Mass Profiler Professional の応用例

Mass Profiler Professional の応用例

 

Mass Profiler Professional
拡大図

GC/MS や LC/MS のデータには多くのピークが含まれており、その中から 「意味のある」 ピークを見つけ出すのは、砂浜に落とした芥子粒を探すようなものです。高度なデータ処理機能と統計及び数学モデルを組み合わせて、複雑なクロマトグラムデータを網羅的に処理するアジレントの Mass Profiler Professional なら、複雑なデータを分類し、視覚化し、更に意味のあるピークを同定することができます。

 

アジレント GC/MS、LC/MS システムに最適化された設計の
多変量解析(ケモメトリックス)ソフトウェア

GC/MS や LC/MS のデータを多変量解析で処理するには、複数のデータファイル間に存在する同一のピークをまとめて、異なるピークを区別することが必要です。そのためには、正確なサンプル量の注入、GC・LC のリテンションタイムの再現性、MSのマススペクトルの再現性といった GC/MS システムの基本性能の信頼性が重要となります。
ワールドクラスの GC/MS システムであるアジレントの GC/MSD システムは、堅牢性や信頼性において高い評価を受けており、数多くの実績があります。 Mass Profiler Professional ソフトウェアは、その信頼性の高いアジレントの GC/MSD システムに最適化されたピークアライメントアルゴリズムを搭載しておりますので、複雑なクロマトグラムデータを、アライメントによって確実にまとめることができます。
また、MSD ケミステーションの検量線を用いた定量結果や、アジレント GC/MS/MS システムの MRM データといった定量分析結果もサポートしていますので、複数のデータファイル間における数多くのターゲット化合物の変動を分かりやすい形で表示することも可能です。

 

幅広いアプリケーションに応用可能

アジレントMass Profiler Professional ソフトウェアは、アジレント MSD ChemStation や MassHunter ソフトウェアとスムーズに連携をします。スキャン測定データの網羅的なデータ解析はもちろん、多くのターゲット化合物を含む定量分析のサンプル間の変動を把握することも容易にできます。GC/MS や LC/MS による良否判定、におい/物性/異物等における重要なピークの発見、製造元/原材料/原産地などタイプ別分類などに威力を発揮します。
アジレント GC/MS と Mass Profiler Professional ソフトウェアを組み合わせることで、サンプル間の違いと、クロマトグラムに含まれるピークの関連を調べることができます。

 

Mass Profiler Professional を適用したアジレント GC/MS、LC/MS アプリケーション

  • 化成品等の材料評価(劣化指標探索等)
  • 食品開発(機能性評価、産地判別 、 異臭等)
  • 環境分析
  • 化成品の不純物解析
  • 法医学
  • 毒物学
  • 石油代替燃料探索
  • メタボロミクスなどのバイオマーカー及び未知物質の探索

 

図1. ガイドワークフローウィザード
拡大図

統計解析が不慣れでも、優れた結果が 得られます。

アジレントMass Profiler Professionalには、「ガイドワークフローウィザード」 が搭載されております。このウィザードは、GC/MS やLC/MS のデータを読み込んでアライメントを行った後に、グループの定義やフィルターによるノイズ除去、統計解析、IDBowser によるライブラリサーチなど、あらかじめ設定された項目をウィザードに従って実行することができます。このウィザードを使用することで、初めてのユーザーであっても基本的な解析を実行することが可能です。
経験豊富なユーザー向けには、高度なワークフロー (アドバンスド・ワークフロー) も用意されています。このワークフローでは、データの読み込み、グループ定義、フィルターによるノイズ除去、統計解析などの機能をワークフローパネルから選んで実行します。 解析ツールは全てウィザードによる対話式となっており、あらかじめ初期値が入力されております。各画面で設定項目を選択、入力して進めることで、解析を行うことができます。

 

多彩な統計解析機能で、データ間の違いを見つけられます。

アジレント Mass Profiler Professional には、サンプル間の統計的有意差を検出し、有意差のあるピークだけを抽出する機能 (t-検定、ANOVA)や、平均値の違いで差のあるピークを抽出する Fold Change、t-検定と Fold Change を合わせた Volcano Plot、クラスタ分析 (階層型、k-means、自己組織マップ)、主成分分析 (PCA) など、GC/MS・LC/MS のデータを処理するために必要な統計解析機能を搭載しています。これらのツールによって、複数のデータファイル間に含まれる複雑なクロマトグラムの情報を視覚化し、分かりやすい形にまとめることができます。
サンプル間で差のある複数のピークを選んで、マススペクトルやサンプルごとの強度変化 (プロファイル) を Entity Inspector で詳細を確認することができます。

