Access Agilent 2013年3月号

Agilent 7890B GC の感度を最大化――注入から検出まで

Dave Johnson
アジレントガスクロマトグラフィ製品マネージャ

規制される測定対象化合物の検出下限は、複雑で活性の高いサンプルにおいてもたびたび引き下げられています。そうした検出下限を遵守するためには、試料がとおるフローパスの活性に起因するサンプルの吸着は避けなければなりません。

GC および GC/MS フローパスの活性は、分析対象物が検出器へ到達するのを妨げ、感度に悪影響を与えます。また、再分析や疑わしい分析結果の確認の必要が生じることで、貴重なリソースが無駄になり、生産性が低下します。

Agilent イナートフローパスソリューションなら、フローパスの活性を最小限に抑えられるため、そうした問題を緩和し、システムの性能を高めることができます。これにより、不測のメンテナンスや再キャリブレーションに煩わされずに、より多くのサンプルを分析できるようになります [1]。Agilent 7890B GC では、システム全体にわたるアプローチの採用により、イナートフローパスがさらに拡張され、高感度が求められる分析の性能が向上しています。

Agilent ウルトライナートライナ、ウルトライナートカラム、不活性 MS 検出器で用いられている独自の不活性化処理により、現代の分析で求められる ppb レベル――または ppt レベル――の検出下限を得ることが可能になっています。

アジレントでは、7890B GC のスプリット/スプリットレス (S/SL) 注入口のイナートフローパスオプションにも、それと同じ不活性化技術を導入しました。S/SL 注入口ウェルドメントおよびウェルドメントインサートの金属表面が不活性化されているため、分析対象物と活性部位が相互作用を起こす可能性が低くなっています。

オプションのイナートフローパススプリット/スプリットレス注入口――(1) ウルトライナートライナ、(2) ウルトライナートカラム、(3) 不活性イオン源 MS 検出器の組み合わせ――により、Agilent 7890B GC で完璧なイナートフローパスが実現します。

図 1. オプションのイナートフローパススプリット/スプリットレス注入口――(1) ウルトライナートライナ、(2) ウルトライナートカラム、(3) 不活性イオン源 MS 検出器の組み合わせ――により、Agilent 7890B GC で完璧なイナートフローパスが実現します。(図を拡大)

オプションのイナートフローパススプリット/スプリットレス注入口――(1) ウルトライナートライナ、(2) ウルトライナートカラム、(3) 不活性イオン源 MS 検出器の組み合わせ――により、Agilent 7890B GC で完璧なイナートフローパスが実現します。

図 1. オプションのイナートフローパススプリット/スプリットレス注入口――
(1) ウルトライナートライナ、
(2) ウルトライナートカラム、
(3) 不活性イオン源 MS 検出器の組み合わせ
――により、Agilent 7890B GC で完璧なイナートフローパスが実現します。


信頼性の高い微量硫黄分析。Agilent 7890B GC とアジレントの高感度高温 FPD Plus を組み合わせれば、優れた再現性が得られます。

図 2. 信頼性の高い微量硫黄分析。Agilent 7890B GC とアジレントの高感度高温 FPD Plus を組み合わせれば、優れた再現性が得られます。

また、すべてのフローパス表面がサンプルのロスや分解に影響を与える可能性があることから、以下のような「小さな」コンポーネントにも不活性化ケミストリを導入しました。

  • ウルトライナートゴールドシールは、リークのないシーリングを実現し、活性化合物の吸着を防止します。
  • UltiMetal フレキシブルメタルフェラルは、バックフラッシュやアルティメットユニオンなどの不活性なキャピラリフローテクノロジーデバイスの使用時に、サンプルのロスを防止します。

これらのイナートフローパスの全コンポーネントが一体となって、活性の高い微量化合物の分析性能を高め、定量範囲と検出範囲を拡大します。

感度と選択性の高い元素検出: Agilent 炎光光度検出器プラス (FPD Plus)

微量の硫黄含有不純物の高感度同定および測定は、食品安全、環境、エネルギー、化学などの分野で常に求められています。硫黄化学発光技術を使えば、最高の硫黄化合物感度および性能が得られますが、Agilent炎光光度検出器(FPD Plus) なら、より低いコストで信頼性の高い分析が実現します。

Agilent FPD Plus では、上述の不活性化処理と、最先端のフォトマルチプライアおよびその他の拡張設計が組み合わされています。これにより、MDL が 3.6 pg S/sec (FPD) から 2.5 pg S/sec (FPD Plus) へ引き下げられます。リンモードでは、MDL を 60 fg P/sec (FPD) から 45 fg P/sec(FPD Plus) へ引き下げることが可能です。また、最高動作温度も 250 °C から 400 °C へ上昇しています。

これらの機能は、Agilent デュアル炎光光度検出器 (DFPD Plus) でも提供されています。

不活性 GC フローパスの構築と Agilent 7890B GC の詳細については、アジレントのウェブサイトをご覧ください。

References

  1. Agilent Publication 5990-8532EN, “Agilent Inert Flow Path Solutions”