Altura HPLC カラムは、金属活性点をブロックする高度なコーティングを施した、ウルトライナートテクノロジーを採用しています。このテクノロジーにより、従来のステンレス製 HPLC カラムの強度、圧力耐性、一貫性を維持しながら、不活性な流路を確保できます。Altura HPLC カラムは、固定相の分離能を最大限に引き出せます。
Altura はスペイン語で「高さ」を意味しており、新しいウルトライナート HPLC カラムで得られるクロマトグラフィー上のメリットをそのまま表しています。
ウルトライナートとは、アジレントが開発した新しいコーティングテクノロジーのことです。ウルトライナート GC カラムに使用されている技術とは異なりますが、アジレントは、GC 分野での数十年にわたるコーティングの経験を活かして、高速液体クロマトグラフィーに適した技術を設計しました。
金属と相互作用する傾向がある官能基を持つ分析対象物は、ウルトライナートカラムを使用することにより、クロマトグラフィー性能が向上します。金属に反応しやすい官能基の例としては、カルボン酸などの酸、アミン(特にポリアミン)、またはリン酸化が挙げられます。リン酸骨格を持つオリゴヌクレオチドや、酸性および塩基性の側鎖またはリン酸化修飾を持つペプチドの構造を考えると、多くの生体分子が金属との相互作用に影響を受けやすいのは不思議ではありません。
アジレントは、PFAS 分析、ペプチド治療薬、タンパク質治療薬、オリゴヌクレオチド治療薬、および細胞培地と製剤用に、以下の Altura ウルトライナート HPLC カラムを提供しています。
Altura Poroshell 120 PFAS カラムは、PFAS 分析において最も困難な課題の 1 つである、C1~C18 の幅広い PFAS スクリーニングを 1 回の分析で実施しつつ超短鎖 PFAS を高い信頼性で保持および測定するという処理を実現し、ラボの課題への取り組みを支援します。このカラムは、飲料水やその他のクリーンなマトリックスにおいて、希釈-注入や直接注入といったアプローチに対応しており、サンプル調製を低減して、ラボの効率を向上させることができます。PFAS ディレイカラムと組み合わせることにより、TFA や PFBA などのシステム由来の PFAS によるバックグラウンド干渉を低減し、よりクリーンなベースラインと、低濃度でもより信頼性の高い検出を実現します。また、分析困難な多くの超短鎖 PFAS 分析対象物に対して、低 ppt レベルの検出下限も達成しています。大容量の直接注入にも対応しており、200 µL でクリーンなピーク形状を維持します。
ペプチドは、配列によっては金属と相互作用する傾向がある多くの官能基を有しており、その結果、ピークテーリングが発生して、分解能の悪化や分析対象物の回収率の低下を引き起こすことがあります。ウルトライナートテクノロジーは、ステンレス製カラムハードウェアとペプチドとの間の相互作用をブロックし、金属に反応しやすい酸性ペプチドやリン酸化ペプチドにおいて、ピーク形状と回収率を改善します。

従来、合成ペプチドの不純物分析には逆相分離を用いますが、異なる選択肢として HILIC を用いる場合もあります。
Altura ペプチドプラスは、ギ酸や過負荷の条件下でも優れたピーク形状を示しており、脱アミド化修飾に対して有用な選択肢となるため、合成ペプチドの不純物分析に推奨されます。このアプリケーションノートは、GLP-1 作動薬の分析における Altura ペプチドプラスの使用法を示しています。
Altura Poroshell HILIC-Z は異性体分離における別の選択肢となります。ELSD 検出を用いて極性賦形剤を同時にモニタリングできる可能性を有しています。
複雑なタンパク質分解サンプルを用いたペプチドマッピング実験には、Altura ZORBAX Eclipse Plus を推奨します。ウルトライナートテクノロジーにより、未修飾および脱アミド化されたペプチドペアのピーク形状が改善されます。そのため、このアプリケーションノートが示すように、重要な翻訳後修飾の分解能が向上します。
ペプチドと同様に、オリゴヌクレオチドも多くの場合、分析に逆相クロマトグラフィーを使用します。分解した mRNA の複雑なサンプルや合成オリゴヌクレオチド成分など、小~中サイズのオリゴヌクレオチドには、Altura Oligo HPH-C18 カラムが推奨されます。従来のイオンペア逆相メソッドまたはイオンペアを用いない重炭酸アンモニウムメソッドのいずれかで使用できます。

