Access Agilent 2016年3月号

Agilent 1290 Infinity II RID が
ポリマーの高速高分離能の特性解析を実現

Graham Cleaver、アジレント ELSD/GPC/RID ビジネス開発マネージャ

スループット (生産性) の向上とコスト削減に対する要求を背景に、ゲル浸透クロマトグラフィー (GPC) を行うラボでは、分析スピードと分離能を高め、経費を削減しようとしています。

こういった要望に応えるため、アジレントは、Agilent 1290 Infinity II プラットフォームに新しいミクロフローセル示差屈折率検出器 (RID) を追加しました。2016 年 1 月 1 日に発売された RID と Agilent Infinity II システムは、ポリマーを 5 分以内で高分解能分離するよう最適化されています。分析時間が 70 % 短縮されるだけでなく、溶媒消費量がこれまでの半分で済むため、サンプルの分析コストを大幅に削減できます。

優れた性能を備えた Agilent 1290 Infinity II シリーズと、直線範囲の広いミックスポアカラムを組み合わせることにより、正確な分子量と分布プロファイルを一般分析モードとミクロモード両方で実現することができます。それでは、これらの機能を裏付ける結果について検証しましょう。

ミクロ検出による分離能の向上

図 1. 高速高分離能分析時間

図 1. 高速高分離能分析時間

Agilent 1290 Infinity II 示差屈折率検出器を搭載した Agilent 1290 Infinity II システムは、優れたベースライン安定性を備えています。これは、正確な分子量や、高い再現性で得るうえで不可欠な要素です。また、ほぼすべての GPC がイソクラティック分離メカニズムにもとづいているのに対し、Agilent 1290 プラットフォームは、HPLC アプリケーション、ミクロ GPC、一般分析 GPC のすべてを実行できる優れた汎用性を備えています。

低デッドボリュームシステムと 2.5 µL のミクロフローセルを組み合わせることで、一般分析 GPC より優れた性能を実現します。

図 1 は、分子量の比較的小さい 2 種類のポリスチレン標準物質のクロマトグラムです。従来の GPC や、オリゴマーを分離できることがわかっています。ペンタマーまでのオリゴマーは、分子量分布プロファイルから同定することが可能です。

図 2. Agilent 1290 Infinity II ミクロ GPC ソリューションなら、5 分未満で分離できます。

図 2. Agilent 1290 Infinity II ミクロ GPC ソリューションなら、5 分未満で分離できます。

ミクロ化がサンプルスループットを向上

分析時間の短縮により、さまざまな利益がもたらされます。例えば、より多くのサンプルをクロマトグラフィー分析して処理できるようになります (図 2)。また、正確性や再現性を犠牲にすることなく、溶媒コストを大幅に削減できます。

一般分析モードでは、300 x 7.5 mm カラムでは分離に最大 30 分かかりますが、ミクロGPC なら 5 分未満で分析が完了します。

図 3. ミックスポア技術により、ピーク位置のずれ、ピークのフロンティングおよびテーリングが軽減されます。

図 3. ミックスポア技術により、ピーク位置のずれ、ピークのフロンティング
およびテーリングが軽減されます。

正確な分子量分布の測定を高い再現性で実現するミックスポア粒子技術

GPC でポアサイズが一定のカラムを使用すると、問題が生じることがよくあります。これは、ゴーストピークに起因するもので、キャリブレーションカーブとの「ずれ」により平均分子量の計算時に精度が失われるためです。Agilent PlusPore カラムなら、ミックスポア粒子技術によって、ピークのフロンティング、テーリング、およびピーク位置のずれに関連する問題を解消し、この問題を解決することができます (図 3 を参照)。

「ミクロモード」で得られる結果と一般分析モードでの結果が一致することを実証するために、3 種類のカラムセットを用いて分子量分布の狭いポリスチレンを分析しました。

この調査に用いた PLgel カラム 4 本は、一般分析モードの標準的な 300 x 7.5 mm のミックスカラムであるため、リテンションタイムが長くなっています。ミクロモードに近づくにつれ、リテンションタイム (Tr) は短くなりますが、ピーク非対称性 (a) とピーク分離能 (Rs) は、許容できる実験誤差内に収まっています (表 1)。

カラム Tr (ピーク 2) Rs N/m (ピーク 2) a 面積 (%) 高さ (%)
PLgel 4 本 28.46 1.22 5653 1.05 8 7
PL Rapide L 3 本 7.41 1.13 23727 1.06 7 7
ResiPore 2 本 6.66 1.10 14510 1.05 8 8

表 1. 一般分析モードとミクロモードでのクロマトグラフィー分析結果

表 2 は、ベースライン分離される 2 種類のポリマー標準物質が含まれるサンプルの分析により得られた分子量です。この調査で用いたすべてのカラムセットには、キャリブレーションカーブの直線性に優れた PS/DVB 樹脂が使用されているため、従来の一般分析スケールでの結果と、ミックスポアカラムを用いてミクロスケールの示差屈折率検出器で測定した結果は、非常によく一致しています。このことから、一般分析スケールのメソッドをそのままミクロスケールに移管できることがわかります。しかも、移管によって分析を高速化でき、分子量測定の正確性を損なうこともありません。

  Mp Mn Mw PD Mp Mn Mw PD
  ピーク 1 ピーク 2
平均 110262 107964 111181 1.03 56041 51015 53208 1.05
%RSD 3 1 1 0 5 8 5 4

表 2. キャリブレーションカーブの直線性に優れた PS/DVB 樹脂のカラムセットを用いた、2 種類のポリマー標準物質が含まれるサンプルの分析により得られた分子量

表 3. ゲル浸透クロマトグラフィーのミクロ分析モードによる溶媒消費量の低減

表 3. ゲル浸透クロマトグラフィーのミクロ分析モードによる溶媒消費量の低減

ミクロ分析がコストの大幅削減に貢献

一般分析モードからミクロ分析モードへの移行は、溶媒消費量の大幅な削減につながります。これにより、環境面での利点がもたらされるだけでなく、大幅なコスト削減を図ることもできます。表 3 は、分析時間が 70 % 短縮されることが、55% もの溶媒消費量の削減につながることを示しています。また、内径のより小さいナローボアカラムを使用することで、さらに溶媒を節約できます。

ミクロ GPC が分析の高速化と再現性および真度の向上を実現

Agilent 1290 Infinity II 示差屈折率検出器は、低セルボリューム、超低分散のチューブ、マルチポアカラム技術といった特長を備え、コントロールのためのソフトウェアも付属しています。アプリケーション、サービス、およびサポートがシステムの稼働時間を最大限に高める一方、ミクロ構成が正確で再現性の高い結果を実現します。また、分析時間が短縮されるため、サンプルスループットが高まります。しかも、結果の再現性や真度が低下することはありません。Agilent 1290 Infinity II システムでは、サンプルの分散がきわめて低いレベルに抑えられるため、分離能を維持し、分析時間を短縮し、コストを大幅に削減できます。そのうえ、ミクロスケール、一般分析スケール、およびイソクラティック HPLC のすべてに 1 つのシステムで対応することができます。

アジレントの幅広い LC、HPLC、および GPC ソリューション

アジレントは、ゲル浸透クロマトグラフィー液体クロマトグラフィー、および高速液体クロマトグラフィーのための高品質ソリューションを幅広く取り揃えています。どんなポリマー分析でも、アジレントなら、アプリケーションや予算にぴったりの市場トップクラスの機器、カラム、標準物質、およびデータ解析ソフトウェアが見つかります。詳細については、アジレントの担当者にお問い合わせください。お客様のラボの向上に役立つソリューションがきっと見つかります。