PicoMaxx ハイフィデリティ PCR システムとマスターミックス
掲載の製品はすべて試験研究用です。診断目的にご利用いただくことはできません。
PicoMaxx ハイフィデリティ PCR システム*,‡は、PCRにおける感度と増幅効率を最大限に引き出せるようデザインされたシステムです。特に用いるテンプレートが少量の場合には、PCRの感度が最も重要な要素となります。感度の良くないPCR酵素では、PCRの成功率が落ちてしまう場合もあります。Taq と Pfu DNAポリメラーゼ、そしてアジレント(旧ストラタジーン)独自の ArchaeMaxx ポリメラーゼ促進因子**から構成されるPicoMaxx ハイフィデリティ PCR システムは、他のPCR酵素よりも優れた感度でPCRの成功率を高めます。
PicoMaxx ハイフィデリティ PCR システムは優れた増幅効率をもたらしますが、当社だけが製造販売する ArchaeMaxx ファクターによるものです。Taq DNAポリメラーゼとプルーフリーディング酵素を組み合わせることで、Taq のみの場合と比較して、高い正確度と向上された収量、そしてより長い伸長能力を提供します。しかし、この酵素ブレンド による優れたパフォーマンスに重要であるプルーフリーディング機能は、PCRポイズニング 現象に影響されやすくなっていることが明らかになりました。
ArchaeMaxx因子はアジレント(旧ストラタジーン)の研究者により Pyrococcus furiosus から発見されたもので、好熱菌性ポリメラーゼに対するPCR阻害物質を取り除く働きがあることがわかっています。通常、PCRの反応が進むにつれ、dCTPが脱アミノ化されて生じるdUTPが蓄積していきます。DNA鎖にdUTPが取り込まれると、Pfuをはじめとする校正機能をもつ古細菌性のDNAポリメラーゼの活性が阻害され、増幅効率が低下します。ArchaeMaxx 因子は、dUTPをdUMPに脱リン酸化することで、伸張するDNA鎖にdUTPが組み込まれるのを防ぎます。その結果、増幅性が改善し、長いテンプレートの増幅を可能にします。また、伸張時間も大きく短縮され、PCR反応を全般的に改善させる効果があります。ArchaeMaxx 因子は、アジレント(旧ストラタジーン)のPCR酵素にだけ添加されています。これがプルーフリーディング機能パフォーマンスを最大限にし、PicoMaxx ハイフィデリティ PCR システムでは10 kb までの幅広い標的にわたって、より信頼のおける能率的な増幅が可能となっています。
PicoMaxx ハイフィデリティ PCR システムはサイクルが始まるまでポリメラーゼ活性を阻害する抗体を用いホットスタートタイプにすることにより、高い特異性と低いバックグラウンドを実現しています。この仕様により、至適化溶液やPCRの効率を下げるタンパク質エンハンサーを必要とすること無く、多検体処理やのマルチターゲットの増幅実験に理想的です。PicoMaxx PCR システムは複雑なDNAサンプルからの低コピー数のターゲットの検出や、非特異的増幅を抑えながらの増幅、室温での長時間のセットアップを必要とする実験系でも優れた性能を発揮します。PicoMaxx ハイフィデリティ PCR システムはサイクル条件の変更無しにPCRプロトコールへ取り入れることが可能です。
PicoMaxx ハイフィデリティ PCR マスターミックスはPicoMaxx ハイフィデリティ PCR酵素に加えて至適化された反応バッファー、MgCl2 とdNTPsから構成される、便利な2×仕様です。PicoMaxx PCR マスターミックスを使用することにより、貴重な時間を節約や、ハイスループットへの対応が可能です。余分なピペッティングのステップを削ることによりクロス‐コンタミネーションを最小限に抑えます。 また、PicoMaxx PCR システムの高い特異性と効率を提供しつつ、サンプル間でより一貫した結果をもたらします。
1. Hogrefe, H., et al. (2002), Proc Natl. Acad. Sci. USA 99: 596-601
2. Fogg, et al. (2002), Nat Struct Biol. 9(12): 922-927
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