Access Agilent 2011年9月号

Agilent Poroshell 120 EC-C18 によるアゾ色素分析における時間と溶媒の節約

Minjia HUANG、Rongjie FU
アジレント LC カラムアプリケーションケミスト

アゾ色素は、アゾ基-N=N-として窒素を含む、種類の多い合成有機色素です。繊維や皮革の染色に使われることが多いですが、一部のアゾ色素は、発癌性のおそれがある芳香族アミンを放出します。そのため、欧州連合 (EU) は、これらの有害なアミンへの曝露を規制しています。規則 EN 14362 [1, 2] では、表 1 に示す 22 種類の芳香族アミンを放出するおそれのあるアゾ色素の使用が禁じられています。この規則は、口や皮膚に直接かつ継続的に接触する可能性のある、あらゆる繊維や皮革製品での使用に適用されます。

表 1. 分析に用いたアゾ色素 (化合物 1、4、13、14 は EU 規制対象外) (図を拡大)。

 時間(分) %B
 0 14
 4.5 29
 8 29
 9 50
 10.5 65
 12 90
 14 100
 15 14

表 2. 26 種類のアゾ標準分離に用いた修正グラジエント

推奨メソッドより 80 % 近くも分析時間を短縮

Agilent Poroshell 120 EC-C18、3.0 x 150 mm、2.7 µm カラムと Agilent 1290 Infinity LC を用いて、EU で禁じられている 22 種類を含む 26 種類の芳香族アミンを分析しました。EN 14362 のメソッドをもとにグラジエントを修正し、このカラムにおける分離能を向上しました (表 2)。標準混合物をメタノールおよび移動相 (10:90) に溶解させて濃度 12 µg/mL の溶液とし、40 °C の暗所で保管しました。

 分析条件  
 カラム: Poroshell 120 EC-C18、3.0 × 150 mm、2.7 µm
 カラム温度: 40 ℃
 流速: 0.8 mL /min
 移動相: A、0.575 g NH4H2PO4、0.7 g Na2HPO4 を含む 900 mL 水 + 100 mL メタノール、リン酸により pH 6.9 に調整; B、メタノール
 注入量: 1 µL
 DAD 波長: 240 nm、280 nm、305 nm

EU メソッドでは、分析に 4.6 x 250 mm、5 µm カラムと 70 分の長いグラジエントが使用されていますが [1]、ここでは Poroshell 120 EC-C18、3.0 × 150 mm、2.7 μm カラムを使用しました。このカラムでは、分析対象のアニリン化合物において優れた選択性とピーク形状が得られます。2.7 µm 表面多孔粒子により、サブ 2 µm 全多孔性粒子と同様の性能が得られます。また、150 mm のカラムでは、ピークキャパシティがきわめて高くなります。この分析に用いるような複雑なサンプル混合物の場合、短い分析時間で優れた分離能を得るためには、高いピークキャパシティが必要となります。サンプル混合物のうち、4, 4'-メチレンジアニリン (11)、6-メトキシ-m-トルイジン (12)、2,6-ジメチルアニリン (13)、2,4-ジメチルアニリン (14), 3,3'-ジメトキシベンジジン (15)、3,3'-ジメチルベンジジン (16) は、グラジエントのわずかな変化にも反応するため、分析が困難です。しかし、グラジエントに修正を加えることで、26 種類すべての化合物を 約15 分で分離できました (図 1)。推奨メソッドよりも約 80 % も高速化しています。さらに、3.0 mm という小さい内径により、4.6 mm id カラムと比較して、溶媒使用量も 60 % 程度に節約されます。

図 1. Agilent Poroshell 120 EC-C18 における 26 種類のアゾ色素標準の優れた分離 (図を拡大)。

図 2. 異なる UV 波長におけるアゾ色素のクロマトグラム (上段 240 nm、中段 280 nm、下段 305 nm) (図を拡大)。

図 3. 2 つの移動相バッチを用いて 2 日間で得られた、240 nm における 6 回注入の優れた再現性 (図を拡大)。

これらのアゾ色素の多くは、独自の最大 UV 吸収特性を持っているので、各ピークについて良好なシグナルを得るために、検出には 240 nm、280 nm、305 nm という複数の波長を用いました (図 2)。

堅牢なカラムの優れた分離能と再現性

2.7 µm 表面多孔粒子は、1.8 µm 粒子と同様の性能を備えていますが、背圧が 40 % ほど小さくなります。150 mm カラムでも、最大背圧は 580 bar なので、圧力上限が 600 bar の UHPLC でもメソッドを実行できます。

長い Poroshell 120 EC-C18 カラムと Agilent 1290 Infinity LC システムを組み合わせれば、柔軟性が向上するため、より優れた分離能を迅速に達成し、信頼性のきわめて高い結果を得ることができます。図 3 のクロマトグラムは、このメソッドの優れた再現性を示しています。この図では、2 つの移動相バッチを用いて 2 日間で得られたクロマトグラムを重ねて表示しています。

わずか 15 分で信頼性の高い結果を得られます。

新しい Poroshell 120 EC-C18 表面多孔粒子カラムは、15 分で 26 種類のアゾ色素をベースライン分離できます。このメソッドでは、優れた再現性と信頼性の高い結果が得られます。分析時間を 80 % 近くも短縮し、溶媒使用量も 60 % ほど節約できます。

Poroshell 120 の詳細をご確認ください。この分析の詳細については、アプリケーションノート 5990-7705EN をダウンロードしてください。

参考文献

  1. EN 14362-1-2003. Textiles – Methods for determination of certain aromatic amines derived from azocolorants. Part 1: Detection of the use of certain azo colorants accessible without extraction.
  2. EN 14362-2-2003. Textiles – Methods for the determination of certain aromatic amines derived from azo colorants. Part 2: Detection of the use of certain azo colorants accessible by extracting the fibers.