Access Agilent 2012年5月号

Agilent Cary 60 UV-Vis によるルーチン微量測定の直線性と再現性の向上

Ursula Tems
アジレント分光プロダクトスペシャリスト

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微量サンプル測定は、より低い分析コストで、より高いサンプルスループットを得ることを求められていることから、ますます厳しいものになっています。こうしたサンプルには通常、DNA、RNA、タンパク質が含まれますが、これらはスペクトルの紫外領域で光を吸収します。多くの場合、サンプル純度と濃度の正確性が重要となり、ルーチンの定量および定性測定を実施することが求められます。

特に分解しやすい微量サンプルでは、ウルトラマイクロキュベットを備えた Agilent Cary 60 UV-Vis 分光光度計により、測定スピードを高めることが必要不可欠です。最新の研究では、25 ng/µL 未満の DNA 濃度において、ウルトラマイクロキュベットを備えた Cary 60 の直線性と再現性の高さが実証されています。この研究には、以下のものが用いられました。

Cary 60 用のウルトラマイクロキュベットは、使用や洗浄が容易です。プラットフォームにサンプルを垂らし、反射リッドを交換するだけで測定できます。

図 1. Cary 60 用のウルトラマイクロキュベットは、使用や洗浄が容易です。プラットフォームにサンプルを垂らし、反射リッドを交換するだけで測定できます。

  • Cary 60 UV-Vis 分光光度計
  • ウルトラマイクロキュベット、1 mm 光路長
  • ヒトゲノム DNA (Promega)
  • Nuclease-free蒸留水

サンプル分析は単純です。Cary 60 UV-Vis にウルトラマイクロキュベットを設置しました。アクセサリにサンプル 1 滴を垂らしたのち (図 1)、10 回の測定をおこないました。比較のために、微量測定用の市販機器で同じプロセスを繰り返しました。いずれの機器についても、Nuclease-free蒸留水で 21.7、10.8、5.4、2.7、1.35、0.67 ng/µL に希釈した DNA サンプルを測定しました。

低 DNA 濃度での優れた直線性と再現性に注目してください。エラーバーは、各濃度での10 回の測定における標準偏差を示しています。Cary 60 測定の R<sub>2</sub> は 0.9943 でした

図 2. 低 DNA 濃度での優れた直線性と再現性に注目してください。エラーバーは、各濃度での10 回の測定における標準偏差を示しています。Cary 60 測定の R2 は 0.9943 でした (図を拡大)。

低 DNA 濃度での優れた直線性と再現性に注目してください。エラーバーは、各濃度での10 回の測定における標準偏差を示しています。Cary 60 測定の R<sub>2</sub> は 0.9943 でした

図 2. 低 DNA 濃度での優れた直線性と再現性に注目してください。
エラーバーは、各濃度での10 回の測定における標準偏差を示しています。
Cary 60 測定の R2 は 0.9943 でした

市販機器 (A) およびウルトラマイクロキュベットを備えた  Cary 60 (B) を用いた 21.7 ng/µL DNA の 8 回繰り返し波長スキャン。10 mm 光路長で標準化

図 3. 市販機器 (A) およびウルトラマイクロキュベットを備えた Cary 60 (B) を用いた 21.7 ng/µL DNA の 8 回繰り返し波長スキャン。10 mm 光路長で標準化 (図を拡大)。

市販機器 (A) およびウルトラマイクロキュベットを備えた  Cary 60 (B) を用いた 21.7 ng/µL DNA の 8 回繰り返し波長スキャン。10 mm 光路長で標準化

図 3. 市販機器 (A) およびウルトラマイクロキュベットを備えた Cary 60 (B) を用いた
21.7 ng/µL DNA の 8 回繰り返し波長スキャン。10 mm 光路長で標準化

優れた直線性

DNA 濃度の検量線は、ウルトラマイクロキュベットを備えた Cary 60 の直線性が示されています (図 2の Cary 60 プロット)。多くの分光光度計は、25 ng/µL 未満 (吸光度 0.04 に相当) などの低濃度の核酸を測定するだけの感度を備えていません。特に、光路長が短くなる微量測定においては、こうした低濃度を分析するためには、分光光度計の高性能機能が必要不可欠です。サンプルがこのように超低濃度の場合、フル波長スキャンをおこない、単なる機器ノイズではなく典型的な DNA 曲線であることを確認することが重要となります。

優れた再現性

ウルトラマイクロキュベットを備えた Cary 60 の再現性を評価するために、サンプルを除去せずに、同じ DNA サンプルを 8 回繰り返して測定しました (図 3)。

測定した吸光度は 260 nm で 0.04 Abs に相当し、光路長は 1 mm で、同じサンプルを用いて繰り返し測定を実施しました。優れた機器安定性と再現性が得られています。サンプル量が限られた微量分析では、Cary 60 機器のほうが波長スキャンの再現性が高くなることが明らかに見てとれます (図 3、プロット B)。図 3のプロット A で見られる変動は、最大 15 % のばらつきです。

少量サンプルを迅速に測定

多くのバイオサイエンスラボでは、ルーチン微量測定がおこなわれています。オリゴヌクレオチドや mRNA のように、分解しやすく、低濃度で扱うことの多いサンプルの場合、少量のサンプルを迅速に測定できるウルトラマイクロキュベット搭載 Cary 60 を使えば、ワークフロー上の大きな利点が得られます。

ヌクレオチドの分析のほか、タンパク質を分析し、純度や濃度を確認することも可能です。Cary 60 の分析性能により、光ファイバーディッププローブや温度制御キュベットなどの UV-Vis-NIR アクセサリを用いた測定機能の拡張も可能になります。

微量サンプルを迅速かつ正確に測定できる UV-Vis 分析が必要なら、Agilent Cary 60 UV-Vis 分光光度計の詳細をご確認ください。