Access Agilent 2016年2月号

新製品 Agilent 1290 Infinity II バイアルサンプラによるキャリーオーバーの低減と分析時間の高速化

Martin Greiner、アジレントシニアプロダクトマネージャ、分析 HPLC & CE

分析ラボでは、短時間でより高速に高品質の分析結果を得られることが強く求められています。さらに高濃度の化合物のキャリーオーバーや、サンプル中に実際には含まれていない不純物が検出されてしまうことは避けなければなりません。多くのラボがバイアルを使用しておりウェルプレートやその他のサンプル容器を必要としないため、アジレントはハイエンドの 1290 Infinity II LC システムのラインアップとして、バイアルのみ対応の LC オートサンプラを開発しました。

この新しいサンプル注入デバイス、Agilent 1290 Infinity II バイアルサンプラは次の設計目標を満たしています。

  • あらゆるタイプのルーチン作業に対応した、堅牢で信頼性の高いバイアルからの注入
  • 旧来の HPLC から時間が最適化されたハイエンドの UHPLC モードまでをサポート
  • UHPLC 性能にアップグレードするラボにとって経済的にバランスのとれたシステムの提供

アジレントは注入が数万回にわたる場合でも信頼性の高い性能を確保するために、Agilent HPLC システムで何年間も使用されてきた既存の LC サンプラから、実績あるメカニカルバイアルグリッパー技術を利用しました。Agilent 1290 Infinity II バイアルサンプラは、さらなる改善と新しいエレクトロニクスを用いて、これまでのシステムよりも堅牢性を高め、大幅な高速化を実現しています。少量注入の場合、注入サイクルの時間はわずか 18 秒です。

短時間で結果提供

結果を出すまでの時間を短縮するには、高速な注入サイクルに加えて、分析時間をきわめて短くすることが重要です。Agilent Infinity II システムポートフォリオに加わる新製品として、1290 Infinity II バイアルサンプラは最高 130 MPa の圧力を保持でき、2 µm 以下のカラムを使用する高速メソッドに対応します。多くの文献に、高圧力で分析する UHPLC メソッドで分離能を維持し、分析時間を短縮できることが示されています。

図 1. 5 µL 注入量による 10 回連続分析の重ね書きおよびリテンションタイム (RT) と面積の相対標準偏差 (RSD)

図 1. 5 µL 注入量による 10 回連続分析の重ね書きおよびリテンションタイム (RT) と面積の相対標準偏差 (RSD)

図 2. 高濃度 (2500 ng) カフェイン注入後の UV クロマトグラムではキャリーオーバーは検出されていません。

図 2. 高濃度 (2500 ng) カフェイン注入後の UV クロマトグラムではキャリーオーバーは検出されていません。

結果を短時間で得るもう 1 つの方法として、メンテナンスや、アプリケーションニーズに合わせてハードウェアを交換しなければならない時間を極力減らすことが挙げられます。新しいオートサンプラは、ハードウェアの再構成にかかる時間を削減するために、さまざまな注入量を提供しています。デフォルトで 0.1 µL から 20 µL までの注入を優れた精度で提供します。図 1 に例を示します。注入量は 0.1 ~ 1500 µL まで調整できるため、あるメソッドと次のメソッドで注入量を自由に選択できます。この柔軟性によりユーザーがハードウェアに変更を加える必要がなく、ほとんどの分析作業が可能になります。

キャリーオーバーの最小化

サンプル注入に関してよく知られている問題は、濃縮されたサンプルおよび粘着性のあるマトリックス化合物のいずれも溶解できず十分に洗浄されない場合に、後続の分析でキャリーオーバーが生じることです。これらの偽陽性結果は分析の品質に大きな影響を与えます。Agilent 1290 Infinity II バイアルサンプラではキャリーオーバーを最小に抑えるために、フラッシュポートを備え、注入ニードルの外側を集中的に洗浄できるようにしています。注入ニードルの内側は常に LC 溶媒によって洗浄されるため、溶出グラジエントによって残されたサンプルが除去されます。フロースルー機構とプログラム可能な外側のニードル洗浄の組み合わせにより、効率的な洗浄ときわめて低いキャリーオーバー値を導くことができます。

クロルヘキシジンとカフェインを用いた代表的なキャリーオーバーのテスト (図 2) では UV 検出でキャリーオーバーは検出されていません。きわめて高感度な MS 検出には、このような低レベルのキャリーオーバー (40 ppm 未満) である必要があります。

Agilent 1290 Infinity II システムを経済的に導入できるエントリーオートサンプラ

Agilent 1290 Infinity II システムを導入するにあたり、バイアルサンプラは、ラボのさまざまなニーズに適合し、高度に統合された機器設計で予算的にもリーズナブルな優れたオートサンプラです。オートサンプラはオプションでサンプルクーラーをモジュールに内蔵できます。サンプルの安定性の向上や、高い再現性での長時間連続分析を行うためにクーラーでサンプル温度を 4 °C まで制御します。

サンプラモジュールに直接取り付け可能なオプションとして、温度制御可能な統合方カラムコンパートメント (ICC) があります。カラムコンパートメントには最大 2 本のカラムを内蔵可能です。ICC は最大 80 °C まで温度を制御し、最適化された分離能で再現性の高いクロマトグラフィーを実現します。

Agilent 1290 Infinity II バイアルサンプラの統合型コンセプトには 主な理由が 2 つあります。

  • 完全な HPLC システムを、ポンプ、デガッサ、バイアルサンプラ、サンプルクーラー、カラムオーブン、検出器を、わすか 3 つモジュールでコンパクトにまとめることができます。
  • 従来のマルチモジュールセットアップよりも低価格のシステムです。

注入サイクルを短縮し、キャリーオーバーを低減し、最高 130 MPa の圧力範囲で高い信頼性を有する購入しやすい価格のバイアルベースの LC オートサンプラが必要な場合、Agilent 1290 Infinity II バイアルサンプラをご確認ください。詳細については、次のページを参照してください。

Reference

  1. “Performance Characteristics of the Agilent 1290 Infinity II Vialsampler,” 5991-6147EN.
  2. “Analysis of Food Preservatives Using the Agilent 1290 Infinity II LC,” 5991-5620EN.