マイクロプラスチックの健康上のリスクを解明

マイクロプラスチックの健康上のリスクを解明

マイクロプラスチックの
健康上のリスクを解明

世界中で 1 年間に生産されるプラスチックの量は約 4 億トンにのぼり、現在、マイクロプラスチック (化粧品、パーソナルケア製品、子どもの玩具、家庭用品などに使用されているプラスチックの破壊により生じた小さな粒子) による河川や土壌、空気、食品、飲料水の汚染が懸念されています。米国海洋大気庁は、マイクロプラスチックを 5 mm 未満のプラスチックと定義していますが、最も問題視されているのはそれよりも小さな 10 ~ 300 um の粒子です。

現在のところ、健康への影響はわかっていません。また、マイクロプラスチックが人体に与える影響や、その他の環境汚染物質を人間や野生生物が吸収する能力についても、ほとんど明らかになっていません。アジレントは研究者と協力しながら、マイクロプラスチック粒子の測定基準を開発しています。

世界保健機構 (WHO) は、環境中のマイクロプラスチックと、考えられる健康への影響をさらに評価するよう呼び掛けており、これに先だって、飲料水中のマイクロプラスチックに関する最新の調査解析結果を発表しました。

WHO の公衆衛生環境局長である Maria Neira 博士は次のように述べています。「マイクロプラスチック至る所に存在し、飲料水にも含まれているため、その健康への影響を早急に調査する必要があります。判明している限定的な情報に基づいて考えると、飲料水中のマイクロプラスチックは、現在のレベルでは健康を脅かすとは思えません。しかし、詳しい調査を行うと同時に、プラスチック汚染の世界規模の拡大を阻止する必要があります」

マイクロプラスチックへの曝露と健康への潜在的な影響をより正確に評価するには、さらなる調査が必要であると WHO は述べています。これには、マイクロプラスチック粒子の測定と水中での特性解析のための標準メソッドの開発、淡水中のマイクロプラスチックがどこで、どのように発生したかについての詳しい調査、各種処理プロセスの有効性が含まれます。



写真: Agilent 4300 ハンドヘルド FTIR システム
を使用すると、マイクロプラスチックに関する
データを現場でリアルタイムで収集できます。

マイクロプラスチックが環境や食物連鎖、ひいては人の健康に与えるリスクを見きわめるための研究に、規制当局や業界が資金を提供しています。アジレントは、研究機関と共同で、化学的同定、サイズ、形状、総質量の観点からマイクロプラスチックを定量、特性解析する標準作業手順を作成中です。

赤外線 (IR) イメージングに関するアジレントの専門知識から、マイクロプラスチック測定に最適なツールが生まれています。IR イメージングにより、マイクロプラスチックの形状、サイズ、種類、特性を同時に特定する機会を得られます。これは他の多くの分析技法にはないものです。さらに、アジレントの提供するベンチトップ可搬型ハンドヘルドという 2 つのソリューションにより、環境のまさにその現場でマイクロプラスチックを分析し、情報をただちにリアルタイムで確認できます。

オールボー大学土木工学部の Jes Vollertsen 教授が率いる研究チームは、アジレントの IR ソリューションを使用して、環境内のマイクロプラスチックをモニタリングしています。この調査チームの取り組みは、Chemical & Engineering News の記事「The Pervasiveness of Microplastics」 (マイクロプラスチックの蔓延)で取り上げられました。

アジレントは、マイクロプラスチックを従来の FT-IR システムよりも高速かつ確実に分析することを目指して、Agilent 8700 Laser Direct Infrared (LDIR) ケミカルイメージングシステムもリリースしました。特に、LDIR ソフトウェアにより、マイクロプラスチックの同定と分析を完全に自動化できるため、ユーザーの時間を節約し、再現性を向上させることができます。

質量分析も、特定のプラスチック成分やポリマーの質量フラクションおよび組成を知るための手法ですが、マイクロプラスチックの数や表面積などの特徴は解明できません。このためには、通常、ガスクロマトグラフ/シングル四重極質量分析計 (GC/MSD) とともに、加熱抽出や熱分解技術を用います。

また、プラスチックに添加され、環境でごく低濃度でも有害な可能性のある特定の成分(フタレート)についても、アジレントは研究者と共同で分析と同定を実施しています。アイルランドのダブリンシティ大学 DCU Water Institute ディレクターの Fiona Regan 博士は、水に含まれるフタレートの ng/L レベルの測定に LC-MS/MS を使用しています。


デンマークのオールボー大学土木工学部の Jes Vollertsen 教授が、ラボにおける都市環境の分析と安全性に向けたチームの研究について語ります。
ビデオを見る

プラスチックによる環境汚染は進行しており、その世界的な影響を把握することは、マイクロプラスチック汚染の対策に必須です。アジレントは研究者や国際的な組織と連携して標準化された分析ソリューションを作成し、マイクロプラスチック汚染を確実に特定するとともに、安全な環境を保証する戦略を開発することを目指しています。

参考資料



アジレントの
ソフトウェア&
インフォマティクス

信頼性の高い分析結果を得るためには、データの品質と信頼性が鍵になります。これは、どのような業界や部門のラボでも変わりません。データインテグリティの確保は複雑であるため、多大な労力と時間を要します。人材、プロセス、ソフトウェアを適切に配置してデータインテグリティを確立するためには、どのような計画を策定すべきでしょうか。まず、先を見据えたアプローチをとることが重要です。

詳しくはこちら