miRNA テクノロジー

MicroRNA(miRNA)は、ゲノムに内在的に存在する、一本鎖のnon-coding RNA(長さ19-30 nt)です。転写後の遺伝子発現抑制に関与する調節分子として、広く機能しています。 

1993年にmiRNAが発見されて以来、miRデータベースに収められたmiRNAの数は急速に増加しています。現在までに、動物や植物、ウィルスといった実質上すべての生物種で、約4400種類にのぼるmiRNA前躯体が発見されています(miRBaseのデータより)。

miRNAは、多様でありながら高度に保存された低分子RNAで、細胞の転写回路の中で、従来の転写因子に匹敵する役割をもつと考えられています。humanの癌に関する最新の研究では、miRNA発現の解明と理解に重点が置かれています。 

おもなトピック

アジレント miRNAマイクロアレイプローブデザインの構成

図中の黒い部分は、合成された配列である未修飾のマイクロアレイプローブ(黒)で、この部分が、ターゲットとなるmiRNA(赤)とハイブリダイゼーションにより結合します。プローブはスティルト(オリゴヌクレオチドで構成された足)(茶)によりガラススライド表面に固定されています。
  1. hybridization sequenceの5'末端にあるG残基(黒)は、miRNAの3'末端にラベリングにより導入されたC残基(黄)と相補的に結合します。このG-C対がプローブとターゲットの反応領域に加わることで、ターゲットとなるmiRNAが、他の相同なRNAよりもプローブに安定して結合します。また、すべてのプローブには、プローブとターゲットの反応領域に隣接して5'末端ヘアピン(青)が付加されており、miRNAのサイズに対する特異性を高めています。 

     

  2. 安定性が高すぎるため最適化が必要なプローブでは、miRNAの5'末端から塩基配列を除去することで、プローブとターゲットの安定性を調節しています。 
アジレント miRNAプラットフォームを支えるテクノロジー

Wang ら の研究(専門誌RNAより)

この論文では、マイクロアレイをベースにしたmiRNAプロファイリング手法の開発の鍵となる技術的進歩が論じられています。論文中で詳述されている技術的なブレイクスルーは、アジレントプラットフォームの開発における重要な基盤となっています。