AdvanceBio スピンカラム

バイオ医薬品分析用 LC カラム

AdvanceBio スピンカラム

Agilent AdvanceBio スピンカラムは、タンパク質やオリゴヌクレオチドを水性条件下で効率的にサンプル前処理するように設計されており、適切なイオン強度と pH により天然構造を保持します。過剰な塩や不要な低分子マトリックス成分は、サンプル分析の妨げとなるため、分析結果が低品質になったり、わかりにくくなったり、不正確になったりする可能性があります。AdvanceBio スピンカラムとプレートを使用することにより、サンプルマトリックスから過剰な塩や不要な低分子を簡単かつ迅速に除去したり、異なるバッファ条件間でサンプルマトリックスを交換したりすることができます。

このようなゲルろ過ベースのスピンカラムは、単一サンプル用の分析スケールカラムおよび分取スケールカラム、ハイスループット設定用の 96 サンプルプレートとして使用できます。カラムベッドには、3 種類の形式すべてにおいて、同じ架橋型デキストラン粒子が含まれているため、サンプル数やサンプル量の増減が容易です。

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特長

  • サンプル前処理を 10~15 分で実施
  • 分子量 5 kDa を超えるタンパク質、塩基対 10 より大きなオリゴヌクレオチド、またはヌクレオチドで使用可能
  • 製品フォーマットは 3 種類:サンプル量 < 100 µL 用のスピンカラム、サンプル量 < 1000 µL 用のスピンカラム、サンプル量 < 50 µL 用の 96 サンプルプレート
  • サンプル量 < 100 µL では > 99 % の塩除去、サンプル量 < 1000 µL では > 95 % の塩除去、サンプル回収率 > 90 %
  • pH 2.0~13.0 の領域で安定
  • 一般的に使用されるすべてのバッファ、および最大 0.2 M NaOH、0.2 M HCl、1 M 酢酸、8 M 尿素、6 M グアニジン HCl、1 % SDS、24 % エタノール、30 % プロパノール、または 30 % アセトニトリルを含む溶液に適合

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機能および原理

  • ゲルろ過について

    ゲルろ過、つまりサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、サイズベースの分離です。この場合、ゲルろ過はグループ分離として使用され、分子量カットオフを超えるサンプル成分を、分子量カットオフを下回るサンプル成分から分離します。5 kDa を超えるタンパク質や 10 nt または bp より長いオリゴヌクレオチドは、粒子のポア構造を効果的に貫通するには大きすぎるため、単一のグループとして最初に溶出します。小さなマトリックス成分やバッファ塩は、より効果的に粒子の小さなポアに移動できるため、カラム上に残ります。
  • < 1000 µL の AdvanceBio スピンカラムの使用

    部品番号 1980-1105 に含まれている分取スケールのスピンカラムは、50 mL 遠心分離チューブでの使用を目的としたカラムです。1 本は洗浄ステップ用で、もう 1 本はサンプル収集用の清潔なカラムです。ここに示すように、スピンカラム本体は、バイアルの上部に固定されており、小さな白いプラスチック製アダプタが付いています。部品番号 1980-1105 の各パックには、再利用可能なアダプタが 4 個付属しています。追加の 8 個は、部品番号 1980-1106 として入手可能です。遠心分離チューブが必要な場合、アジレントでは、部品番号 5610-2049、25 本、および 190065200、500 本という 2 種類のオプションを用意しています。
  • AdvanceBio スピン 96 サンプルプレートの使用

    ハイスループット 96 サンプルプレートには、洗浄ステップ用とサンプル収集ステップ用に個別の 96 ウェルプレートが必要です。洗浄ステップ用には、部品番号 5043-9308 を、サンプル収集ステップ用には、5043-9312 などの V 底 96 サンプルプレートを推奨します。遠心分離中、AdvanceBio スピン 96 サンプルプレートは、洗浄用プレートまたはサンプル収集用プレートの上に積み重ねられるため、これらの積み重ねられたプレート(高さ 5.1 cm)を遠心分離機が収納できることを確認してください。

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アプリケーション

  • データおよび質量分析計(MS)の保護

    サンプル前処理はデータ品質を向上させるために実施されますが、質量分析計を保護する方法でもあります。非揮発性サンプルバッファの場合、質量スペクトルに塩が付加されるため、分子量の計算が不正確になります。また、その塩はイオン源を汚染し、さらに機器内部も即座に汚染して感度を低下させるため、クリーニングのために機器のダウンタイムが発生します。10~15 分でサンプルマトリックスから塩を除去するか、またはサンプルを MS に適した揮発性のバッファに交換することにより、質量精度を向上させ、機器を保護します。
  • 合成オリゴヌクレオチドの迅速な脱塩

    詳細な特性解析、製剤、または大規模なオリゴヌクレオチド HPLC の場合、イオンペア逆相や強アニオン交換による精製が、高純度サンプルを得るための重要な手法となります。しかし、マイクロアレイ、シーケンシング、qPCR プライマーなどの特定のアプリケーションで使用される短いオリゴ(約 36 塩基以下)の場合、合成、切断、脱保護のステップから低分子の副生成物を除去するための迅速で簡単な脱塩ステップで十分です。
  • InstantPC で標識化されたグリカンによる高感度 N-グリカン分析

    Agilent AdvanceBio Gly-X N-グリカンサンプル前処理キットおよび InstantPC キットを使用することにより、わずか 1 時間でサンプルの遊離と N-グリカンの標識化が実施できます。 このグリカン分析で最高の分析感度を得るには、開始糖タンパク質が、適合するバッファ中に存在することが重要です。InstantPC は、第一級アミンと反応して遊離した N-グリカンを標識化するため、第一級アミンを含むバッファは、標識化のためのグリカンと競合します。リン酸塩のような非第一級アミンバッファに迅速にバッファ交換することにより、可能な限り最高の感度を得ることができます。

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