Access Agilent 2016年1月号

ノーベル賞受賞の中国の研究機関で、
アジレント機器が天然物研究に活躍しています

Ying-Zhao Chow、アジレントシニアマネージャ、中国ライフサイエンスセールス部門
Steve Fischer、アジレントマーケティングディレクタ、 アカデミア・ガバメント担当部門 - ライフサイエンス研究

2015 年 10 月、中国中医科学院 Tu Youyou 主任研究員が中国人として初めて科学分野のノーベル賞を受賞しました。Youyou 氏は、アルテミシニンという、現在では広く使われている抗マラリア薬治療で用いられる化合物を発見して、世界中で多くの命を救っています。中国中医科学院では、液体クロマトグラフLC/MS システムガスクロマトグラフ、および GC/MS システムなど、さまざまなアジレント機器が研究で使用されています。

図 1. アジレントは優れたサポートを中国中医科学院に提供し、研究をサポートしています。

図 1. アジレントは優れたサポートを中国中医科学院に提供し、研究をサポートしています。
写真の人物は、アジレント大学助成プログラム担当の Jack Wenstrad および Jiwen Cai、アジレント中国ライフサイエンスセールス部門の Ying Chow、Ting Yang、
および Fang Chen です。

図 2. Agilent Poroshell 2.7 µm カラムを使用すると、標準的な USP カラムよりも高速分析が実現できます。

図 2. Agilent Poroshell 2.7 µm カラムを使用すると、標準的な USP カラムよりも高速分析が実現できます。

Youyou 氏は、5,000 年に及ぶ漢方薬の調査と現代医学に関する研究を行いました。アルテミシニンを開発する際に、1,600 年前に書かれた漢方薬に関する書物を調査して、マラリアを治療できる可能性のある薬品を発見しました。そして、新しい抗マラリア薬の分離、精製、同定、および新薬の試験のために数多くの困難を乗り越えました。

1970 年代に遡るこの画期的な発見の際には、アジレント製品はまだ使用されていませんでしたが、現在では中国中医科学院によいサポートを提供しています (図 1)。中国中医科学院では、今でも継続して漢方薬から有効成分を見つけ、新薬を作り出す研究を行っています。アジレント機器の利用により、新しい化合物の発見を大幅に短い期間で実現できるようになります。

天然物研究を推進

世界中の多くの研究者が、天然物研究を推進するためにアジレントの LC とカラムを使用しています。アプリケーションノート 5991-3856EN では、 イチョウ抽出物におけるテルペンラクトンの高速分析について紹介しています。テルペンラクトンは、血小板活性化因子を抑制することが示されています。このアプリケーションノートでは、Agilent Poroshell 120 SB-C18 カラムと Agilent 1290 Infinity LC を使用しています。2.7 µm カラムによって、分解能を損なうことなく、溶媒消費量が 8 分の 1 に削減でき、分析に要する時間も 4 分の 1 にできます ( 2)。

図 3. スタキドリン標準と植物抽出物を Agilent ZORBAX RRHD HILIC Plus LC カラム (2.1 × 100 mm、1.8 µm) で分離し、蒸発光散乱検出により検出しました。

図 3. スタキドリン標準と植物抽出物を Agilent ZORBAX RRHD HILIC Plus LC カラム (2.1 × 100 mm、1.8 µm) で分離し、
蒸発光散乱検出により検出しました。

図 4. 漢方薬製剤で使用される 4 種の植物の 2D-LC 分析において 4 個のすべてのサンプルで良好な分離が得られました。

図 4. 漢方薬製剤で使用される 4 種の植物の 2D-LC 分析において 4 個のすべてのサンプルで良好な分離が得られました。

もう 1 つの例として、アプリケーションノート 5991-1047EN では、親水性相互作用液体クロマトグラフィー (HILIC) を使用した、漢方薬の極性化合物スタキドリンの分析について紹介しています (図 3)。Agilent ZORBAX ラピッドレゾリューション High Definition (RRHD) HILIC Plus LC カラムAgilent 1290 蒸発光散乱検出器および Agilent 6410 トリプル四重極 LC/MS を使用して、2 つのイソクラティックメソッドを開発しました。どちらのメソッドもスタキドリンの定量分析に適用できますが、LC/MS/MS メソッドなら、複雑なマトリックスのサンプル中でも低濃度のスタキドリンを検出できます。

複雑な薬用植物抽出物の分離

この例は、単一の植物またはいくつかの植物を調合したものを薬用目的として使用する漢方薬製剤に関係するアプリケーションです。このような薬剤の有効性は、植物に含まれる複数の成分の相乗効果です。このような非常に複雑なサンプルでは、二次元液体クロマトグラフィー (2D-LC) による分析が適用できます。

アプリケーションノート 5991-5028EN では、桑枝 (mori ramulus) からの煎剤を分析するための 2D-LC メソッドの開発について紹介しています。このメソッドでは、一次元および二次元用の逆相カラムと溶離液を適切に組み合わせて、非常に幅広いサンプル成分の分析に対応できます。このメソッドで、4 種の異なる漢方薬製剤用植物からの煎剤を分析しました ( 4)。面倒なメソッドの最適化を新たに行わなくても、これらの非常に複雑なサンプルで優れた分離性能が得られます。

アジレントの網羅型ポートフォリオが研究に貢献

この記事ではアジレント機器とカラムを利用した天然物研究3例を紹介しました。ライフサイエンス機器の分野で世界をリードするアジレントは、天然物と漢方薬の研究開発分野でテクノロジー、ソリューション、サポートを提供します。

抗マラリア治療薬アルテミシニンの発見に対する 2015 年のノーベル生理学・医学賞の詳細については、アジレントのブログをご覧ください。