Access Agilent 2010年1月号

複雑な半揮発性化合物の GC/MSD 分析のスタートアップ時間を短縮

Mike Szelewski
アジレントアプリケーションケミスト

難揮発性化合物の GC/MSD 分析は、測定成分の数やマトリックスの多様性などの影響により、複雑になることがあります。通常、飲料水や廃水、土壌などのサンプルでは、100 種類を超える化合物の分析と、それぞれに対応するキャリブレーションテーブルが必要となります。マトリックス干渉が生じるため、分析結果の解析には、経験を積んだオペレータでも時間がかかります。また、焼き出しにより分析時間がきわめて長くなるので、分析サイクルが長くなり、生産性も悪くなります。

環境分析ラボは、毎日のようにこうした問題に直面しています。そのため、GC/MSD 技術の導入が困難で時間のかかるものになっています。

設定済み、プレテスト済みのソリューション

Agilent GC/MSD 難揮発性化合物アナライザは、導入したその日からラボの生産性を向上し、一貫した高品質のデータを生み出します。お客様のアプリケーションに応じてあらかじめ設定され、アジレントの工場でテストされているため、通常は導入に数時間から数日かかる技術を、すぐに使用することができます。システムは最終テスト合格後に出荷され、検証済みのものと同じ設定で据付けられます。

難揮発性化合物アナライザは、時間を節約して分析結果を向上させる以下のような最先端技術や機能を備えています:

 

図 1. バックフラッシュにより分析時間が 50 % 短縮(画像を拡大するにはここをクリックします)。
図 1. バックフラッシュにより分析時間が 50 % 短縮(画像を拡大するにはここをクリックします)。
図 2. ロックされたリテンションタイムを用いた難揮発性化合物確認用サンプルのDRS レポート(画像を拡大するにはここをクリックします)。
図 2. ロックされたリテンションタイムを用いた難揮発性化合物確認用サンプルのDRS レポート(画像を拡大するにはここをクリックします)。
  • マルチモード注入口 (MMI) では、標準的なスプリット/スプリットレス注入口に比べ検出下限が向上します。コールドスプリットレス注入を使えば、活性の高い化合物の分解を最小限に抑え、より多くの分析対象成分をカラムへ導入することが可能です。

  • Agilent J&W ウルトライナートカラムの最新製品である 20 m x 180 µm(内径) x 0.36 µm (膜厚)DB- 5MS カラムは、信頼性の高い高速分離を実現します。

  • Agilent キャピラリ・フロー・テクノロジーは、高沸点成分をバックフラッシュすることにより、分析時間を短縮し、メンテナンスの手間を軽減します。バックフラッシュをメソッドに組み込めば、20 分以上かかるカラム焼き出し時間を省くことができます。このバックフラッシュにより、溶出の遅い成分がイオン源を汚染することがなくなるため、クリーニング頻度が減り、より多くのサンプルをメンテナンスフリーで分析することができます。図 1 では、バックフラッシュを用いた分析と用いない分析を比較しています。ブランク分析の結果は、注入口とカラムが汚染されていないことを示しています。

  • デコンボリューションソフトウェア (DRS) は、EPA メソッド 525 および 8270 の 338 種類の化合物が収録された難揮発性化合物DRS ライブラリと連携して機能します。このソフトウェアにより、信頼性の高いターゲット化合物の高速分析が実現します。特に、複雑なマトリクスを分析する場合に効果的です。難揮発性化合物確認用サンプルの DRS レポートを図 2 に示しています。

  • 定量データベースを用いたメソッドには、単一レベルで較正され、デコンボリューション用に設定されたものと同じ化合物が含まれています。

  • システム全体で、あらかじめ保持時間(リテンションタイム)がロックされています。出荷に先立ち、活性のきわめて高いものを含む 29 種類の化合物からなる確認用のサンプルで分析されます。

Agilent GC/MSD 難揮発性化合物アナライザをラボに据付ける際には、アジレントのプレテスト結果をオンサイトで再現できるように、システムがふたたびロックされ、難揮発性化合物確認用サンプルを用いて再分析されます。

大容量注入に容易に対応

分析メソッドに容易に、大容量注入 (LVI) を組み込むこともできます。長い注入時間に対応する十分なホールド時間が、オーブンプログラムに組み込まれ、また、内蔵の溶媒排出計算機能により算出されたLVI の時間設定などを組み込むことができます。必要であれば、従来のホットスプリットレス注入を使用することもできます。MMI では、スプリット/スプリットレス注入口で使用されるものと同じライナを使って、ホットまたはコールドスプリットレス注入と LVI を用いることができます。

すぐに分析を開始するために必要なすべてのものを網羅

システムに同梱される DVD には、メソッドおよびデータファイル、アプリケーションノート、アプリケーションを迅速に開始するためのクイックスタートガイドが収録されています。また、2 枚目の DVD には、デコンボリューション設定の最適化、クロマトグラフィシステムの再ロック、DRS プロセスの解釈などのテクニックを詳しく説明するビデオが収録されています。各ビデオには、初心者に必要な情報を説明するステップごとのスクリーンキャプチャやナレーションが収録されています。経験を積んだオペレータにとっても役立ちます。

難揮発性化合物アナライザは、最高の感度、最短の分析時間、最速のデータ解析を速やかに始めたいラボに最適なソリューションです。

アジレントのウェブサイトの Agilent GC/MSD 難揮発性化合物アナライザのページでは、本アナライザ導入による利点の詳細をご覧いただけます。または、お近くのアジレントあるいはアジレント販売店にお問い合わせください。