ArcticExpress Competent Cells

  • 低温タンパク質発現により正しい折りたたみ(folding)を促進し、溶解性の向上が可能。
  • 好冷細菌(Oleispira antarctica)由来のシャペロンCpn60 及び Cpn10を使用。
  • コドン・バイアス問題を回避可能。
  • T7プロモーターの使用が可能。
 
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大腸菌を用いたタンパク質発現システムにおける問題を回避

大腸菌(E. coli)は、ヒトなどの哺乳類由来の異種タンパク質でも、迅速かつ手軽に多量のタンパク質を生産することができるため、組み換えタンパク質の発現実験に多用されています。しかし、大腸菌で異種タンパク質を発現させた場合、ポリペプチド鎖が正しく折りたたまれない事が多々あり、結果としてこれらのタンパク質は不活性を呈するため、構造や機能の解析に用いることが出来なくなります。また、ポリペプチド鎖が正常に折りたたまれなかったタンパク質は(特に過剰にタンパク質を発現させた場合)、近隣のポリペプチド鎖と疎水性領域で結合し、タンパク質凝集体(Inclusion bodies)を形成してしまいます。凝集体の精製は容易ですが、in vitroで折り畳み直す(refolding)事は容易ではなく、必ずしも活性のあるタンパク質が得られるわけではありません。しかしアジレント(旧ストラタジーン)の新製品ArcticExpress Competent Cellsは低温でのタンパク質発現を得意としているため、正しい折りたたみ(folding)を持ち溶解性の高い活性タンパク質の発現が可能です。

低温での発現に適応したシャペロン

タンパク質の正常な折り畳みには、分子シャペロンが関与していることが知られています。分子シャペロンは、当初、タンパク質の折り畳みを助ける一群のタンパク質と定義されていましたが、現在では折り畳みだけでなく、様々な細胞機能の制御に関与していることが明らかにされています。凝集体を形成するタンパク質を低温でゆっくり発現させると、正常に折り畳まれる場合があることが一般的に知られています。これは過剰発現を抑え、ポリペプチドの密度を下げることで凝集を防いでいると考えられています。しかし、中温細菌である大腸菌をそのまま低温でのタンパク質発現に用いた場合、増殖速度やポリペプチドの合成速度が減速し、さらに折り畳みに必要な分子シャペロンの活性が低下するため、活性を持った目的のタンパク質の発現量が大きく減少してしまいます。ArcticExpress Competent Cellsは、好冷細菌(Oleispira antarctica)由来のシャペロニンCpn60およびCpn10遺伝子を発現するため、低温でのタンパク質発現を可能にしました。これらのシャペロニンは、4~12℃の条件下で高いタンパク質の折り畳み活性を持ち、完全に、もしくは部分的にしか折り畳まれていないタンパク質の疎水性領域に結合することで、正しく折り畳まれて活性を持つ目的のタンパク質の発現を可能にします(図1)。

図1:低温での発現により増加した溶解性タンパク質の発現量

Lane1. ArcticExpress +CodonPlusなし 2. ArcticExpress +CodonPlus-RIL 3. ArcticExpress +CodonPlus用の骨格ベクターpGBMのみ 4. BL21-CodonPlus-RIL 5. ArcticExpress +CodonPlus-RP  疎水性タンパク質X-21pを上記の条件下で、それぞれ13℃と30℃で発現させ発現量を比較しました。シャペロニンCpn60 と Cpn10の発現が13℃で増加し、それに伴って可溶性のX-21pの発現が増加しています。また、CodonPlus の骨格ベクター(pGBM)の存在が、tRNA遺伝子(RIL/RP)の有無に関わらず、シャペロニンの働きを妨げないことが分かります。

