SureSelect Focused Exome - 詳細

概要

次世代シーケンサは遺伝子解析の手法にパラダイムシフトを起こしました。一塩基レベルの検出の実現により、レアアリルの検出を容易にし、高い不均一性をもつサンプルの低頻度の変異の検出さえも可能としました。サンガーシーケンサでのスループット、拡張性、スピード、解像度の限界は、並行して大量に次世代シーケンサの塩基配列を検出する技術により克服されています。体質性疾患の研究分野においては、疾患に関連する変異の遺伝子の候補を調べるため、疾患遺伝子座を同定するための連鎖解析、遺伝子のクローニング、サンガーシーケンスを統合したアプローチが用いられてきましたが、現在では、次世代シーケンサのエクソーム解析により、数千の遺伝子が一塩基単位で、同時にわずか1日で解析できるようになりました。 この新しい手法により、稀なメンデル型遺伝病を引き起こす原因として同定された遺伝子の数は著しく増加しています。

SureSelect Focused Exome は、ベンチトップ型シーケンサで深い読み取りカバレッジを得ることを目的として、疾患関連ターゲットのエクソン領域にフォーカスしたデザインの製品です。疾患関連ターゲットにフォーカスしたデザインにすることで、1.5 Gbのシーケンス量(100 x)でターゲットの95%以上が20 x 以上の Read Depthでカバーされ、3 Gb のシーケンス量(200 x)では、ターゲットの 98% 以上が 20 x 以上の Read Depth でカバーされます。ベンチトップ型シーケンサを使用した場合でも、疾患関連領域における優れたカバレッジを実現することにより、変異コールの感度と正確性を向上させ、必要な答えを得るまでの時間を著しく短縮させることができます。(図1)

深いカバレッジのためにフォーカスしたデザイン

疾患に関連する変異を解明するためにこれまで用いられてきたメソッドは、拡張することが難しい労働集約型の手法を必要としていました。塩基レベルの解像度を有した次世代シーケンサによるエクソームベースの解析は、現実的なコストで数千のターゲットを網羅的にカバーし、極めて多数の変異の中から、疾患に関連するたったひとつの変異を同定できる可能性を増大させた、臨床研究者にとって魅力的な手法です。 エクソームシーケンスはこのような大きな利点をもつものの、シーケンスの出力量に制限のあるベンチトップ型のシーケンサには、必ずしも適していませんでした。

SureSelect Focused Exome は、HGMD, OMIM および ClinVar でアノテーションされた疾患関連領域にフォーカスしたデザインです。実績ある SureSelect のテクノロジーと疾患関連領域に最適化されたデザインにより、他の同様なターゲットシーケンスソリューションと比較して、より網羅的に疾患関連領域を調べることを可能とし、稀な特発性の疾患の研究に適したソリューションとなっています。(図2)

 

信頼性の高い回答を迅速に

クリニカルリサーチシーケンスの分野では、答えを得るまでの所要時間を短縮することは重要です。SureSelect Focused Exome は、SureSelect QXT と組み合わせて使用することで最も高速のターゲットエンリッチメントワークフローを実現し、他社製のソリューションに比べてワークフローを 3.5 倍高速化することが可能です。SureSelect Focused Exome と SureSelect QXT の組み合わせは、DNA からシーケンスまでにかかる所要時間を大幅に短縮し、信頼性の高い変異コールを提供します。

データ解析ツール SureCall を用いたターゲット解析により、シングルもしくはトリオ解析を行い、一塩基多型(SNPs)、InDels、コピー数多型(CNVs)の同定を迅速化することができます。また特定の領域で既知の変異の有無を判定する hotspot 解析機能により、答えを得るまでの時間を大幅に短縮できます。

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