Access Agilent 2013年10月号

ガラスを有効活用して、より環境にやさしい建物、 より涼しい車を実現

Travis Burt
アジレント Cary UV-Vis-NIR 製品マネージャ

Chris Colley
アジレント NPI マネージャ

ガラスやガラスを用いた製品は数千年前から使われていますが、ガラスの紫外線放射、可視光線、熱放射の透過性を測定する手法は、比較的新しいものです。Agilent Cary 7000 多角度可変自動測定分光光度計 (UMS) の登場により、そうした測定において、これまでにないほどのパワーと使いやすさが実現しました。

最近の複合製品や特殊コーティングの進歩により、特定の機能的ニーズや環境条件、光の要件に対応するガラス製品を製造できるようになっています。また、昨今では製造者側も消費者側も、製品のエネルギー効率や、紫外線の遮断、可視光の透過、夏の断熱、冬の保温といった要件を重視するようになっています。

各試験所がコントロールされた比較可能な手法でガラス製品を測定および分類できるようにするために、国際的な標準規格が定められています。規格には以下のものがあります。

  • ISO 9050 (2003):建築物のガラス – 光線透過率、太陽光直接透過率、総太陽エネルギー透過率、紫外線透過率、および関連グレージング係数の測定
  • EN 410:建築物のガラス – グレージングの光および熱特性の測定
  • ISO 13837 (2008):路上走行車 – 安全グレージング材料 – 太陽光透過率の測定手法

サンプルを動かさずに、透過率および反射率データを採取

最近のアプリケーションノート (5991-2514JAJP) で述べているように、Agilent Cary 7000 UMS を用いて、各種の自動車用および建築用ガラス製品の光学特性の測定をおこないました。Cary 7000 UMS はパワフルかつ汎用的な分光分析装置で、透過率および絶対反射率の多角度測定を実施することができます。

この建築用ガラスサンプルの ISO 9050 分析レポート例では、関連する各種測定の結果が示されています。

図 1.この建築用ガラスサンプルの ISO 9050 分析レポート例では、関連する各種測定の結果が示されています。(図を拡大)

この建築用ガラスサンプルの ISO 9050 分析レポート例では、関連する各種測定の結果が示されています。

図 1.この建築用ガラスサンプルの ISO 9050 分析レポート例では、
関連する各種測定の結果が示されています。

建築用ガラスサンプル (厚さ 2 mm) の透過率、反射率、関連吸光度スペクトル (A=1-T-R)。挿入図は重要な結果を示す拡大図です。

図 2.建築用ガラスサンプル (厚さ 2 mm) の透過率、反射率、関連吸光度スペクトル (A=1-T-R)。挿入図は重要な結果を示す拡大図です。(図を拡大)

建築用ガラスサンプル (厚さ 2 mm) の透過率、反射率、関連吸光度スペクトル (A=1-T-R)。挿入図は重要な結果を示す拡大図です。
 

図 2. 建築用ガラスサンプル (厚さ 2 mm) の透過率、反射率、関連吸光度スペクトル (A=1-T-R)。
挿入図は重要な結果を示す拡大図です。

Agilent Cary 7000 UMS は、サンプルの同じポイントで透過率 (%T) および絶対反射率 (%R) 測定をおこないます。測定間にサンプルを動かす必要はありませんので、サンプル上の同一ポイントでの %T および %R の in situ 測定により、吸光度 (A = 1–T–R) データをきわめて正確に計算することができます。この測定手法により、基質 (内部透過率) およびコーティング特性について、より確実な知見が得られます。一貫した測定が実現することで、QA/QC 分析において最高品質の R および T データが得られるとともに、ガラスおよびコーティング加工ガラス製品の研究開発において有益な知見が得られます。

高速かつ自動で計算

汎用的な T、R、A データの測定に加えて、主要な国際および地域ガラス規格に対応する専門的な計算も実行可能です。先ごろの実験では、Agilent Cary WinUV バージョン 6 ソフトウェアの提供する標準メソッドを用いて、一連の透過率および反射率データを採取しました。内蔵のガラス計算およびレポート作成ツールにより、迅速に計算することができました。
上で述べた各規格には、特定のレポートパラメータがあります。Cary WinUV ソフトウェアレポートでは、そうしたパラメータが自動的に計算および表示されます。この実験では、各データセットを無人分析で自動的に採取しました。このことから、Cary 7000 UMS を使えば、生産性という面で利点が得られることがわかります。

初期の設定およびベースライン測定後、それぞれのデータ測定に要した時間は、3 分未満でした。ユーザーの指定する入射角または反射角を用いてデータが測定されるため、同じサンプルで反射率と透過率を測定する必要のある分析でも、ユーザーによるさらなる操作は不要です。

図 1 および図 2 の例は、この種のサンプルの正確な分析を可能にする高品質データが得られることを示しています。図 2 のスペクトルについては、入射角 7° で s- および p-偏光スペクトルを採取しました。挿入図は、図 2 の透過スペクトルを拡大したものです。この図から、s- および p-偏光スペクトルのあいだの予想される分離能がおよそ 0.003 であることがわかります。

アジレントアプリケーションノート 5991-2514EN では、EN 410 および ISO 13837 測定のさらに詳しいデータを紹介しています。

最高のデータ品質と性能を実現

Agilent Cary 7000 UMS と標準ソフトウェアメソッドおよびレポート作成ツールを使えば、自動車や建築材に用いられるガラス製品の光学特性を効率的に計算することができます。ISO 9050、ISO 13837、EN 410 といった国際的なガラス規格に従った光学特性レポートの作成が可能です。Cary 7000 UMS は、ガラス製品のルーチン QA/QC 分析や研究開発に理想的な、すぐに使えるパワフルで生産性の高いソリューションです。

Agilent Cary 7000 多角度可変自動測定分光光度計なら、透過率および絶対反射率の多角度測定において最高の分析結果が得られる、使いやすいソリューションが実現します。こちらの動画から、Cary 7000 UMS の詳細をご確認ください。