注文することで、お使いの MassHunter ワークステーションをアップグレードすることができます。

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