残留性有機汚染物質 : ダイオキシン類およびダイオキシン様化合物

ダイオキシン類およびダイオキシン様化合物の
EU規制に対応した分析

ポリ塩化ジベンゾパラダイオキシン (PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン (PCDF)、ダイオキシン様ポリ塩化ビフェニル (DL-PCB) は、発達障害、免疫システムの損傷、癌に関係する多塩素化芳香族化合物です。これらの化合物は、対策をとらない限り、工業における製錬工程や廃棄物焼却工程から環境中に放出され、食物連鎖を通じてヒトに蓄積されます。また、PCB を含む工業廃油の不適正な処理によっても、ダイオキシンが環境中に放出され、食品や動物の飼料を直接汚染する場合もあります。

各国の規制や国際的な規制に従って、肉、乳製品、魚などの食品試料に含まれるダイオキシン検査を実施することが重要です。この検査では当該化合物を高感度で検出することが求められます。食品サプライチェーンのグローバル化も進んでいるため、万一の事故に備えて、分析ラボの検査能力を強化する必要があります。

アジレントは EU の主要な研究者と共同で、トリプル四重極 GC/MS (GC-MS/MS) システムを用いてこれらの汚染物質について研究を行い、高品質な分析手法の開発と測定データを得ました。その結果から、最近の規制の変更が行われ、現在では GC-MS/MS システムは食品/飼料内の PCDD、PCDF、DL-PCB を確認および定量する手法として認められ、広く利用されています。

  アジレント GC/MS/MS の分析手法の特徴は、高感度 EI イオン源を備えた堅牢なトリプル四重極 GC/MS (GC-MS/MS) システム、PCDD/PCDF/PCB とその 13C 同位体の標識化標準を用いるリテンションタイムロッキング (RTL) と SRM トランジションを収録した革新的なデータベース、EU の食品と飼料の規制に準拠した各サンプルの毒性等量 (TEQ) が計算できる特別なレポート作成にあります。適正なサンプル前処理法との組み合わせにより、複雑なマトリックス中の fg/g レベルという低濃度領域でも高い再現性と正確な定量を実現できます。
 
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ビデオ(日本語字幕):
ダイオキシンおよび PAH 検査

このビデオでは、Peter Fuerst 博士が、トリプル四重極質量分析装置によるダイオキシンおよび PAHs の検査について説明します。

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