RP LC/MSメソッドのメソッド開発



逆相LC/MSメソッドを用いたタンパク質およびペプチドの分離
 
タンパク質とペプチドのLC/MSは、タンパク質特性の情報を集めたり、タンパク質の翻訳後修飾を正確に同定したり、合成ペプチドや天然ペプチドの分子量を決定したりする際に用いられる手法です。LC/MSは、プロテオミクスアプリケーションの2D分離におけるタンパク質同定にも用いられます。そのため、タンパク質やペプチドのLC/MSは、分離においては必要不可欠です。また、この手法には、特別なカラムや移動相が必要となります。一般に、LC/MSには小さなサイズのカラムが用いられます。また、TFAを添加するとMSの感度が低下するため、移動相には通常、TFAは使用されません。
タンパク質とポリペプチドのLC/MS分離で最初に選択するカラム
分析LC/MSアプリケーションーサンプルサイズに制約がない場合には、内径2.1 mmカラムで
優れた感度が得られます。Poroshellカラムの場合、カラム内径の小さいものが使用されます。
低 pH中~高 pH
MW < 50 kDa
300SB-C8
2.1 x 150mm、3.5µm
部品番号:863750-906
MW < 1000 kDa
Poroshell 300SB-C18
1.0 x 75 mm、5µm
部品番号:661750-902
MW < 25 kDa
300Extend-C18
2.1 x 150 mm、3.5µm
部品番号:763750-902

高感度アプリケーション/プロテオミクスアプリケーション

タンパク質およびペプチドの高感度アプリケーションには、キャピラリカラムが使用されます。タンパク質とタンパク質消化物の分離には内径0.5 mmのカラムが用いられ、タンパク質消化物には内径0.3 mmが最も一般的に使用されます。これらの化合物は高pHで水酸化アンモニウム移動相を用いて分析されます。一方、ナノカラム(内径0.1および0.075 mm)は、プロテオミクス応用の2-D LC/MSシステムで頻繁に用いられており、最初の選択肢としては一般的にC18結合相が選択されます。


高感度キャピラリカラム
低 pH
中~高 pH
MW < 50 kDa
300SB-C8

0.5 x 150mm、3.5µm
部品番号:5064-8268
MW < 1000 kDa
Poroshell 300SB-C8

0.5 x 75 mm、5µm
部品番号:5065-4468
MW < 25 kDa
300Extend-C18

0.3 x 150 mm、3.5µm
部品番号:5065-4464
プロテオミクス/2-D LC/MS向けナノカラム
SCX(第1次元)
0.3 x 35 mm、5µm
部品番号:5065-9912
逆相(第2次元)
0.075 x 150 mm、3.5µm
部品番号:5065-9911

移動相についての検討事項
低 pH
中~高 pH

タンパク質およびペプチドのLC/MS分離には一般的にTFAを使用しません。通常、最初のステップとしてTFAを0.1-1.0%のギ酸に置き換えます。濃度1%までの酢酸を代わりの移動相添加剤として使用することもあります。低Ph領域ではやはり移動相にTFAを添加した場合に最良の分離を得られることが多く、このようなケースではカラムから流出後にプロピオン酸などの別種の酸を使用してTFAFIXを行うことがあります。

高pH 領域ではLC/MS分析用の移動相添加剤として10-20 mM NH4OHを使用することができます。