50 以上のサンプル中に低濃度で存在する 10 種類以上の元素を測定

ICP-MS または ICP-QQQ が最適

100 ppb 未満の濃度で存在する 10 種類以上の元素を測定する必要があり、1 日あたりの測定サンプル数が 50 を超えている場合は、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)が最適です。ICP-MS による元素分析では、より高濃度の元素も測定できますが、元素数やサンプル数が少ない場合は、フレーム 原子吸光分光光度計や MP-AES など低コストの分析法でも対応できます。

金属分析における ICP-MS の利点

ICP-MS には以下の特長があります。
  • ほぼすべての元素を 3 分以内に高速測定(スイッチングバルブを使用した場合はサンプルあたり 1 分)
  • ほとんどの元素に対して高感度、低検出下限(ng/L(ppt)またはサブ ppt レベルまで)を実現し、元素同位体比の測定も可能
  • 0.1 ppt 未満から 1000 ppm 超までの濃度の元素を同時に測定
  • ほぼすべての干渉を解決
  • 溶解固形分 25 % までの有機溶媒および溶液など、多様なサンプルを測定可能
  • クロマトグラフィー分離のために液体またはガスクロマトグラフィーと、または固体を直接測定するためにレーザーアブレーション(LA)と接続するなど、他の技術に接続
  • オートサンプラの使用による自動分析

必要なのは ICP-MS か ICP-QQQ か?

金属分析用 ICP-MS の一般的な構成には、シングル四重極 ICP-MS とトリプル四重極 ICP-MS(ICP-QQQ)の 2 種類があります。ICP-QQQ はタンデム ICP-MS または ICP-MS/MS とも呼ばれます。どちらの構成も 86 種類の元素を測定できますが、ICP-QQQ では、シングル四重極 ICP-MS で測定できない F の測定も可能です。

シングル四重極 ICP-MS は、ICP-QQQ より機器が低価格で、ランニングコストもわずかに低く抑えられます。一方、分析メソッドによって異なりますが、ICP-QQQ には、設定および操作に多少高度なスキルが要求されます。シングル四重極 ICP-MS 用に開発された多くのメソッドは、ICP-QQQ でもそのまま使用できます。

ICP-QQQ の最大の利点は、シングル四重極では対処できないスペクトル干渉を解決できることです。これにより、多様なサンプルに対してはるかに低い検出下限を達成でき、より信頼性の高い結果が得られます。例えば、元素 Si、P、および S は、シングル四重極 ICP-MS での測定時にはスペクトル干渉を強く受け、検出下限が比較的高くなります。ICP-QQQ なら、干渉を解決し、これらの分析困難な元素を低濃度で測定できます。

シングル四重極 ICP-MS による定量分析

ICP-MS による元素分析は、以下のようなラボに最適です。
 

  • ルーチン(一般的には規制)ICP-MS メソッドを実行している
  • F、Cl、Si、P、S など「分析困難な」元素を含まない、一般的な範囲の微量元素を測定している
  • 環境サンプルなど一般的な種類のサンプルを分析している
  • きわめて低濃度の超微量(ppt 未満)元素を測定する必要がない


 



トリプル四重極 ICP-MS による定量分析

ICP-QQQ は、以下のようなラボに最適です。

  • 複雑なサンプル、分析困難な元素(F、Cl、Si、P、S)、容易に解決できない干渉など、条件の厳しいアプリケーションに取り組んでいる
  • 高純度物質や半導体プロセス薬品中の超微量(ppt 未満)元素を測定する必要がある
  • 同重体(元素)が直接オーバーラップする成分(204Pb/204Hg、87Sr/87Rb、176Hf/176Lu など)や放射性同位体を測定する必要がある(一般に、地球化学サンプルや核サンプルの測定にはこの機能が必要)
  • 炭素マトリックス中の B、鋼中の Mn、ウラン中の Np など、質量数が主成分元素と隣接している元素を低濃度で測定する必要がある
  • 現在だけでなく将来的にも、対応できるサンプルの種類を最大限に広げたい



ICP-MS と ICP-QQQ の比較

以下の表に、Agilent ICP-MS 機器と ICP-QQQ 機器を相互に比較します。

ICP-MS
製品ページ
ICP-QQQ
製品ページ
相対的な価格 ¥¥¥¥ ¥¥¥¥¥
相対的なサンプルあたりのコスト ¥¥¥ ¥¥¥
相対的な感度
レビュー SelectScience SelectScience
1 日あたりの最大サンプル数1 1200
(元素 50 種類以上)
1200
(元素 50 種類以上)
測定のダイナミックレンジ 1 ppt 未満~1000 ppm 1 ppt 未満~1000 ppm
相対的な必要サンプル量
相対的なサンプル中の許容固形分
元素の測定 同時 同時
測定可能な元素数 86 87
相対的な日常メンテナンスの必要性
相対的な必要オペレータスキル 2 2
自動分析 可能 可能
Part 11/Annex 11 GMP コンプライアンス 適合
(オプションソフトウェアを使用)
適合
(オプションソフトウェアを使用)
仕様
相対的な動作時消費電力
寸法(mm – 幅 x 奥行き x 高さ) 730 x 600 x 595 1060 x 600 x 595
重量 100 kg 139 kg
ガス要件 99.99 % アルゴン 99.99 % アルゴン4
保証期間3 12 か月 12 か月
アクセサリ
オートサンプラ オプション オプション
水冷システム 必要、付属していない 必要、付属していない

  1. 記載されているサンプル数を達成するには、機器にスイッチングバルブを装着してスループットを高める必要があります。
  2. ルーチン分析用にシンプルなインターフェース(ICPGo)とプリセットメソッドが用意されています。これにより、オペレータに要求されるスキルレベルが大幅に軽減されます。
  3. アジレントでは、さまざまな延長保証およびサポートオプションをご用意しています。
  4. 半導体用化学薬品中の不純物を測定する場合など、汚染を管理する必要のあるアプリケーションでは、純度 99.999 % 以上のアルゴンが必要になることがあります。

関連情報

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