Infinity III LC シリーズ:よく寄せられる質問

Infinity III LC シリーズには、アジレントの新しい液体クロマトグラフィー技術が搭載されています。この FAQ ページでは、InfinityLab Assist、InfinityLab レベルセンシング、および InfinityLab サンプル ID リーダーに関してよく寄せられる質問への回答をご確認いただけます。HPLC ラボマネージャーや UHPLC 分析者の方々がこれらの製品に関して持つ一般的な疑問点について、わかりやすく簡潔にお答えします。Infinity III LC シリーズは科学コミュニティのためのシステムです。ラボの効率と信頼性を高める高度な機能を備え、HPLC 自動化プロセス、ストレージソリューション、およびソフトウェアを統合することで、お客様の分析ニーズを効果的にサポートします。

このページの内容:


既存の 1260 Infinity II および 1290 Infinity II LC システムをアップグレードして、これらの機能をすべて追加できますか?

はい。既存の Agilent Infinity II HPLC および UHPLC システムをアップグレードすることにより、Infinity III の新しい機能と製品をすべて組み込むことができます。アップグレードで追加できる機能/製品には、InfinityLab Assist、InfinityLab サンプル ID リーダー、InfinityLab レベルセンシング、その他の拡張機能があります。どのアップグレードも、現在のシステムにシームレスに統合でき、機能と性能を向上するように設計されています。既存の HPLC および UHPLC システムのアップグレードについては、こちら

 



アーリーメンテナンスフィードバック(EMF)機能とその限度は、複数のソフトウェアパッケージ間で同期されますか?

はい。アーリーメンテナンスフィードバック(EMF)機能とその限度は、クロマトグラフィーデータシステム(CDS)、Lab Advisor、および InfinityLab Assist の間で同期されます。この同期により、すべてのプラットフォームにわたって診断およびエラーレポートの一貫性が確保され、HPLC および UHPLC 分析プロセスの信頼性と効率が向上します。




InfinityLab Assist:日常的な HPLC ルーチンを自動化

InfinityLab Assist は日々繰り返される HPLC ルーチンを効率化し、オペレータの手間を軽減してエラーを最小限に抑えます。HPLC ワークフローを自動化し、リアルタイムのダッシュボードを通して知見をもたらし、トラブルシューティングを支援することで、スムーズで信頼性の高い操作を実現します。機器上での操作はもちろん、リモートアクセスも可能です。LC ユーザーは信頼性の高い HPLC 結果を達成することに積極的に取り組み、確実にスキルを築くことができます。

InfinityLab Assist は個人用タブレットのような見た目ですが、ラボ環境での使用に適していますか?

はい。InfinityLab Assist は、最新型の個人用タブレットのような外観ながら、産業グレードのラボ用タブレットとして設計されています。堅牢性に優れ、過酷なラボ環境にも耐えられることが厳しい試験によって確認されています。ラボでの日々の操作に求められる耐久性と実用性を兼ね備え、一般的な HPLC 溶媒がこぼれても損傷せず、手袋を付けたままの操作も可能です。詳細については、こちらをご覧ください



InfinityLab Assist では、特に HPLC システムの準備状況を判断するときに、自動パージおよび平衡化プロセスがどのように機能しますか?

InfinityLab Assist には高度なモニタリングシステムが採用されており、自動パージおよび平衡化プロセスによって最適な性能が確保されます。リプル、最小圧力、チューニング信号など主要なパラメータを継続的に追跡し、これらの指標を分析することによって、システムが分析可能な状態にあるかどうかが正確に評価されます。このモニタリングメカニズムと操作ガイドラインの詳細については、InfinityLab Assist のマニュアルをご覧ください。

 




InfinityLab Assist の事前洗浄機能と平衡化機能の違いは?

InfinityLab Assist には、事前洗浄機能と平衡化機能があり、それぞれ HPLC 分析ワークフローで異なる目的を果たします。

事前洗浄:この機能はさまざまな洗浄ワークフローで使用し、カラムの事前クリーニングステップと考えることができます。事前洗浄中は、一般に強有機 LC 溶媒によってシステムがクリーニングされます。事前洗浄をニードルチップに限定して、カラムに汚染物質が取り込まれないようにすることも可能です。事前洗浄は「準備」タスクのオプションステップです。

平衡化:事前洗浄に続き、平衡化によって HPLC システムがメソッドの初期条件でコンディショニングされます。このステップにより、システムが適切に平衡化され、分析可能な状態になります。

操作ガイドラインおよびベストプラクティスの詳細については、InfinityLab Assist のホワイトペーパーをご覧ください。


InfinityLab Assist がクロマトグラフィーデータシステム(CDS)に接続されていない場合、誰がシステムを制御するのですか?その場合も流量を変更できますか?

