Access Agilent 2014年4月号

新製品:工具のいらないGCカラム接続 簡単・確実なGCカラム接続を実現する手締めナット

Ken Lynam
アジレント GC R&D/アプリケーションケミスト

バックグラウンドノイズの増加やガスクロマトグラフィ (GC) データ品質低下のおもな原因のひとつが、カラム接続部からのリークです。リークの発生や、カラム接続のやり直しは、GC の登場以来、大きな問題となってきました。高沸点のマトリクスや微量分析を扱う環境ラボでは、リークが原因によるカラム劣化のため、カラム交換頻度が増え、分析あたりコストやダウンタイムの増加につながることもあります。

カラムの接続は、もっとも基本的なラボの作業のひとつですが、堅牢でリークのない接続を確保するためには、慎重におこなわなければなりません。また、コネクタのデザインも接続の効率に大きな影響を与え、ひいては GC 流路全体の完全性に影響を及ぼします。

アジレントでは、レンチやアダプタを使わずにリークのない接続を確保できるようにするために、新しいステンレス製セルフタイトカラムナットを発表しました。この新しいナットを使えば、信頼性の高いカラム接続が実現します。使用中にナットを締め直す必要がなく、ベースラインやピーク積分が向上し、分析のやり直しを回避することができます。そのため、システム性能と生産性が向上し、多くのサンプルに対処できるようになります。

ばね式のピストンによるセルフタイト

新しい Agilent セルフタイトカラムナットは、フェラルを常にプレスするばね式のピストンを備えています。これにより、加熱サイクル後でもリークのない接続が維持されます。350 °C で 100 時間にわたって使用したあとでも、リークが生じることはありません。そのため、サンプルシーケンス中に接続を締め直す必要がありません。指で締められるデザインなので、工具を使わずにリークのない接続を確保できます。工具によりフィッティングを傷つけ、費用のかかる修理が必要になることもありません。また、低トルクなので、フェラルの取り外しも容易です。フェラルが壊れたり貼りついたりすることがないので、メンテナンスが迅速化し、容易になります。

85%/15% ポリイミド/グラファイトフェラルを用いたフェラル締め直し直後 (上) および標準カラムナットを用いた 25 回連続注入後 (下) における半揮発性混合物のトータルイオンクロマトグラム。

図 1. 85%/15% ポリイミド/グラファイトフェラルを用いたフェラル締め直し直後 (上) および標準カラムナットを用いた 25 回連続注入後 (下) における半揮発性混合物のトータルイオンクロマトグラム。
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85%/15% ポリイミド/グラファイトフェラルを用いたフェラル締め直し直後 (上) および標準カラムナットを用いた 25 回連続注入後 (下) における半揮発性混合物のトータルイオンクロマトグラム。

図 1.85%/15% ポリイミド/グラファイトフェラルを用いたフェラル締め直し直後 (上) および標準カラムナットを用いた
25 回連続注入後 (下) における半揮発性混合物のトータルイオンクロマトグラム。

このセルフタイトカラムナットでは、ポリイミド/グラファイトフェラルの締め直しが不要になるため、使いやすさという点が大きく向上します。広範囲にわたる検証試験では、85/15 ポリイミド/グラファイトフェラルを用いたセルフタイトカラムナットにより、32 ºC~320 ºC での 300 回以上の注入にわたって気密性が保たれました。注入口でもトランスファラインでも、ユーザーによるフィッティングの締め直しはおこなっていません。それに対して、同じタイプのポリイミド/グラファイトフェラルによる標準的なフィッティングでは、 図 1 に示すように、わずか数回の加熱サイクル後にトランスファラインでリークが生じ、締め直しが必要になりました。

Agilent セルフタイトカラムナットのもうひとつの重要な特徴は、ポリイミド/グラファイトフェラルが内部に貼りつかないという点です。カラムの交換が容易で、古いフェラルをトランスファラインナットから掘り出さなくてもフィッティングを再利用できます。この分析の詳細については、アジレントアプリケーションノート Proof of Long-Term, Leak-Free Performance for a Novel Self-tightening GC Column Nut. (新しいセルフタイト GC カラムナットの長期リークフリー性能の評価) をご覧ください。

革新を生む想像力

小さなことは、ときに大きな進歩を生みます。Agilent セルフタイトカラムナットは、ガスクロマトグラフィの昔からの問題点を解決する、シンプルながらも想像力に満ちた解決策です。わずかな投資で導入でき、リスクもありません。そして、どんなものとも似ていない、全くの新しい技術です。これは、アジレントの GC 接続の向上についてのほんの一部にすぎません。接続を向上させるさらなる方法については、来月の Access Agilentまでお待ちください。Agilent イナートフローパスソリューションと Agilent J&W ウルトライナート GC カラムについても、クリックひとつでご覧いただけます。