Altura Poroshell HILIC-Z カラムの HILIC-Z 固定相は、幅広い pH 安定性を備えた汎用性の高い充填剤です。もともとは、アミノ酸、代謝物、極性農薬などの極性分子の分析用に設計されました。開発以来、HILIC-Z は、GLP-1 作動薬やオリゴヌクレオチドの分離にも有用であることが実証されています。
HILIC によって良好に保持および分離される極性分子の多くは、金属とも相互作用する傾向があります。ウルトライナートテクノロジーを HILIC-Z 固定相と組み合わせることにより、金属に反応しやすい極性分子のピーク形状と回収率を改善することができます。

非常に堅牢です。バイオアプリケーションにおいて、低 pH と高 pH、高塩、イオンペア試薬、高温での高 pH など、過酷ではあるものの一般的な移動相を、空の Altura カラムハードウェアに対してそれぞれ 6 週間フラッシングしました。その後、カラムに C18 充填剤を充填して、金属に反応しやすいリン酸化ペプチド混合物を用いて試験を実施し、溶媒に曝露されていない新品の Altura カラムおよびステンレス製カラムと比較しました。過酷な移動相に長時間曝露された後でも、性能は維持されました。堅牢性試験の詳細については、こちらのホワイトペーパーをご覧ください。
堅牢なアプリケーションを実現するのは、堅牢なカラムハードウェアとロード機能です。ASMS で発表されたこちらの例では、14 日間にわたってウシ血清代謝物の分析に使用された Altura Poroshell HILIC-Z カラムを紹介しています。多くの酸性代謝物は、金属への曝露に対して非常に反応しやすいため、不活性度の低下は、保持時間の変化だけではなく、アバンダンスやピーク対称性の低下としても現れます。14 日間続いたこの分析には、複数バッチの移動相および複数のサンプルが含まれていますが、保持時間は分析を通して一貫しています。安定した保持時間は、LC/QQQ を用いたマルチプルリアクション モニタリング実験など、多くのメソッドにおいてきわめて重要です。
ステンレス製カラムでは、多くの場合、活性点をブロックするために、数回のコンディショニング注入が必要になります。Altura カラムでは、分析対象物と金属製カラムハウジングとの間の相互作用を排除することにより、最大 10~20 倍の速度で安定したシグナルを得ることができます。
このアプリケーションノートでは、新しいステンレス製カラムと新しい Altura Oligo HPH-C18 カラムに、安定したシグナルが得られるまで RNA ラダーを注入しました。ステンレス製カラムでは、クロマトグラムの再現性が安定するまで、8~10 回の注入が必要でした。一方、Altura カラムでは、最初の注入からシグナルが安定していました。
HILIC アプリケーションでは、これがさらに顕著になる場合があります。このアプリケーションノートでは、オリゴヌクレオチド分析に Altura Poroshell HILIC-Z を使用しています。ウルトライナートカラムは、ステンレス製カラムと比較して、最大 20 倍早く安定したシグナルを得ることができました。
Altura カラムには、特別なフィッティングは必要ありません。Agilent InfinityLab クイックコネクト フィッティングおよびクイックターン フィッティングの製品は、安定した取り付けが簡単にできる選択肢です。

