共焦点顕微鏡は、幅広い研究分野で利点をもたらす光学顕微鏡技術です。共焦点顕微鏡には、次のような特長があります。

  • 被写界深度の細かい制御が可能
  • 対象の焦点から外れたピントのずれを抑制
  • 厚いサンプルも透過する性能(3 次元培養、生物の全体、組織切片)

U87 スフェロイドサンプル

定性および定量の両方の利点が、ここに示す U87 スフェロイドサンプルからはっきりとわかります。共焦点画像はより明瞭で、ピントのずれが少なく、スフェロイド全体にわたって優れた細胞の定量を示しています。



スピニングディスク共焦点顕微鏡

共焦点顕微鏡の登場以来、試料の顕微鏡画像上の共焦点を達成するために、さまざまな技術が用いられてきました。 このような技術は通常、光路内のピンホールを利用します。BioTek Cytation C10 では、回転するスピニングディスクと複数のピンホールが利用されています。このスピニングディスクを使った共焦点システムの大きな利点は、1 ポイントのスキャニングシステムに比べ、少ない励起エネルギーでサンプルを照射でき、光毒性や光退色を抑えられることです。生細胞の撮影時には、照射によるサンプルの摂動が光毒性になり得るため、この点が重要になります。

図:2 つのスピニングディスク(60 µm および 40 µm)、共焦点フィルターキューブ、浜松ホトニクス製 CMOS カメラを組み合わせた Cytation C10 共焦点の光路。2 つのスピニングディスクのピンホールのサイズにより、広範囲の倍率で共焦点を得ることができます。




Cytation C10 の例

成体マウスの網膜組織

成体マウスの網膜組織細胞切片の z スタックの 3D レンダリングにより、網膜脈管構造でのアストロサイトの相互作用が示されています。

4 µm 広視野および共焦点

広視野および共焦点でイメージングされた 4 µm ビーズは、焦点ずれの光がピンホールによって抑えられるため、共焦点での優れた軸方向分解能を示します。


ゼブラフィッシュ胚の軸索および体軸筋細胞

動画では、ゼブラフィッシュ胚の神経軸索(赤色)と体軸筋細胞(緑色)が y 軸で回転している様子が、Gen5 3D ビューワで表示されています。 共焦点画像では、すぐれた分解能をはっきりと確認できます。

Z スタックおよび 3D レンダリング

腸オルガノイドモデルの Z スタックおよび 3D レンダリングを、Cytation C10 のスピニングディスク共焦点光学系でイメージングしました。 Caco-2 細胞によって Mimetas OrganoPlate で管の形成を実行しました。