コドン・バイアス問題を回避

ArcticExpress Competent Cellsでは、大腸菌と目的のタンパク質の由来生物種とのコドン使用頻度の違いを補正するためのtRNAを発現する、CodonPlus仕様も販売しています。また当社では大腸菌株での遺伝子発現で起こるコドン・バイアスの問題を回避できる、BL21-CodonPlusコンピテント・セルもシリーズとして販売しており、これらはBL21-Gold株の変異体で、E. coliで低頻度のコドンを補うためのtRNA遺伝子が導入されています。BL21-CodonPlus(DE3)-RIPLではargU、ileY、leuWとproLのtRNA遺伝子が含まれています。”RIPL”とはアルギニン(R)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、プロリン(P)の略号です。この大腸菌株は、AT過多もしくはGC過多なゲノムの両方でコドン・バイアスによる遺伝子発現の問題を解消します。また、BL21-CodonPlus-RILや-RP株はそれぞれ、AT過多やGC過多によるコドン・バイアスが遺伝子の塩基配列により判明している場合に用いることが可能です。また大腸菌株で低頻度のアルギニン、イソロイシン、ロイシンやプロリンのコドンが補われているため、従来の大腸菌では発現が困難だった遺伝子でも、高レベルでのタンパク質発現が可能です(図2)。これらの製品は、コドン・バイアスを回避できるため手間のかかる変異導入や真核細胞での発現実験を行う必要がありません。

BL21-CodonPlus -RIL & -RP Competent Cell:コドンバイアス修正用

BL21-CodonPlus(DE3)-RIPL Competent Cell:コドンバイアス修正用

図2:発現が困難な遺伝子のタンパク質発現量

Lane1 ArcticExpress +CodonPlusなし 2. ArcticExpress +CodonPlus-RIL   3. ArcticExpress +CodonPlus用の骨格ベクターpGBMのみ 4. BL21-CodonPlus-RIL 6.ArcticExpress +CodonPlusなし 7.ArcticExpress +CodonPlus-RP 8. ArcticExpress +pGBM 9. BL21-CodonPlus-RIL  hcTnT(ヒト心筋トロポニンT遺伝子:argU依存)タンパク質を13℃にて上記の条件で発現させ発現量を比較しました。BL21-CodonPlus-RILまたは-RPにより、従来の大腸菌では発現が困難だった遺伝子hcTnTのタンパク質発現量が増加しています。

T7プロモーターの使用が可能

本製品では、CodonPlus有り(2種類)と無しのそれぞれで、lacUV5プロモーターで誘導されるT7 RNA ポリメラーゼを持つ溶原性のファージDE3があらかじめ大腸菌内に内在している(DE3)仕様も用意しています。これにより、pETベクター等の様にT7プロモーターで発現が誘導されるシステムと、T7以外のプロモーターで発現するシステムの両方で使用できます。

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>>  Licensing

The T7 expression system is based on technology developed at Brookhaven National Laboratory under contract with the U.S. Department of Energy and is protected by U.S. patents assigned to Brookhaven Science Associates (BSA). BSA will grant a nonexclusive license for use of this technology, including the enclosed materials, based on the following assurances:

1. These materials are to be used for noncommercial research purposes only. A separate license is required for any commercial use, including the use of these materials for research purposes or production purposes by any commercial entity. Information about commercial licenses may be obtained from the Office of Intellectual Property and Industrial Partnerships, Brookhaven National Laboratory, Bldg. 475D, Upton, New York, 11973 [telephone (631) 344-7134].

2. No materials that contain the cloned copy of T7 gene 1, the gene for T7 RNA polymerase, may be distributed further to third parties outside of your laboratory, unless the recipient receives a copy of this license and agrees to be bound by its terms. This limitation applies to strains ArcticExpressand ArcticExpress (DE3), included in this kit and any derivatives you may make of them. You may refuse this license by returning the enclosed materials unused. By keeping or using the enclosed materials, you agree to be bound by the terms of this license

The purchase price of this product includes limited, nontransferable license under patents owned by Hoffmann-La Roche Inc. and F. Hoffmann-La Roche Ltd ("Roche"), to use this product only as are agent for research purposes. No other license under these patents to use this product is conveyed expressly or by implication to the purchaser by the purchase of this product. A further license is available from Roche for commercial purposes. Further information on purchasing licenses may be obtained by contacting the Head of Licensing, F. Hoffmann-La Roche Ltd, Grenzacherstrasse 124, 4070 Basel, Switzerland.

