ガスクロマトグラフィー (GC) のラボは、フローメータを使用すれば安心して作業できます。フローメータは、定期的なメンテナンスにおける検出器の問題のトラブルシューティングに非常に役立ちます。新しく改良された Agilent ADM フローメータの総合的試験の結果から、このフローメータが旧モデルや競合製品にない革新的機能によって多忙な GC ラボ効率の向上に役立つツールであることがわかります。また、Agilent ADM フローメータは使いやすくコスト効率の高いソリューションです。
この記事では、Agilent ADM フローメータによって GC ラボのトラブルシューティングを簡素化するのに役立つヒントとコツについて、アジレントのエキスパートがご説明します。
ヒント: Agilent ADM フローメータのキャリブレーションカートリッジは取り外し可能なため、メンテナンスが非常に簡単です (図 1)。フローメータ本体をメーカーに返送して再キャリブレーションする必要はありません。カートリッジを年に 1 回、新しい NIST の基準に従ってキャリブレートされた新品カートリッジと交換すれば、Agilent ADM フローメータの再校正は完了です。
現在、フローメータを再キャリブレーションするには、まずメーカーによる見積もりが必要です。このためには、フローメータの使用方法および使用場所など、時間のかかる事務処理が必要です。事務処理の期間、また、フローメータの送付や返送にも時間がかかります。さらに、フローメータの再キャリブレーションには、2 週間以上かかる場合もあります。また、バルブやスピーカの損傷が見つかると、修理のための追加費用がかかる場合があります。
そのため、これよりお勧めの方法があります。新しい Agilent ADM フローメータでは、再キャリブレーションされた新しいカートリッジの部品番号を注文すれば、ラボ内でお客様自身で数秒で交換できます。このため、再キャリブレーション手順が次のように簡素になります。
ADM フローメータには、2 種類の流量測定方法があります。体積流量 (mL/min) とマスフロー (立法センチメートル/分、すなわち sccm) です。マスフロー値は体積測定に基づいて計算して表示します。室温と気圧を考慮して体積流量を修正し、0 °C および 1 気圧を基準として流量を算出します。
体積流量モード: これは、電源を入れたときのデフォルトモードです。このモードでは、体積流量が mL/min 単位で表示されます (図 2)。
マスフローモード: このモードでは、現在の気圧と室温を考慮して体積流量が修正されます。流量は sccm (立法センチメートル/分) 単位で表示されます。
スプリットモード: このモードでは、最初の流量測定を基準値として保存し、その後の流量測定値を現在の測定比率として、基準測定値と比較できます。これは、GC 注入口のトラブルシューティングに大変便利です。
流量測定値の保存: 体積流量モードやマスフローモードでは、後の参照用として、流量値を 4 つまで画面に保存できます。
ヒント: Agilent ADM フローメータを使って、USB ポート経由で通信します。付属の USB ケーブルで USB ポートとコンピュータを接続するだけで、フローメータからデータを簡単に取得してアップロードできます。注意事項: 機器と PC の間の通信には、ADM フローメータの USB ドライバが必要です。
ヒント: Agilent ADM フローメータから読み取った値は、石鹸膜流量計のフローメータによる測定値と異なる場合があります。石鹸膜流量計と ADM フローメータによる測定は、ともに温度の影響を受けやすいものです。ただし、石鹸膜流量計タイプのフローメータでは測定対象のガスに水蒸気が加わるため、流量測定でエラーが発生する原因となります。Agilent ADM フローメータの場合、このような問題はありません (図 3)。
ガスクロマトグラフと同様に、流量を検証し、検出器の問題をトラブルシューティングするための外部基準が常に必要です。Agilent ADM フローメータは、キャリブレーションを簡素化し、これらのニーズに対応できるすべての機能を備えています。