PEEK は汎用性が高い一方で、使用にあたりいくつかの制限があります。そのため、不活性なカラムハードウェアの開発が進められてきました。PEEK は、ステンレスと比較すると圧力耐性が低く、またオリゴヌクレオチド分析で一般的に使用されるイオンペア試薬など、一部の HPLC 溶媒や添加剤に対応していません。
ステンレス製 PEEK ライニングの場合は、代替となる選択肢です。ステンレスで裏打ちされているため、PEEK 単体よりも圧力耐性は高くなりますが、ステンレス単体ほど高くはなく、カラムフリットが損傷するリスクがあります。
はい。カラム内に同じ固定相を保持している限り、ほとんどの分析において、Altura カラムへ容易にアップグレードが可能です。例えば、Agilent AdvanceBio ペプチドプラスカラムから Altura ペプチドプラスカラムに変更する場合、異なるのはカラムハードウェアのみであり、カラム充填剤は同じです。
pH、温度、溶媒適合性、圧力上限といった動作条件や、カラムの保管およびクリーニング条件は固定相により決定されるため、Altura カラムは、ステンレス製カラムで実施可能なすべての処理をより適切に実施することができます。金属に反応しやすい分析対象物の場合、より高く、対称性のより優れたピークが得られることが期待できるため、分解能の向上やより低い検出下限につながる可能性があります。金属との相互作用が効果的に低減されることにより、保持時間にわずかな変化が生じる場合がありますが、ほとんどのメソッドにおいて、これは非常に些細なものです。
カラムのメンテナンスおよび使用条件については、必ずカラムのユーザーガイドをご確認ください。生体分子アプリケーション用のユーザーガイドはこちらで、低分子アプリケーション用のユーザーガイドはこちらでご覧いただけます。
金属に反応しやすい分析対象物の場合は、不活性化された LC と不活性なカラムによる完全に不活性な流路を使用することで、最も優れたデータが得られると考えられます。ただし、従来の金属ベースの LC システムにおいても、カラムは、サンプル流路の重要な構成要素です。従来の同じ HPLC システムにおいて、ステンレス製カラムからウルトライナートカラムに変更するだけでも、ピーク面積は最大 14 倍増加し(下の図 iv と図 ii)、感度を効果的に向上させることができます。
ウルトライナートテクノロジーの詳細については、こちらのホワイトペーパーをご覧ください。

はい。カラムアセンブリのすべての部品が不活性です。
ステンレス製カラムではなく、Altura カラムを購入する決定的な理由は、金属に反応しやすい分析対象物の感度が向上するためです。不活性なハードウェアにより、固定相の性能が向上し、その可能性を最大限に活用することができます。Altura カラムは、ステンレス製カラムと比較して、最大 6.5 倍高い感度で ICH ガイドラインに準拠し、また最大 10 倍高い S/N 比を実現します。規制機関による規制がより厳格化する中、検出下限をより低くできることは、将来の成功へとつながります。
ピーク形状の改善、不純物に対する分解能の向上、およびより低い検出下限により、結果に対する信頼性が高まります。
サンプルが金属に反応しやすいかどうかがまだ不明な場合でも、ウルトライナートカラムでは、カラム内での金属との相互作用のリスクを排除できるため、安心してラボの他の課題に集中することができます。
不活性なハードウェアにより、固定相の可能性を最大限に引き出すことができます。カラムの選択性は適切であると考えているものの、ピークテーリングや感度に課題がある場合は、Altura 対応の固定相に切り替えることにより、これらの課題を解決できる可能性があります。分析対象物の金属に対する感度によっては、ステンレス製カラムから不活性なカラムに切り替えるだけでも、ピーク面積を最大 14 倍増加できる場合があります。このデータは、不活性なカラムに切り替えることで得られる、ピーク形状と感度の改善を示しています。
Piotr Alvarez 氏
RIC グループ上級研究員、ベルギー
「不活性化された HILIC-Z カラムでは、GLP-1 受容体作動薬医薬品の分析において、分析対象物とカラム表面との間の望ましくない相互作用が大幅に低減されています。酸性ペプチドや賦形剤の分析において、感度が最低でも 30 % 向上し、ピークテーリングが減少することが観察されました。従来のステンレス製ハードウェアでは、ピークテールで溶出するペプチド不純物は、ほとんど検出することができませんでした。」
Koen Sandra 氏
RIC グループCEO、ベルギー
「この新しいハードウェアは、隠されていた真実を明らかにしてくれます。」