原子吸光で食品サンプルを測定

食品サンプルにおける高濃度 Na,K を簡単に測定

自動希釈機能を搭載した Agilent フレーム原子吸光による前処理工程低減のご提案

食品サンプル中の Na や K をフレーム原子吸光で測定するときに、食品中の Na,K の濃度が高いことが多いので、高い濃度までの範囲で検量線を引くために希釈などの前処理が必要になります。自動希釈機能をもちいることでより簡単に測定できる Agilent フレーム原子吸光をご紹介します。

Na,K はフレーム原子吸光において感度が良い元素であるため、バーナーを光軸に対して平行にして測定する場合、測定できる濃度は数 ppm が限界です。また、バーナーを光軸に対して垂直に測定しても測定できる濃度は数十 ppm が限界となり、それ以上の濃度の検量線(例えば 200 ppmまで)を引くためには、希釈などの前処理が必要となり手間と時間がかかります。

Agilent フレーム原子吸光の SIPS(サンプル導入ポンプシステム)の希釈機能を利用することで、Na,K の高い濃度(例えば200 ppm まで)の検量線を適切な吸光度で測定する事が可能になります。従来の希釈倍率より高い濃度で測定が可能となり、前処理工程の低減を実現します。更に Na,K の測定時に考慮すべきイオン化干渉の抑制剤の自動添加も可能です。

SIPS を用いた測定状況

SIPS を用いた高濃度 Na 検量線

SIPS を用いた高濃度 K 検量線

サンプル導入ポンプシステム(Sample Introduction Pump System)
SIPS 10/20 のご紹介

フレーム原子吸光の生産性を向上させ、
サンプルの希釈調製から開放

SIPS 10( シングルポンプ) と SIPS 20(デュアルポンプ)は、サンプル調製作業を自動化し、時間を短縮します。

SIPS は、原子吸光のソフトウェアと併用することにより、
次の機能を実現します。

  • 1 本の標準液から、オンライン希釈で10 点までの自動検量線作成
  • サンプル調製の時間を短縮し、測定者による希釈ミスを低減
  • サンプルを検量線の範囲内に調製するために必要な希釈を自動で計算して、実施することにより、検量範囲が拡大 2% 未満の誤差で 最大 200 倍まで希釈が可能
  • 干渉抑制剤(モディファイヤ)の自動添加(SIPS 20 のみ)によりサンプル前処理プロセスを簡素化し、一貫性のあるマトリックス補正を実現
  • 3 液の自動混合により標準添加法に対応(SIPS20 のみ)
  • 自動内標準補正(FS モードと SIPS 20 のみ)により測定精度の向上

デュアルポンプの SIPS 20 は 2 つのポンプの速度を制御することにより、希釈を実施し、試料に干渉抑制剤(モディファイヤ)や標準液を添加します。サンプルポンプの速度を下げることによりサンプル導入量を少なくし、サンプルを希釈します。右側のポンプのオンオフを切り替えることにより、サンプルに添加される標準液またはモディファイヤを制御することができます。ファーストシーケンシャル法を採用したアジレントのフレーム原子吸光分光光度計とともに SIPS を使用すれば、効率的な自動フレーム原子吸光システムとなります。