InfinityLab Assist からの制御は[ CDS Required ]設定によって異なります。

[ CDS Required ]をオンに設定:この設定が有効で、CDS が接続されていない場合、InfinityLab Assist は読み取り専用モードで動作します。この状態では、InfinityLab Assist から流量の変更やその他の機能を実行できません。

[ CDS Required ]をオフに設定:この設定を無効にした場合、CDS が接続されていなくても、流量の変更など InfinityLab Assist の機能をすべて使用できます。

操作ガイドラインおよび構成設定の詳細については、InfinityLab Assist のホワイトペーパーをご覧ください。


ラボで InfinityLab Assist を使用することで、時間をどのくらい節約できますか?

初期のお客様のフィードバックから、InfinityLab Assist によってラボの作業時間が平均 10~20 % 短縮されたことがわかりました。この効率の向上要因となったのが、InfinityLab Assist の無駄のないワークフロー、直感的なインタフェース、堅牢な機能です。これらの利点が総合的に働くことで、生産性が向上し、手動での介入が削減されます。



現在ラボで使用している個人用タブレットを InfinityLab Assist に組み込むにはどうすればよいですか?

InfinityLab Assist コントロールソフトウェアは個人用タブレットにも対応しており、シームレスなリモートアクセスを実現します。スマートフォンやタブレットなどの個人用デバイスでブラウザにリモートアクセスし、外出先からパラメータをモニタリングしたりプロセスを制御したりできます。お客様企業の IT インフラストラクチャでリモートアクセスがサポートされていれば、値の確認や流量の調整といった操作をどこからでも行えます。詳細については、技術概要をご覧ください



InfinityLab Assist に近々追加される機器診断機能はありますか?

あります。アジレントでは、お客様からのフィードバックをもとに機能拡張に取り組んでおり、新しい機器診断ルーチンを継続的にリリースしていく予定です。近日提供予定の診断機能では、アジレントの機器の機能を強化し、お客様の分析ニーズを支えるさらに包括的で正確な診断オプションを提供します。




InfinityLab レベルセンシング:液切れを解消

InfinityLab レベルセンシング は、溶媒レベルを正確に監視し、連続した生産性を確保し、液切れのリスクを防ぎます。この高度な機能は、OpenLab CDS と統合されて溶媒消費を予測し、最適な運用効率を維持するのに役立ちます。

InfinityLab レベルセンシングで使用できる溶媒ボトルの最大サイズは?

InfinityLab レベルセンシングシステムには、最大で 2.5 L ボトル2 本と 1 L ボトル 4 本を収容できます。この構成により、分析プロセス中に溶媒レベルの最適なモニタリングと管理を確実に行えます。




レベルセンシングと溶媒予測機能の違いは?

InfinityLab レベルセンシングは溶媒ボトル内の液量をモニタリングします。これに対し、溶媒予測機能は、コンピュータで計算された予測値をもとに、キューに入れられたサンプルシーケンスを正常に完了できるかどうかを判断します。問題が疑われる場合はユーザーに通知されるため、中断を防ぎ、操作を滞りなく進めることができます。現在、溶媒予測機能は OpenLab 2.8 Update 04 機能パック 1 以上でのみご利用いただけます。




InfinityLab サンプル ID リーダー:バイアル位置を自動で認識

サンプル ID リーダーはサンプルの識別を自動化し、作業効率を大幅に向上しながらサンプルの取り違えを最小限に抑えます。この技術を統合することで、HPLC ワークフローの精度と信頼性を高め、最終的にはラボ全体の成果を増大させることができます。1 日に何時間もの節約、致命的なラベルの貼り間違いの防止、サンプル前処理プロセス全体のトレーサビリティの改善がすべて叶います。これらの利点により、正確かつ信頼性の高い結果を達成するという、本当に大切なことに集中できます。

InfinityLab サンプル ID リーダーを使用すれば、バイアル位置の入力は本当に必要ありませんか?

そのとおりです。Agilent 1260/1290 Infinity II/III マルチサンプラに InfinityLab サンプル ID リーダーを取り付けることで、HPLC オートサンプラにセットされた各バーコード付きバイアルの位置が自動的に識別されます。手動での入力が不要になるため、サンプル識別プロセスが効率化され、取り違えのリスクも低減します。詳細については、技術概要(PDF)をご覧ください




透明の 2 mL コード付きオートサンプラバイアルのほか、茶色のバーコード付きバイアルも使用できますか?

はい。側面に固有のバーコードまたは底面に QR コードが印字された茶色の HPLC サンプルもご使用いただけます。透明または茶色のバイアルをオートサンプラトレイの任意のポジションにセットすれば、サンプル ID リーダーによって識別され、確認されます。これは、InfinityLab サンプル ID リーダーが、感光性の HPLC サンプルをテストするワークフローにも対応できるということです。



InfinityLab サンプル ID リーダーで使用できる HPLC バイアルの種類は?

アジレントの新しいコード付きバイアルは、高度なサンプル追跡機能を備えています。ハンドヘルドスキャナで簡単に読み取り可能なバーコードが側面に、またアジレント固有の QR コードが底面に印字されています。この QR コードはバイアルやサンプルごとに固有のため、サンプルを見失うことがありません。