Access Agilent 2016年9月号

ダイレクトヒーティングによる、
ガスクロマトグラフィー分析の新しいパラダイム

Jim Gearing, Agilent Product Manager, GC

過去 50 年間以上、ガスクロマトグラフィーは研究、製造、および規制分野のラボの生産的かつ重要なツールとして進化をしてきました。ただし、クロマトグラフィーの専門性が科学者 (人) から機器に移行するにしたがって、ラボの稼働時間と生産性を最大化する必要性が高まっています。

GC を停止せざるをえないケースの 1 つが、時間を要すメンテナンス、キャリブレーション、およびパフォーマンスバリデーションです。これらはルーチン作業として行われています。アジレントはこの課題を解決するため、これら 3 種類の重要かつ時間のかかる作業を改善するためのツールと技術のご要望を調査してきました。その結果、これらの性能の特性と手法を大幅に改善するには、技術の完全な再設計が必要であることがわかりました。まず、オーブンについて全面的に見直す必要がありました。

図 1. Agilent Intuvo 9000 GC システム

図 1. Agilent Intuvo 9000 GC システム

図 2. アジレントのダイレクトヒーティングデザイン

図 2. アジレントのダイレクトヒーティングデザイン

図 3. シンプルで交換しやすいコンポーネント

図 3. シンプルで交換しやすいコンポーネント

GC オーブンの再設計による稼働時間の改善と生産性の最大化

現在業界で標準とされるオーブンは、空気浴式オーブンです。対流による GC カラムの加熱方式は過去数十年間で何回も改善されており、そのほとんどで検出下限値が改良、変更されてきました。ただしこのような進歩に伴い、加熱と冷却のサイクルにより、ナットとフェラルのフィッティングの経時的な劣化につながる可能性があります。

カラムの経時的な劣化もあり、リテンションギャップやカラムクリッピングが必要です。また近年では、ミッド/ポストカラムバックフラッシュが使われております、実装は複雑になってきております。ダイレクトヒーティングオーブンの設計は非常に理にかなっており、クロマトグラフの世界を変える画期的なしくみです (図 1)。

ダイレクトヒーティングによる高速分析と、カラム保護およびフィッティングの改良

ダイレクトヒーティングを行うには、オーブンだけでなくカラムも再設計する必要があります。まず、カラムについて見てみましょう。従来からのクロマトグラムの変更にオペレータが対応しなくて済むように、GC カラムの材質は変更しませんでした。Agilent GC カラムの長さ、直径、および液相はすべて同じです。ただし、カラムの巻き方をを水平設計にすることで、水平の加熱装置を使用できるようになっています (図 2)。空気浴式オーブンのスペースをなくして容量を最小限に減らすことで、加熱および冷却時間を最適化できます。アジレントの新しいダイレクトヒーティングにより、分析時間を短縮できるだけでなく、カラム保護の効率とガスタイトフィッティング機能を向上させることができます。

リテンションギャップ技術の再定義

イレクトヒーティングを実現する技術によって、流路効率が向上します。この不活性な流路によって、リテンションギャップやカラムのクリップが不要となります。リテンションギャップは、シンプルな使い捨ての交換しやすいコンポーネントになります (図 3)。カラムを予防的に保護しやすくなっただけでなく、新しいフローパス技術によって、バックフラッシュの設定がシンプルかつ簡単になります。このような保護機能の強化によって、ほとんどのアプリケーションにおける一般的な GC カラムのサンプルスループット機能が向上することが確認されています。カラムの寿命が延びれば、稼働時間の延長と生産性の向上につながります。

フェラル不要のサンプルパス

サンプルパスに用いるフェラルは、もはやラボでは不要となります。シンプルなフェイスプレートシールは、リークなしで何回も接続できるように作られています。このシールは、感触と音で取付けを確認できるトルクドライバで固定されるため、しっかりと確実に接続できます。

アジレントのダイレクトヒーティング方式による、さらなる技術進歩

アジレントは、ガスクロマトグラフィー (GC) がさらに進化するには、現行技術の改良や強化だけでは不十分であると認識しています。GC の変革には、加熱スキームをはじめとする技術の再検討が必要です。この開発により他の技術も進歩し、Agilent Intuvo は GC の革新をもたらすことになるでしょう。

現代のラボに適した、アジレントの豊富なガスクロマトグラフィーソリューション

アジレントは、現代のラボが最高のパフォーマンスを維持し、機器の稼働時間を最大化し、分析上の厳しい課題に対応できるよう、幅広いガスクロマトグラフシステムアナライザサンプル前処理ツールカラム、および消耗品をご提供しています。アジレントは、複雑な研究用の柔軟かつ信頼性の高いガスクロマトグラフィーのハードウェアおよびソフトウェア、ルーチンの使用環境向けの堅牢なシステム、現場でのリアルタイム測定用の高速かつ堅牢性の高いポータブルソリューション、高性能なガスクロマトグラフィーの消耗品など、お客様のさまざまなニーズに対応できる GC ソリューションをご用意しています。詳細については、アジレントまたはアジレント販売店にお問い合わせください。