Access Agilent 2016年4月号

Agilent AdvanceBio SEC カラムによる従来の SEC 分析の改善

Linda Lloyd,、アジレントバイオカラムプロダクトマネージャ

治療用タンパク質は医薬品市場で急成長している分野です。治療用タンパク質の凝集/分解の状態は製品の品質を維持する上での重要事項です。ICH (Q6B) などの治療用タンパク質の品質管理規則では、目的とする製品から凝集体を分離し、定量することが義務付けられています。サイズ排除クロマトグラフィー (SEC) は溶液中の目的西部の分子サイズに基づいて溶質を分離する、タンパク質凝集体の定量に適した分析手法です。

Agilent AdvanceBio SEC カラムが実現する、より適切な分離能および短い分析時間

従来の SEC 分析では、治療用タンパク質の開発や特性解析を遅らせる可能性のある障壁が多数ありました。これらの障壁としては分離速度や長い分析時間が挙げられます。300 mm カラムと流量 0.8 mL/min を使用する標準的な高分離能条件では分析時間が 20 分以上になることがあります。分析時間が延びると 1 時間あたりの最大スループットは 3 つのサンプルに制限されます。生物製剤開発中、例えば、クローン選択中、または発酵条件の最適化中などに、凝集体形成をモニタリングする要求には非常に多くのサンプルが使用され、SEC 分析が必要になります。分析時間が長くなると大量のサンプルを分析する能力は大幅に制限され、サンプルの未処理やデータ提出のボトルネックにつながります。

さらに、タンパク質はストレス条件下では分解および凝集しやすくなります。そのため、移動相がサンプルの成分に影響を与えないことがきわめて重要です。このため、水性移動相、中性の pH、低レベルの塩分が適しています。水性移動相を使用した ADC の SEC 分析に用いられているメソッドの多くは、ピーク形状が悪く不完全な分離を示しています。この問題は多くの場合、プロパノールなどの有機溶媒によって解決できます。しかし、添加した有機溶媒の分離能が弱いために不確実性を導き、サンプル分析の繰り返しやメソッドの再バリデーションが必要となります。

アジレントの新しい AdvanceBio SEC バイオカラムは、これらの障壁を乗り越えるために一から開発されました。カラムには独自の 2.7 µm シリカ粒子と、サンプルの詰まりや劣化のリスクなしに効率を最大限に引き出すように設計された結合相が含まれています。独自の製造方式により、ポアサイズ、構造、量を制御します。親水性ポリマーコーティングを粒子に適用してシャープに分離されたタンパク質のピークを確実なものにします。

図 1.高スループットかつ高分離能の条件下での IgG の比較クロマトグラム。

図 1.高スループットかつ高分離能の条件下での IgG の比較クロマトグラム。

図 2.Agilent AdvanceBio SEC カラムの技術比較

図 2.Agilent AdvanceBio SEC カラムの技術比較

図 3.高い分離能条件下での免疫グロブリンのサイズ排除。

図 3.高い分離能条件下での免疫グロブリンのサイズ排除。

新たな技術でサンプルスループットと生産性が 400 % 向上

Agilent AdvanceBio SEC カラムの革新的な技術が遅い分離を排除し重要な納期の遵守を可能にします。新しいシリカ粒子が、短いカラムでの分析を実現する分解能を提供します。AdvanceBio SEC カラムは、短い 150 mm カラムでの免疫グロブリン G (IgG) 分離で、300 mm カラムの場合と同等の分離能を達成しました (図 1)。しかし、分析時間はこの短いカラムを用いると長いカラムの場合の半分です。さらに、Agilent AdvanceBio SEC カラムの優れた粒子の安定性により、性能を確保しつつ、高い流量で分析を実行できます。

図 2 に、Agilent AdvanceBio SEC 300Å 150 mm カラムでの IgG の分析中に流量を 1.5 mL/min まで上昇させた場合の効果を示しています。流量の上昇によりモノマーのピーク面積および凝集体の含有量の値は変化しませんでした。しかし、サンプル分析時間は 1.5 mL/min の高い流量で 4.8 分に短縮されました。この例は、より短い 150 mm カラムとより高い流量 1.5 mL/min によってサンプルスループットが大幅に向上したことを示しています。高い流量によって 1 時間に 12 サンプル分析という最適処理能力を達成し、また、サンプルスループットと生産性が 400 % 向上します。

サンプルの完全性、再現性の高い結果、再分析の排除

すでに述べてきたことから、この技術が提供する生産性の向上が示されています。Agilent AdvanceBio SEC カラムでは、移動相に有機溶媒を添加する必要がなく、幅広いサンプルの種類に対して優れた分離能とサイズ分離を提供します。実際、AdvanceBio SEC によりタンパク質の天然構造を促進する条件に対応できました。さらに、この条件によってサンプルの完全性の不確実性が低減し、再現性の高い結果を導き、サンプル再分析の必要性がなくなりました。

Agilent AdvanceBio SEC カラムは SEC に関連した障壁を取り除く革新的な技術を提供し、不確実性に終止符を打ち、タンパク質の凝集体および分解物を高速かつ高い信頼性で分離します (図 3)。

この作業の詳細については、アジレントのアプリケーションノート 5991-6458JAJP を参照してください。

アジレントの提供する幅広い液体クロマトグラフィーソリューション

Agilent Advance Bio SEC カラムを用いることによりカラム間、バッチ間、ラボ間で再現性の高い結果を得られます。アジレントは AdvanceBio SEC に加え、生体分子分析の性能、信頼性、堅牢性の新たな基準を打ち立てる Agilent 1260 Infinity Bio-inert クォータナリ LC をはじめ、生物化学分析用の幅広い液体クロマトグラフィーソリューションカラム消耗品 を提供しています。最近のモノクローナル抗体の特性解析について学習できる有益なビデオをご覧ください。

本資料掲載の製品は、すべて研究用です。その他の目的にはご利用になれません。
本資料に記載の情報は、予告なしに変更されることがあります。