Access Agilent 2016年2月号

新しい Agilent AdvanceBio SEC カラムが
mAb/ADC 分析を改善します

Linda Lloyd、アジレントバイオカラムプロダクトマネージャ
M. Sundaram Palaniswamy、アジレントバイオカラムアプリケーションサイエンティスト

治療用タンパク質は、発現、リフォールディング、ダウンストリーム処理、製剤、滅菌、保管などの製造プロセス中に凝集や分解が行われます。新しい生物製剤の開発の一環として、凝集の発生する確率を求め、製造の全段階で凝集を定量する必要があります。モノクローナル抗体の構造および形状は凝集体形成の可能性に影響を与えるため、ADC (抗体薬の複合体) を形成するための疎水性ペイロードが付着することで、修飾により疎水性凝集が高まり、凝集プロファイルが変化します。凝集体も分解物も低濃度で存在しますが、生物製剤の品質に大きな影響を与える場合があります。このように小型の可溶性の凝集体は免疫反応を引き起こしたり、大型の不溶性凝集体、粒子は投薬後に副作用の原因となったりすることがあります。

サイズ排除クロマトグラフィー (SEC) は、タンパク質凝集体を分析するために一般的な手法です。しかし、凝集、モノマー、ダイマー、さらに高次な凝集体の SEC 定量を適切に実行するには、移動相がサンプル組成に影響を与えないことが必須となります。分析条件によって凝集の濃度が変化する場合もあるため、塩分濃度の低い中性 pH の水性移動相で SEC 分離を実行することが重要です。水性移動相を用いた ADC の SEC 分析として多く公表されているメソッドでは、ピーク形状が悪く、単量の複合体からの凝集体の分離が不完全であることが明らかにされています。この結果は、疎水性ペイロードと固定相との非特異的な相互作用が原因でした。

アジレントの革新的技術

アジレントの科学者は、治療用 mAb および ADC の分離と定量における一般的な SEC の短所を克服する新しいバイオカラムを開発しました。Agilent AdvanceBio SEC 300Å、7.8 x 300 mm、2.7 µm カラムは、革新的なシリカ粒子と独自の結合相に基づいて設計され製造されています。

図 1. Agilent AdvanceBio SEC 300Å、7.8 x 300 mm、2.7 µm カラムを使用した場合の未変性トラスツズマブ (赤のトレース) と pH/熱ストレスを受けたトラスツズマブのクロマトグラムの重ね合わせ表示。

図 1. Agilent AdvanceBio SEC 300Å、7.8 x 300 mm、2.7 µm カラムを使用した場合の未変性トラスツズマブ (赤のトレース) と
pH/熱ストレスを受けたトラスツズマブのクロマトグラムの重ね合わせ表示。

図 2. Agilent AdvanceBio SEC 300Å、7.8 x 300 mm、2.7 µm カラムを使用した場合の未変性 ADC (赤のトレース) と pH/熱ストレスを受けた ADC のクロマトグラムの重ね合わせ表示。

図 2. Agilent AdvanceBio SEC 300Å、7.8 x 300 mm、2.7 µm カラムを使用した場合の未変性 ADC (赤のトレース) と
pH/熱ストレスを受けた ADC のクロマトグラムの重ね合わせ表示。

この革新的な技術では、移動相に有機溶媒を添加する必要がなく、幅広いサンプルの種類に対して分離能とサイズ分離を実現します。もう 1 つの利点は、同じ移動相とカラムを用いて ADC および mAb 分析を実行できることです。従来の SEC 手法のように切り替える必要はありません。

未変性のトラスツズマブと pH/熱ストレスを受けたトラスツズマブを比較して分解をモニターし SEC を使用する利点を確認できます (図 1)。モノマーはダイマーおよび少量のより高次な凝集体に凝集します。図 2 は ADC サンプルでの同様の比較を示しています。サンプルが pH/熱ストレスを受けた場合、新しいカラムでは凝集体を分離し異なるプロファイルを示すことが分かります。Agilent AdvanceBio SEC カラムおよび同一のクロマトグラフィー条件を使用することで、mAb 修飾前後の凝集体の濃度とサイズについての重要な情報を得ることができます。

バイオ医薬品の QA/QC のためのシンプルな 1 つのメソッド

pH/熱に起因する凝集体のクロマトグラムから、AdvanceBio SEC カラムを使用すると凝集体だけでなく、分解されたトラスツズマブや ADC も分離し検出できることが分かります。インタクト凝集体と分解物は互いに明確に分離されました。このようにシンプルで再現性のあるメソッドを、Agilent 1260 Infinity バイオイナートクォータナリ LC が持つ不活性および腐食耐性と組み合わせることにより、バイオ医薬品業界のモノクローナル抗体/ADC の QA/QC 分析に最適なソリューションを実現します。

この実験に関する詳しい説明については、アジレントのアプリケーションノート 5991-6303JAJP を参照してください。

ワークフローを容易にするアジレントの幅広いバイオ医薬品ソリューション

アジレントは、バイオ医薬品の凝集体およびフラグメントの分離、同定、定量に有用な、さまざまなリソースおよび製品を提供しています。

例えば、SEC 対応の Agilent BioHPLC カラムは、高速で信頼性が高く正確なパフォーマンスをバイオ医薬品分析にもたらします。これらのカラムはワークフローに容易に統合でき、さまざまなポアサイズと寸法を揃えています。アジレントは、30 年以上の実績を持つ、業界をリードする SEC カラムおよび機器のメーカーです。アジレントの生物製剤向けソリューションファミリおよび LC バイオカラムをご覧いただき、アジレントの担当者に問い合わせてこれらのソリューションがどのようにワークフローを高速化し、新しい生物製剤の市場投入までの時間を短縮するかをご確認ください。