Access Agilent 2016年6月号

堅牢な Agilent 6470 トリプル四重極 LC/MS が信頼性のある定量と合理化されたワークフローを実現

Badr Astiphan、アジレントマーケティングマネージャ、四重極質量分析装置担当

食品検査および環境分析、医薬品開発および臨床研究、いずれの分野に携わっている場合も、時間がかかるサンプル前処理、限られたサンプル量、複雑なマトリックス、効率的なスループットの必要性などの課題と共に、厳しい LC/MS 定量の要件を満たさなければなりません。

Agilent 6470 トリプル四重極 LC/MS システムは、優れた感度、精度、およびスキャンスピードを実現しており、分析のワークフローを合理化できます。サンプルの希釈や、少量のサンプル、でも、なお信頼性の高い正確な結果が得られます。実証済みのシステムの信頼性により、メンテナンス作業を減少でき、ラボの生産性向上に貢献します。

サンプルマトリックス中のターゲット医薬品についての信頼性の高い定量

Agilent 6470 は、さらなる開発に向けた新薬候補物質スクリーニングのための、in vitro および in vivo 分析のホストとしての信頼性の高い性能を提供します。非揮発性サンプルマトリックス成分はイオン源およびイオン光学系に堆積することがあり、時間経過とともに性能が劣化したり、頻繁なクリーニングを必要とするため、代謝物の in vivo 同定および定量は特に困難です。

Agilent 6470 トリプル四重極 LC/MS システムはこれらのメンテナンス要件を低減します。いくつかの重要な革新的な技術が採用されおり、高マトリックスサンプル中のターゲット化合物を、広いダイナミックレンジにわたって優れた感度、精度、および堅牢性で定量することができます。次の特長を備えています。

  • 最適化されたイオン光学系およびプレフィルタ構造: イオン透過率を高め、汚染を最小限に抑えます。
  • カーブとテーパの付いたヘキサポールコリジョンセルが、MS/MS のフラグメンテーション効率とイオン透過率を高めます。
  • 高エネルギー変換ダイノードと低ノイズ特性を備えたイオン検出器が、幅広い m/z 範囲にわたって正負両イオンの検出効率を高めます。

図 1. 10,000 回の注入にわたる (A) アルプラゾラムと (B) クロザピンの一貫性のあるピーク面積比。

図 1. 10,000 回の注入にわたる (A) アルプラゾラムと (B) クロザピンの
一貫性のあるピーク面積比。

例えば、アジレントのアプリケーションノート 5991-5953JAJP では、沈殿処理済みのブタ血漿に添加した医薬品の高速で信頼性のある分析における、Agilent 6470 トリプル四重極 LC/MS と Agilent RapidFire 365 MS システムを組み合わせた利点について解説しています。

図 1 は、アルプラゾラムとクロザピンをそれぞれ 50 ピコグラム注入して得られた各分析対象物のピーク面積比を RapidFire での注入回数の関数として示したものです。10,000 回の注入を通じて安定したピーク面積比を得ることができ、堅牢性の高い分析性能が明らかに示されました。

Agilent 6470 トリプル四重極 LC/MS システムの革新的なイオン光学系の設計によって、サンプル蓄積の有害な作用は最小限に抑えられます。このため、困難な沈殿処理済みの血漿サンプル中のターゲット新薬候補物質の超ハイスループット分析に対応可能な、きわめて堅牢性の高い分析プラットフォームを実現しています。

食品サンプル中の農薬についての信頼性の高い定量

アプリケーションノート 5991-6357EN では食品サンプル中の 250 種類以上にのぼる農薬と農薬代謝物のスクリーニングと定量用の UHPLC/MS/MS をベースとするメソッドでの Agilent 6470 トリプル四重極 LC/MS システムの使用を解説しています。このメソッドでは以下の利点を活用しています。

図 2. 最大残留基準値 (10 µg/kg) で 紅茶に添加されアセトニトリルにより 1:10 で希釈された 250 以上の農薬を重ねて表示した MRM クロマトグラム。最終濃度は 0.2 ng/mL でした。

図 2. 最大残留基準値 (10 µg/kg) で 紅茶に添加されアセトニトリルにより 1:10 で希釈された 250 以上の農薬を重ねて表示した MRM クロマトグラム。
最終濃度は 0.2 ng/mL でした。

図 3. マトリックス効果を最小に抑えるために希釈したサンプル中で検出された農薬の数。機器の感度は希釈にかかわらず信頼できる検出を可能にしました。

図 3. マトリックス効果を最小に抑えるために希釈したサンプル中で
検出された農薬の数。機器の感度は希釈にかかわらず信頼できる検出を可能にしました。

このメソッドを複雑な食品マトリックス中の農薬残留物の分析に適用しました。図 2 は、紅茶に添加した 250 種類以上の農薬のマルチプルリアクションモニタリング (MRM) クロマトグラムを重ねて表示したものを示しています。機器の感度が高いために注入前のサンプル希釈に対応でき、マトリックス効果が原因のイオン抑制を最小に抑え、より正確な定量を可能にしました。

ラボの生産性の向上

サンプル希釈によりメソッドの堅牢性が向上し機器の稼働時間が増大しました。溶媒キャリブレーションを基に、70 ~ 120 % の許容可能な回収率で大多数の農薬を定量することができました。6470 トリプル四重極 LC/MS システムの向上した感度により、欧州委員会が定めた最大残留基準値 (MRL) よりも低い濃度のほとんどのターゲット農薬を定量することができます。

図 3 は紅茶抽出物に 10 µg/kg で添加されアセトニトリルで希釈された農薬の検出率を示しています。1:20 希釈レベルの 174 種類の農薬を 20 % 未満の面積 RSD で検出しました。その他の成分はより低い希釈レベル (より高い濃度) によって検出できました。

Agilent 6470 QQQ によるワークフローの合理化

これまでの例から、Agilent 6470 トリプル四重極 LC/MS システムがアジレントで最も堅牢なトリプル四重極で、医薬品、食品、環境、臨床研究分野の分析のための合理化されたワークフローを可能にすることがわかります。

この手法の詳細については、アプリケーションノート 5991-3344EN をご覧ください。Agilent 6460 または 6470 トリプル四重極 LC/MS システムによる全血液マトリックス中の 4 種類の免疫抑制剤の定量のためのハイスループット、2 分間分析メソッドについて説明しています。シンプルなタンパク処理の後に続く自動オンラインサンプルクリーンアップにより、血液中に存在する生体化合物に対してマトリックス効果およびイオン抑制が最小に抑えられました。

この堅実な LC/MS の詳細について今すぐご確認ください。

本資料掲載の製品は、すべて研究用です。その他の目的にはご利用になれません。