Access Agilent 2014年11月号

インテグレートサンプル導入システムISIS 3を搭載したICP-MS による 土壌サンプル分析の生産性を最大化

Kazuo Yamanaka
アジレント ICP-MS シニアアプリケーションケミスト

Steve Wilbur
アジレント ICP-MS ソフトウェア製品マネージャ

競争激化や経済的逼迫により、土壌や汚泥などの複雑な高マトリクスサンプルの分析に関連するラボなど、受託環境関連ラボの生産性への注目が一層高まっています。もちろん、データ品質と使いやすさを犠牲にしないということが大前提です。できる限り高い生産性に対する要求にこたえて、アジレントは第 3 世代の Agilent インテグレートオートサンプラ (ISIS 3) を開発しました。不活性セルガス (ヘリウム) とともに効果的に機能するコリジョンセル、アジレントの超高マトリックス導入 (UHMI) 技術を使ったエアロゾル希釈、および インテグレートサンプル導入システムISIS 3の組み合わせが、卓越した相乗効果を生み出します。この結果、さらに使いやすい、マトリックス耐性に優れたより高速なシステムが誕生し、 Agilent 7900 ICP-MS ユーザーは、データの完全性に対する US EPA の要件への完全なコンプライアンスを維持したまま、複雑な土壌サンプルを高速な離散サンプリングでの分析に対応できるようになります。

1 回の実行で分析されるサンプルのシーケンス。サンプルを 10 回実行するごとに、QC 周期ブロックを自動的に挿入したサンプルブロックが継続的に繰り返されました。9 時間 35 分で分析されたサンプルの総数は 383 個でした。

図 1. 1 回の実行で分析されるサンプルのシーケンス。サンプルを 10 回実行するごとに、QC 周期ブロックを自動的に挿入したサンプルブロックが継続的に繰り返されました。9 時間 35 分で分析されたサンプルの総数は 383 個でした。(図を拡大)

1 回の実行で分析されるサンプルのシーケンス。サンプルを 10 回実行するごとに、QC 周期ブロックを自動的に挿入したサンプルブロックが継続的に繰り返されました。9 時間 35 分で分析されたサンプルの総数は 383 個でした。

図 1. 1 回の実行で分析されるサンプルのシーケンス。
サンプルを 10 回実行するごとに、QC 周期ブロックを自動的に挿入した
サンプルブロックが継続的に繰り返されました。
9 時間 35 分で分析されたサンプルの総数は 383 個でした。

受託分析ラボシミュレーションで、
383 サンプル性能を 9 時間にわたりテストしました。

正確度、精度、生産性、長期安定性をテストするため、受託環境関連ラボでの典型的な作業負荷をシミュレーションする一連のサンプルを分析しました。これらのサンプルは、水、土壌、堆積物の認定参照物質 (CRM) サンプルスパイク、および EPA メソッド 6020 で指定された品質管理 (QC) サンプルです (図 1)。

EPA 6020A に準拠した分析。1 サンプルあたり 90 秒未満

EPA メソッド 6020A は性能に基づくメソッドです。したがって、飲料水分析で使用されるメソッド 200.8 とは異なり、EPA は、メソッド 6020 アプリケーションでのコリジョン/リアクションセル (CRC) 技術の使用を制限していません。

Agilent 7900 ICP-MS の高速セルガス切り替え機能では、離散サンプリングのように採取時間を短くしなければならないケースでも、複数のガスモードを使用できます。7900 機器の感度は非常に高いため、使用される積分時間が短い時でもデータ品質は維持されます。ここでは、大半の元素分析に He セルモードを、低質量の元素についてはノーガスモードを使いました。9 時間 35 分にわたり、全体で 383 件の分析を実行しました。1 サンプルあたりの分析間隔は 90 秒未満でした。Agilent 7700x ICP-MS と ISIS 2 を使って行われた同様の実験と比べ、スループットは約 30% 上昇しました。

6 種類の CRM で認定要素すべての平均測定値、相対標準偏差の割合 (%RSD)、平均リカバリを分析しました。空欄は認証値がないことを示します。

表 1. 6 種類の CRM で認定要素すべての平均測定値、相対標準偏差の割合 (%RSD)、平均リカバリを分析しました。空欄は認証値がないことを示します。(図を拡大)

6 種類の CRM で認定要素すべての平均測定値、相対標準偏差の割合 (%RSD)、平均リカバリを分析しました。空欄は認証値がないことを示します。

表 1. 6 種類の CRM で認定要素すべての平均測定値、相対標準偏差の割合 (%RSD)、平均リカバリを分析しました。空欄は認証値がないことを示します。

認証標準値のリカバリ

この例では、6 個の CRM サンプルを繰り返し分析しました。これらのサンプルは、NIST 1640a 自然水 (NIST、ゲーサーズバーグ MD)、CRM 河川堆積物 A、CRM 河川堆積物 B、CRM 河口堆積物、CRM 土壌 A、CRM 土壌 B (高純度標準 – チャールストン SC、USA) です。NIST 1640a は未希釈で分析しましたが、その他の標準物質は 10 倍および 50 倍に希釈した後に分析しました。表 1 は、10 倍に希釈したケースでの値です。各サンプルは、シーケンスの間、複数回測定しました。各成分について、平均濃度、相対標準偏差の割合 (% RSD)、および平均リカバリを算出しました (表 1)。すべての標準物質がすべての成分について認証されているわけではありません。空欄は、認証値が存在しないことを示します。

 Agilent 7900 ICP-MS は自然水に含まれる微量元素をすばやく正確に測定でき、すべての微量元素と同じ分析においても、同じ分析条件下で、非常に濃度の高い鉱物元素も正確に測定できるということは注目に値します。1/10 土壌 B のアルミニウム濃度は 70 ppm です。最大キャリブレーション標準 (100 ppb) は測定されたサンプル値の約 1000 分の 1 ですが、測定濃度 71 ppm は 102% のリカバリを表します。

ISIS 3 離散サンプリングによる卓越した正確度と高いスループット

Agilent 7900 ICP-MS を UHMI オプションおよびISIS3の離散サンプリングモードで使用しても、総溶解固形分 (TDS) の高いサンプルの長いシーケンスを優れた正確度と精度で、長く安定的に分析できます。ISIS 3 は、高速吸入ポンプと 7 ポートスイッチングバルブを搭載しています。最終的には、従来の ICP-MS システムと比べて、運用が簡素化され、スリープットが高くなり、長期安定性が改善されるという利点があります。詳細については、アプリケーションノート 5991-5208EN をダウンロードしてご覧ください。

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