ネットワークインフラによる働き方改革のヒント

限られた労力、限られた予算、限られた時間で、より多くの仕事を行うために、様々な工夫をされていることと思います。分析時間を短縮する、高性能な装置を安く手に入れる、無駄な分析をしない、作業をルーチン化するなど、現状に合った改善策で対応していることでしょう。その改善策のうち、意外と忘れがちなのが「ネットワークインフラによる業務改善」です。ここでは、いくつかの例を挙げて改善案を紹介します。

 

1. よくある現状    
最も多く採用されているのが、1 台の分析装置が 1 台の PC と接続され、そこにプリンタが USB ケーブルなどで接続されている「スタンドアロンシステム」です。この状態では、ある分析装置を操作するためには接続された特定の PC を操作する必要があるため、その PC (または分析装置) の設置場所まで移動する必要があります。また、あるデータを印刷する場合にも PC の設置場所まで移動しなければならず、人の移動による労力と時間を要してしまいます。さらに、プリンターも都度購入する必要があるので、台数が増えると必要となるコストとスペースが飛躍的に増加します。  
     
2. プリントサーバーシステム    
分析装置と PC の関係はスタンドアロンシステムと同じですが、プリンタは他の PC と共有しているシステムです。このシステムを採用するには、それぞれの PC が LAN で接続されている必要があり、プリンタはプリントサーバーを介してそれぞれの PC と接続しています。このように構成すると、プリンタを共有できるので、スタンドアロンシステムに比べるとプリンタに必要なコストとスペースを削減することができます。プリントサーバーという名称がつけられていますが、決して大掛かりな設備が必要なわけではなく、プリントサーバー自体は数千円から 2 万円弱で購入できる小さなデバイスになっています。  
     
3. リモートデスクトップ接続    
リモートデスクトップ接続ではスタンドアロンシステムの PC を、ネットワークを介して別の PC から遠隔操作できます。そのため、ソフトウェア操作のたびにスタンドアロンシステムの PC が設置されている場所まで移動する必要がなくなるので、移動する労力と時間が最小限になります。必要な環境としては LAN などで接続されたネットワークに加え、Windows に標準搭載されているリモートデスクトップ機能や、リモートデスクトップ接続に必要なソフトウェアが必要になります。リモートデスクトップ接続は、少ない投資で人の移動が最小限になるという点では魅力的ですが、スタンドアロンシステムが基本となっているので PC の台数を削減することができないこと、設定を間違えると PC のセキュリティレベルが低くなってしまうことが注意点です。  
     
4. クライアントサーバーシステム    
遠隔操作に加え、プリンタ・分析装置・PC の全てを共有化したシステムがクライアントサーバーシステムです。どの PC からでも接続された全ての分析装置を操作することができるため、分析装置と PC を自由に配置させることができます。例えば、分析室に分析装置を集約させて設置し、PC は自身の席の近くに設置することで、デスクトップ接続と同様に移動する労力と時間が最小限になります。デスクトップ接続と異なる点は、PC の台数を分析装置の台数より少なくすることができるので、さらにスペースとコストの削減につながります。また、PC とソフトウェアを購入することなく分析装置の追加も可能です。さらに、データは全てデータサーバーに集約させて管理するので、バックアップやバリデーションの手間を少なくできるのも利点です。  
     
5. 他社測定装置接続サーバーシステム    
1 つのラボにある分析装置が、すべて同じメーカーの製品とは限りませんし、全て同じ種類の分析装置や測定機器だとも限りません。このときに問題になるのが、データ形式が異なるために、1 つのネットワークシステムに接続できない事態が生じることです。しかし、現在ではあらゆる分析装置を接続して、全てのデータをサーバーに保存するシステムが存在します。このシステムを導入することで、ラボにある全てのデータを安全に保存することができます。また、このシステムはネットワーク構成が必須となるので、上記のプリントサーバーシステムとクライアントサーバーシステムを含んだ、上位のサーバーシステムとなります。  
     
6. LIMS接続システム    
皆さんの中には、普段の業務に LIMS (Laboratory Information Management System: ラボ情報管理システム) を活用されている方もいるでしょう。特に何らかの規制を受けているラボでは、サンプルの受け入れからレポートの出力、さらにはデータや情報を基にしたビジネス判断までも LIMS で行っているかもしれません。
よりスムーズな LIMS の活用方法の1つとして、分析装置の制御もLIMSで行ってしまう、というものがあります。これは、サンプル情報が LIMS に入力されると、LIMS によって分析依頼が作成され、分析者とメソッドを割り当てた後に適切な分析装置に送信されます。分析者がその割り当てを確認してサンプルをセットすると、分析が開始します。分析が完了すると、その結果は LIMS に自動的に入力されます。
このシステムでは、分析装置による業務ですら LIMS で行うことができるので、使用するソフトウェアの統一化による煩雑さの解消と、ミスのないデータ管理による信頼性の確保が達成できます。
 
     
7. クラウドシステム    
日常生活でも利用されているクラウドシステムが、分析業界においても利用されつつあります。データの保管庫としてクラウドを利用するのか、アプリケーションソフトウェアまでクラウドを適用するのかは、メーカーの提供する製品や利用するユーザーの要求によって変わります。しかし、クラウドシステムを利用することによって、従来のネットワークシステムで負担となっていたサーバーの維持・管理に関しては、クラウドサービスの提供者に委託することができます。そのため、時間と労力の削減が可能になるだけでなく、社内に設置するサーバーの数も少なくできるので、スペースと費用の削減にもつながります。  

 




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