K-ras と p16 遺伝子における突然変異の検出

Pub.No. 5989-0487EN

Mutation detection for the K-ras and P16 genes (K-ras と p16 遺伝子における突然変異の検出)

Ras タンパク質は細胞の増殖 ・ 分化のシグナルを伝える重要な役目を果たしている。K-ras は Ras ファミリーの 1つである。シグナル分子により、Ras タンパク質は GDP 結合の不活性型から GTP 結合の活性型に変換される。Ras GTPase 活性化タンパク質 (GAP) は GTP 結合型の Ras と優先的に結びつき、Ras GTPase 活性を加速させ、Ras タンパク質を不活性化させる。ヒトのがん腫の多くにみられる変異 Ras タンパク質は、活性型 Rasの GTPase 活性に障害をもち、 GAP による GTPase 活性の加速に対して抵抗性をもつ。本文献では K-ras タンパク質の GTPase 機能の活性部位におこる変異として既に報告のある、コドン 12 のグリシン部位の領域に関して、変異検出を行った。目的領域を PCR 増幅したあと制限酵素処理を行い、さらに 2回目の PCR を行い再び制限酵素処理を行う手法 (nested-PCR) を用いた。
実際に組織から癌細胞を採取する際、正常な細胞も混入する可能性がある。正常 DNA を極力除外し変異部位をより濃縮することにより配列決定 (シーケンス) 反応まで行うことが可能である本方法は大変有用であると考えられる。
本文献では、同時にヒト発癌に重要である癌抑制遺伝子 p16 (p16 遺伝子は、様々な悪性腫瘍の約半数において失活している) に関する変異検出も行い結果を示している。(エクソン 3領域の PCR 増幅産物にヘテロな変異がおこると電気泳動パターンに変化が生じる)

分野 バイオ医薬品/医薬品ゲノミクス
キーワード 癌、nested-PCR、染色体異常 
掲載年月 2004/01
ページ数 8ページ (PDFファイルサイズ 109kB)

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2100 バイオアナライザ

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分析結果の一例

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LabChip image of DNA samples PCR’d for the codon 12 region of the K-ras gene.