The DNA sequences encoding for cold-adapted chaperone proteins or variants thereof, are proprietary or exclusively licensed to Agilent and licensed hereunder for research purposes only. Licensee may modify only the non-coding region outside of the nucleic acid encoding the cold-adapted chaperone proteins of the Products to facilitate non-commercial research. Licensee shall not have any rights to (i) modify the coding region of the nucleic acid encoding the cold-adapted chaperone proteins of the Products, (ii) offer the Products, or any component, derivative or modification thereof, for resale, or (iii) distribute, transfer, or otherwise provide access to, the Products, or any component, derivative or modification thereof, to any third party for any purpose or use.

 
Product Catalog # Amount Price

ArcticExpress Competent Cells

230191 10 x 0.1 ml お問い合わせください Call
低温での発現に適応したシャペロニンによりタンパク質の折り畳みを促進し溶解性を向上させるコンピテント・セル
10 x 0.1 ml competent cells, pUC18 control plasmid, XL10-Gold β-mercaptoethanol mix
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ArcticExpress (DE3) Competent Cells

230192 10 x 0.1 ml お問い合わせください Call
低温での発現に適応したシャペロニンによりタンパク質の折り畳みを促進し溶解性を向上させるコンピテント・セル。lacUV5プロモーターにより誘導されるT7 RNAポリメラーゼを持つ溶原性のファージDE3があらかじめ内蔵しているためpET系ベクターの使用が可能
10 x 0.1 ml competent cells, pUC18 control plasmid, XL10-Gold β-mercaptoethanol mix
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ArcticExpress (DE3) RIL Competent Cells

230193 10 x 0.1 ml お問い合わせください Call
低温での発現に適応したシャペロニンによりタンパク質の折り畳みを促進し溶解性を向上させるコンピテント・セル。lacUV5プロモーターにより誘導されるT7 RNAポリメラーゼを持つ溶原性のファージDE3があらかじめ内蔵しているためpET系ベクターの使用が可能。AT過多のゲノムに対応したコドンを内蔵。
10 x 0.1 ml competent cells, pUC18 control plasmid, XL10-Gold β-mercaptoethanol mix
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ArcticExpress (DE3) RP Competent Cells

230194 10 x 0.1 ml お問い合わせください Call
低温での発現に適応したシャペロニンによりタンパク質の折り畳みを促進し溶解性を向上させるコンピテント・セル。lacUV5プロモーターにより誘導されるT7 RNAポリメラーゼを持つ溶原性のファージDE3があらかじめ内蔵しているためpET系ベクターの使用が可能。GC過多のゲノムに対応したコドンを内蔵。
10 x 0.1 ml competent cells, pUC18 control plasmid, XL10-Gold β-mercaptoethanol mix
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ArcticExpress RIL Competent Cells

230195 10 x 0.1 ml お問い合わせください Call
低温での発現に適応したシャペロニンによりタンパク質の折り畳みを促進し溶解性を向上させるコンピテント・セル。AT過多のゲノムに対応したコドンを内蔵。
10 x 0.1 ml competent cells, pUC18 control plasmid, XL10-Gold β-mercaptoethanol mix
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ArcticExpress RP Competent Cells

230196 10 x 0.1 ml お問い合わせください Call
低温での発現に適応したシャペロニンによりタンパク質の折り畳みを促進し溶解性を向上させるコンピテント・セル。GC過多のゲノムに対応したコドンを内蔵。
10 x 0.1 ml competent cells, pUC18 control plasmid, XL10-Gold β-mercaptoethanol mix
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