 

図2 階層型クラスタツリー
拡大図
図3 Volcano Plot
拡大図
図4 主成分分析スコアプロット
拡大図
図5 主成分分析(ローディング)
拡大図

表1 MPP の主な機能と特徴

機能 詳細 特徴
主成分分析 サンプル (GC/MS や LC/MS などのデータ) 間の違いを少数のスコア (指標) で表示します。各ピークのスコアに及ぼすローディング (重み付け) を解析し、スコア (サンプル) とローディング (各ピーク) の関係を考察します。 サンプル間の違いを数値化し、サンプル間の類似度を理解することができます。ローディング解析では、サンプル間の違いを表すピークを視覚化することができます。
階層型クラスタ サンプル毎の変動パターンが類似するピーク同士が隣り合うように配置して表示します。各ピークの類似度をデンドログラムで表示し、ピーク間やサンプル間の類似度をツリー表示で理解することができます。 ヒートマップによる各ピークの変動が分かりやすい形で表示されるので、特定のサンプルに特徴的に存在するピークを見つけることが容易になります。
t-検定 2つのグループ間の平均とばらつきから、グループ間で統計的有意差があるかどうかを検定し、有意差のあるピークをピークリストに出力します。 2つのグループの間で統計有意差のあるピークが簡単に見つけられます。統計有意差を表す p-value は平均値の差が大きいほど、ばらつき (分散)が小さいほど小さくなります。p-value が小さいほど、そのピークが 2グループ間で有意差があると判断できます。
ANOVA One-way ANOVA では 1つのパラメータで 3つ以上のグループ間で分散分析を行い、グループ間に統計有意差があるかどうかを検定します。グループ間のいずれかの組み合わせで統計有意差が見つかったピークをピークリストに出力します。また、どの組み合わせで有意差があるのかをマトリクスで表示することができます。
Two-way ANOVA では 2つのパラメータで 2つ以上のグループ間で分散分析を行い、グループ間の統計有意差と2つのパラメータ間の交互作用の有無について検定を行い、ピークリストを出力します。
3つ以上のグループ間の比較はt-検定を行うことができないため、One-way ANOVA による分散分析を行います。
また、2つのパラメータ (産地と銘柄など) の比較は、Two-way ANOVA によって、統計有意差とパラメータ間の交互作用を検定できます。
Fold Change 2つのグループ間の平均値の比を比較し、設定した倍率以上の変動があるピークをピークリストに出力します。例えば、Fold Change 2倍の条件で行った場合、一方のグループに対して他方が 2倍以上あるいは 2分の1 となるようなピークを見つけて、ピークリストに出力します。この場合、増減の符号(増加・減少)の情報もピークリストに含まれます。 Fold Change は t-検定と異なり、平均値で2つのグループ間で差があるかどうかを判断し、差のあるピークをピークリストに出力します。t-検定とは異なり、1つしかデータファイルがない 2つのグループ間の比較も行えます。
Volcano Plot t-検定と Fold Change を同時に行い、表示します。 t-検定と Fold Change を同時うことで、ピークのサンプル間の差を分かりやすく表示することができます。

 

データの解釈と活用

クラスタ分析などで得られた、差のある複数のピークは、IDBrowser で GC/MSD の NIST ライブラリや Wiley ライブラリを、LC/TOF データは、Metlin などの代謝物ライブラリを用いて、同定することができます。同定された結果は、各ピークの化合物名とアノテーションに入力されます。
アジレント Mass Profiler Professional には、クラス予測 (判別分析) の機能が搭載されています。クラス予測では、PLS-DA や決定木、Neural Network などのアルゴリズムを用いて、既知のサンプルで分類モデルを作成し、未知サンプルの予測を行う機能です。このツールは産地判別や品質管理、法医学といった分野で広く使用されています。
さらに、オプションのパスウェイ解析によって、公表されている文献を自然言語処理 (NLP) で作成された生物学的データベースで検索することができ、測定したデータセットの生物学的な解釈を行うことができます。アジレント Mass Profiler Professional では複数の BioPax 形式のパスウェイをインポートして、これらのパスウェイを検索することができます。

 

図6 IDBrowser
拡大図
図7 パスウェイ解析(オプション)
拡大図

 

アジレント Mass Profiler Professional は R スクリプトの互換性を持っておりますので、Mass Profiler Professional 内で R スクリプトを実行し、統計解析機能や視覚化機能などのような拡張・カスタマイズをすることが可能です。

● ダウンロード用 MPPリーフレット

 2011/8/8 up
Agilent 多変量解析ソフト (Mass Profiler Professional) を用いた7700 シリーズICP-MS のデータ評価