Agilent LC 検出器ランプによる性能向上

Marc Fuehrer
アジレントプロダクトマネージャ(LC消耗品部門)

LC システムの検出器ランプは、全体的な性能に大きな影響を与えます。LC のランプが不適切だったり、製造不良だったり、標準に即していなかったりすると、精度や再現性、信頼性が損なわれます。

高品質のアジレント製検出器に適合するように設計および製造されているランプは、Agilent認定ランプだけです。Agilent LC システム用のランプとして、アジレント製の検出器ランプを推奨するのは、そのためです。Agilent ランプなら、感度の向上をはじめとする多くの特長により、より優れた結果を得ることができます。コーティングプロセスの改良により、Agilent 1100/1200 ランプの寿命は最大 50 % も長くなっているため、ランプの交換頻度も減少します。動作履歴を記録する RFID タグ付きの Agilent ランプを選択することにより、すべての分析を総合的に記録することも可能になります。

図 1. Agilent ダイオードアレイ検出器および多波長検出器の光路 (上) と可変波長検出器の光路 (下) (図を拡大)

図 1. Agilent ダイオードアレイ検出器および多波長検出器の光路 (上) と
可変波長検出器の光路 (下)。

図 2. Agilent 可変波長検出器用 RFID タグ付き長寿命 Agilent 重水素ランプの特徴 (p/n G1314-60101) (図を拡大)

図 2. Agilent 可変波長検出器用 RFID タグ付き
長寿命 Agilent 重水素ランプの特徴 (p/n G1314-60101)。

図 3. ダイオードアレイ検出器および多波長検出器用 RFID タグ付き長寿命 Agilent 重水素ランプの特徴 (p/n 2140-0820) (図を拡大)

図 3. ダイオードアレイ検出器および多波長検出器用 RFID タグ付き
長寿命 Agilent 重水素ランプの特徴 (p/n 2140-0820) 。

Agilent LC ランプは、可変波長検出器 (VWD) や多波長検出器 (MWD)、ダイオードアレイ検出器 (DAD) といったさまざまな UV 検出器で使用できます。VWD 検出器では、光源として 190~600 nm の波長の光を発する単一の重水素ランプが使われています。DAD では、190~850 nm の光を発する重水素ランプと、470~950 nm の光を発するタングステンランプという 2 つのランプが使われています。DAD の重水素ランプは、図 1 に示すように、タングステンランプの光を通過させるシャインスルー開口部を備えています。MWD でも、190~800 nm の重水素ランプとタングステンランプが使用されます。すべての Agilent ランプは、最大 2000 時間という長い寿命を備えています。

適切なランプを簡単に選択

表 1 のチャートを使えば、目的のランプや、システムにもっとも適したランプを簡単に見つけることができます。この表では、Agilent 1260 および 1290 Infinity LC シリーズで使用する Agilent UV 検出器に推奨されるランプが記載されてます。また、これらのランプは、Agilent 1100 および 1200 シリーズ機器にも完全に適合しています。

ランプタイプ

性能上の利点

部品番号

DAD

長寿命重水素ランプ

性能の向上 – 最高の安定性を実現する新しいカソードの採用

2140-0813

RFID タグ付き
長寿命重水素ランプ

RFID タグの付いた DAD および MWD 用の専用ランプ

2140-0820

RFID タグ付き
長寿命 HiS 重水素ランプ

Agilent G4212A/B 検出器用の専用ランプ

5190-0917

MWD

長寿命重水素ランプ

性能の向上 – 最高の安定性を実現する新しいカソードの採用

2140-0813

RFID タグ付き
長寿命重水素ランプ

RFID タグの付いた DAD および MWD 用の専用ランプ

2140-0820

VWD

長寿命重水素ランプ

最高の経済性と性能を実現する VWD 用ランプ

G1314-60100

RFID タグ付き
長寿命重水素ランプ

最高の経済性と性能を実現するRFIDタグの付いた VWD 用専用ランプ

G1314-60101

表 1. 各種の Agilent 検出器に推奨される Agilent ランプ

また、図 2 図 3 に、可変波長用ランプとダイオードアレイ用ランプの特徴を示しています。この図を見れば、それぞれのランプの利点がわかります。

不適切なランプに起因するクロマトグラフィ上のリスクを回避

Agilent 認定ランプは、ISO 9001 規格に準拠して製造され、製造プロセスの全ステップを通して完全に追跡可能になっています。アジレントはすべてのランプのノイズおよびドリフト仕様、適切な動作電圧、光強度、位置などをテストし、常に機器にフィットし、厳密な仕様が完全に満たされるようにしています。コーティングプロセスの改良により、Agilent 1100/1200 ランプの寿命は、これまでよりも最大 50 % も長くなっています。さらに、Agilent 重水素ランプでは、開口部が大幅に狭くなっているため、光強度が向上し、ノイズが減少しています。これにより、シグナル/ノイズ比が明らかに向上しています。また、感度の向上により、2000 時間を超える使用期間を通して、検出機能が拡張され、微量レベルの定量性能が向上します。

性能を向上させたいですか?それなら、Agilent 認定ランプやその他の消耗品が LC にもたらす利点をご確認ください。