ICP-MS 7500シリーズについて

Agilent ICP-MSでラボワークに革新を

微量金属元素分析の主役、ICP-MS。
フレームレス原子吸光光度計に勝る分析処理能力、ICP発光分析装置を遥かに凌ぐ高感度性能。そして、環境サンプル中の数百ppmレベルのナトリウムなどの主成分とサブppbレベルの元素を、一度に測定できる驚異のダイナミックレンジ。また、半定量分析や同位体比分析も可能。さらには、この抜群の性能を持つICP-MSと、クロマトグラフやレーザーアブレーションシステムとを結合すると、従来の検出器では得ることのできない高感度な元素情報を得ることができます。

しかし、ICP-MSであれば、すべて同じというわけではありません。Agilent 7500 シリーズは、最高級の性能と、誰もが簡単に分析できるように操作性を徹底的に追求し、自動化にも確実に対応する高い信頼性を兼ね備えたICP-MSです。先進のオクタポールリアクションシステム(ORS)、様々なサンプルに対応する各種のサンプル導入部品や周辺装置、そしてお客様を確実にサポートするアプリケーションやアフターサービス。ラボワークに革新をもたらします。

導入後の運用コストを最小限に
Agilent 7500 シリーズは、難しいサンプルを数多く分析することが要求される環境分析ラボにおいても、最高レベルの信頼性を維持し、アップタイムの最大化を図ることができるように設計されています。低い故障率、高いサンプル処理能力を持つAgilent 7500が大きなメリットをもたらします。

  • Agilent 7500 シリーズ ICP-MSは、ISO 9001及びISO 14001認証工場にて製造しています。
  • シャーシは耐食性の高いステンレス鋼製です。
  • 開発過程において、徹底した衝撃試験、振動試験、温度/湿度試験等を実施。お客様の使用環境での分析性能を確実にしま す。
  • ソリッドステート化による、メンテナンスフリーの高周波発生装置。増幅管など定期交換部品はありません。
  • ORS搭載モデルでは、イオンレンズの洗浄/交換が真空を破らずに行え、ダウンタイムを最小限にします。
  • 交換時期を事前に知らせる、Early Maintenance Feedback機能搭載のソフトウェア。
  • 装置の状態を常にモニターし、異常や警告を随時表示する診断機能。

7500 シリーズは、2モデルをラインナップ。アプリケーションに合わせてお選びください。

Agilent 7500cx
ORS(オクタポールリアクションシステム) を搭載したICP-MS オクタポールリアクションシステム (ORS)は、ICP-MSに革新をもたらしました。従来、困難だったマトリックスを 含むサンプルでも、pptレベルの微量分 析を実現します。
  • ヘリウムモードでは、マトリックス起因 の干渉を除去。セル内での副生成物の発生もありません。
  • 水素モード(オプション)では、アルゴン起因の分子イ オンを除去。たとえば、Seの検出下限 を1桁pptにまで改善します。
  • 新開発の軸ずらしイオンレンズ系とイオン透過率の高いORSの組み合わせにより、複雑なマトリックスサンプルでも、pptレベルの分析を実現。
  • 9桁に渡るダイナミックレンジにより、1pptから1000ppmの濃度範囲をカバー。
  • 海水、土壌、食品、生体、製薬、石油化学、地質学関連のサンプルなど、高いマトリックスを含むサンプルをも確実に分析する、サンプル導入系とインターフェース設計。
Agilent 7500cs
究極の半導体分析にORSテクノロジーは、半導体分野に革新をもたらします。
  • 超高感度による究極の定量下限とORS によるマトリックス干渉の除去を両立 し、高マトリックスの半導体サンプル中の超微量不純物を確実に分析。
  • 硫酸中のS起因の多原子イオン干渉も
  • 除去し、TiやZnをその質量数で分析。
  • 実績と信頼のクールプラズマも装備。
  • 半導体分析に最適なサンプル導入系とインターフェース設計。
最高の品質基準

製品デザインの高水準をよりいっそう確かなものにするために、アジレント 7500シリーズは最高の品質基準に基づき、最先端の生産施設で製造されています。

  • 総ステンレス製の筐体
  • アクティブフローコントロール式の新型マスフローコントローラー
  • 全自動のICPトーチ位置調整
  • 高性能デジタル駆動型ICP rfジェネレータ
  • 理想的な双曲面形状の四重極マスフィルタ
  • 高速同時デュアルモード式検出器

Agilent 7500 シリーズ 周辺機器
生産性を一層 高め、応用範囲を拡大するために、様々な 周辺機器やオプションソフトウェアを用意 しています。

Agilent インテグレートオートサンプラ(I-AS)
I-ASは、超微量域での自動分析を可能にするオートサンプラです。本体のサンプル導入エリア内に装着され、 超微量分析や少量サンプルの分析も可能なように設計されています。最大89サンプルまでセットできます。

ASX-500 シリーズ オートサンプラ
オートサンプラ最大360サンプルまでセットできる大容量オートサンプラです。多数のサンプルを分析するラボに適してい ます。

耐フッ酸導入キット
本キットには、分析時の汚染のリスクを最小限に抑え た、高純度の樹脂製のエンドキャップやスプレーチャンバ、そして、耐フッ酸性のインジェクタ(白金製) を組み入れたトーチが含まれています。

インテグレートサンプル導入装置(ISIS)
高精度ポンプ2基、6ポートのスイッチングバルブが搭載されたアジレント独自のISISは、定流量でのサンプル導 入や自動希釈(インテリジェントシーケンスソフトウェアとの連動)、フローインジェクション、マトリックス除去などができます。水素化物発生キットを 組み込むと、水素化物の分析も可能です。

GC-ICP-MSインターフェース
トランスファーライン部の温度調節が可能なGC-ICPMS 用インターフェースです。最大300℃まで加熱可能で、沸点の高い化合物にも対応できます。

LCとの接続キット、スペシエーション分析キット
LCとICP-MSを接続するために必要なチューブ、ケー ブルやコネクタ類が含まれています。有機系移動相を 使用できるように特殊なトーチも用意しています。
ヒ 素スペシエーションキットには、分離カラムや分析メ ソッドを記載した資料が付属されています。

レーザーアブレーションシステム
固体サンプルの直接分析には、レーザーアブレーショ ンが最適です。7500 シリーズの超高感度性能と9桁に渡る広いダイナミックレンジを持つ高速デュアルモー ド検出器は、レーザーアブレーションの特長を最大限に引き出します。

クロマト解析ソフトウェア
Agilent 7500は、クロマトグラフ解析技術でGCやLCに簡単に接続するために設計、最適化された世界初のICP-MSプラットホームです。クロマトグラフ解析ソフトウェア−Plasma Chrom−7500はAgilent ICP-MSと連動し、スペシエーション分析をするときにその威力を発揮します。