ガスクロマトグラフィー/
質量分析の基礎

ガスクロマトグラフィー/
質量分析とは

ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)では、2 つの分析ツールを組み合わせることにより、食品、一般消費財、医薬品、燃料、環境などに含まれる化学物質を推定し、濃度を測定します。

ここでは、GC/MS の代表的なコンポーネントおよび操作の基本原理を説明します。

ガスクロマトグラフ

ガスクロマトグラフィー(GC)は、混合物試料中の揮発性成分を分離するために使用します。そのために、まず液体サンプルを、ヘリウムや水素などのガスによって運ぶことができる状態である気体(ガス)にするために加熱します。キャリアガス(または移動相と呼ばれます)は、化学物質(固定相)でコーティングされた細長いガラス製または金属製チューブ(カラム)内でサンプルを移送します。

気化した試料はカラムの中でキャリアガスに運ばれながら固定相と相互作用して移動速度が低下します。化合物ごとに、それぞれの化学的特性に応じて、カラム出口に到達するまでの時間の長さも異なります。カラムで分離された化合物は質量分析計に送られます。

質量分析計

質量分析計(MS)は、GC で分離された気化試料を検出するする検出器です。FID などの GC 検出器 ではカラムの移動時間であるリテンションタイムとピーク強度に関する情報が得られる一方で、質量分析ではさらに 三次元目の情報である化合物の質量に関する情報が得られます。化合物の質量情報から、分子の構造上の特性や化学的特性を推定したり、化合物の定量することができます。

質量分析計で化合物が通過する最初の部分はイオン源と呼ばれ、ここでは GC カラムからキャリアガスに乗って溶出してきた中性分子がイオン化されます。一般的なイオン源は電子イオン化(EI)イオン源です。EI イオン源の内部には、電球のフィラメントに似た金属フィラメントが配置されています。フィラメントに電荷が印加されると、電子を放出して到着した化合物をフラグメント化しイオンが生成されます。生成するイオンの多くは正電荷です。生成されたフラグメントのパターンは、化学物質の推定で利用可能な特異性の高い「フィンガープリント」です。

イオン源内では、レンズと呼ばれる一連の電極によって、荷電したイオンをイオン源から四重極マスアナライザ(またはマスフィルタ)へ導きます。四重極は、4 つのロッドで構成されていて、直流電圧と高周波電場が印加されています。この組み合わせにより、条件に合った特定の質量(特定の質量電荷比または m/z 比)のフラグメントのイオンのみが、検出器に向かって四重極の電場を透過することができます。

質量分析計は電圧を迅速に変化させて、多くの m/zを測定することが可能です。質量分析計を通過したイオンは、エレクトロンマルチプライア(EM)と呼ばれる検出器に到達し、イオンが電気シグナルに変換されます。四重極の質量の条件と EM で得られたシグナルの強度から構成されるデータは、質量スペクトルと呼ばれます。この質量スペクトルのパターンは、フィンガープリントと同様に、化合物推定で使用できます。記録されたさまざまなイオンのレスポンスは、定量分析のキャリブレーションに使用することができます。