水素キャリアガスの取り扱いについて

ヘリウムガスの価格高騰を機に、日本でもガスクロマトグラフ用に水素キャリアガスを検討されるケースが増えています。コスト意識の高い欧米ではすでに多くのユーザーが水素キャリアを用いており、分析の高速化による生産性向上と、分析コストの低減を実現しています。
一方で、水素ガスは酸素との混合により極めて引火爆発を起こしやすいガスです。ガス供給源、ガスを導入する分析機器および途中配管を含めた使用環境、機器操作等を含め、使用者責任において細心の注意のうえで取り扱う必要があります。

 

アジレントの GC (8890 GC8860 GC7890 GC7820 GC) は、欧米での長年の水素使用実績から、ユーザーが水素ガスを取り扱ううえで便利な、数々の優れた機能、機構を搭載しています。

 


8890 GC7890 GC には、新しくオプション機能として、GC 内蔵型の水素センサーを搭載することが可能です。このセンサーにより、GC オーブン内に水素のリークを検知すると GC 本体が シャットダウンします。

 

GC 用前処理装置である 7697A ヘッドスペースサンプラは、サンプルループ方式を採用しており、キャリガスとバイアル加圧ガスで異なるガスの使用が容易です。水素も、正しい取り扱いをすることで HSS-GC/MS システムのキャリアガスとして使用可能になります。常にサンプルラインをパージしているバイアル加圧ガスには水素は使用できません。 

 

より安全に水素ガスをお取り扱いいただくために:

  • ガスリークディテクタ:
    ハンディタイプのリークディテクタは、水素ガス供給源、集中配管、継ぎ手、
    分析機器、カラム接続部など、リークしやすい箇所の日常点検に便利です。
    ※デモ品の貸出しも受け付けています。
  • 水素ガス発生装置の利用:
    水の電気分解により水素を得ているため、停電時には水素発生が停止するうえ、
    ガスボンベと比較して水素の貯蔵量が格段に少ないという利点もあります。
    (弊社での取り扱いはございませんが、担当営業にお問い合わせください。)
  • 水素検知器の設置:
    水素センサーをラボの天井等に設置しておくことにより、警報を出したり、
    水素ガス供給源を遮断したりすることで、引火爆発のリスクを低減できます。
    (弊社では、室内設置型などの水素検知器の取扱いはございませんが、
    担当営業にお問い合わせください。)

ご注意:

  • 水素ガスは、各機器の取扱説明書に従い、正しくお取り扱いください。
  • 化合物によっては水素ガスにより還元され、MS スペクトルや感度が変化することがあります。
  • 弊社分析計はいわゆる 「防爆構造」 ではありません。したがって、爆発可能性のある
    雰囲気での使用はできません。水素キャリアの使用は、キャリアガス排気・スプリットベントなど全排気が確実に室外放散されていること、水素供給源から機器までの配管からの水素ガス漏れが無いこと、設置環境に十分な換気機能があることを前提にしています。設置環境に爆発限界を超えたガスが滞留した場合、弊社機器以外も点火源となり得ます。