Access Agilent 2016年5月号

Agilent AdvanceBio SEC が機器に依存することなく最適な性能を提供

Linda Lloyd, Agilent Biocolumns Product Manager

治療用タンパク質の特性分析時の凝集体や分解物の存在は、安全性に重大な影響を与えたり、免疫反応を引き起こす可能性があります。このため、ICH (Q6B) などの治療用タンパク質の品質管理規制では、目的とする製品から凝集体を分離し、定量することが義務付けられています。新しい治療用タンパク質の開発時には、製造の全段階で凝集の発生する確率を求めその量を定量する必要があります。

これらの開発段階をサポートするために、各種 LC システムを用い、さまざまなラボで分析する必要があります。このように、メソッドはさまざまな LC 機器およびラボを網羅する、正確で再現可能なデータを提供する必要があります。サイズ排除クロマトグラフィー (SEC) は、溶液中のサイズを基に溶質を分離し、タンパク質の凝集体の定量で選択を行うメソッドです。アジレントの新しいサイズ排除バイオカラムである、AdvanceBio SEC はモノクローナル抗体(mAb) などの治療用タンパク質の高速で正確なサイズに基づく特性解析のために開発されました。

Agilent AdvanceBio SEC で障壁を克服

新しい Agilent AdvanceBio SEC バイオカラムはユニークな 2.7 µm、低吸着、ポリマーコーティングシリカ粒子が充填され、独自の製造メソッドによりポアサイズ、構造、容積を制御しています。この技術を利用すると、非特異的な相互作用が最小になり、またタンパク質のピークが確実にシャープになって分離されます。このビデオや以前の Access Agilent の記事に記載されているように、AdvancedBio SEC バイオカラムは、従来より SEC に付随してきた多数の障壁を克服し、不確実性を取り除き、タンパク質の凝集体と分解物を高速かつ高い信頼性で分離します。

図 1.異なる HPLC 機器を用いたタンパク質分離の例を示す図。青のトレースは BioRad タンパク質標準混合物、赤のトレースは γ-グロブリン。これらは、各種ラボで使用された異なるバッチまたはタンパク質です。

図 1.異なる HPLC 機器を用いたタンパク質分離の例を示す図。
青のトレースは BioRad タンパク質標準混合物、赤のトレースは γ-グロブリン。
これらは、各種ラボで使用された異なるバッチまたはタンパク質です。

アジレントでは AdvanceBio SEC カラムを Agilent 1260 Infinity バイオイナート LC システムで使用することを推奨していますが、使用する機器に関係なく最適な性能を実現できるように開発されています。均一性の高い 2.7 µm 粒子が優れたカラム効率を提供し、従来の 400 bar 機器から 1,200 bar の UHPLC 機器まで、あらゆる HPLC システムにも適合する動作圧で、最大限のタンパク質の回収率を実現します。この拡張された互換性により、任意の LC を使用することができるので UHPLC システムの空きを待つ必要がなく、データを生成することができます。異なるカラムおよび異なるタンパク質のバッチを用いて、さまざまなラボで生成されたクロマトグラムの互換性については、図 1 を参照してください。

効果的なメソッド変換による一貫した結果の実現

機器間およびラボ間で一貫した結果を保証することが、効果的なメソッド変換のためには必要不可欠です。アジレントの技術概要 5991-6302EN では、場所やオペレータにかかわりなく、従来の 400 bar の機器から新しい UHPLC 対応機器までを用いて同程度の SEC 分析結果が得られることが特筆されています。Agilent AdvanceBio SEC バイオカラムには、内径が 4.6 mm と 7.8 mm の 2 種類があります。内径が異なる 2 つのカラムを使用する場合、一定の直線速度とサンプル容量を維持するために流量の調整が必要です。例えば、利用できるサンプルが制限されている場合は 4.6 mm カラムで少ない注入量を使用できることが最適です。しかし、堅牢性が必要とされ凝集の分析に光散乱検出器を使用する場合は、7.8 mm カラムの大きなサンプル量が有利です。

ほとんどの分離は室温で実行されているがゆえに、温度は見過ごされることがよくある要素です。しかし、温度は 1 日 における時刻、季節、冷暖房条件によって変動します。水性分離では温度変動によって、背圧が変動し凝集体のレベルが影響を受ける場合があります。メソッドの効率的な変換を確実なものにするには、サーモスタット制御のオーブンに入ったカラムを用いて分離を実行して、温度制御された環境にサンプルを維持するようにしてください。

機器間での違いを評価

イソクラティック分離メカニズムを使用する場合、機器間でのリテンションタイムの差の有力な説明として次のことが挙げられます。流量が不正確である (ポンプの磨滅のため)、システム間での分散ボリュームの違い、カラム外のデッドボリューム、キャピラリの長さや直径の変化、サンプルループサイズの変動などです。最適化すべき要因を決定するために、Agilent AdvanceBio SEC タンパク質標準などのタンパク質標準混合物を分析して、ピーク形状や計算で求めた効率を期待値と比較することができます。

この作業の詳細については、アジレントの技術概要 5991-6302EN を参照してください。また、アジレントの技術ノート 5991-6474JAJP では、バイオ医薬品分析における Agilent AdvanceBio SEC カラムの利点を説明しています。さらに、カタログ 5991-6212JAJP やアプリケーションノート 5991-6424JAJP ではこの他の有用な情報も紹介しています。

アジレントが提供する幅広い革新的バイオ医薬品ソリューション

Agilent AdvanceBio SEC カラムは、アジレントの革新的なAdvanceBio ファミリの HPLC カラムに加わった最も新しい製品です。これらのカラムはワークフローに容易に統合でき、さまざまなポアサイズと寸法を揃えています。アジレントは、タンパク質、抗体、複合物、新規生体由来物質 (NBE)、およびバイオ医薬品の完璧な特性分析のために、一貫性のある卓越した性能を提供しています。アジレントの生物製剤向けソリューションおよび LC バイオカラムファミリについてご覧いただき、アジレントの担当者に問い合わせてこれらのソリューションがどのようにワークフローを高速化し、新しい生物製剤の市場投入までの時間を短縮するかをご確認ください。