Access Agilent 2015年7月号

高 pH でのアミノ酸分析に最適な新製品 Agilent Poroshell HPH

William Long
Agilent LC アプリケーション

HPLC カラムと機器に対しては絶えず改良が加えられており、それに応じてHPLC メソッドについても改善されてきています。例えば、HP 1090 シリーズ時代に HPLC システムでオルトフタルアルデヒド/9-フルオレニルメチルクロロギ酸エステル (OPA/FMOC) により誘導体化したアミノ酸を対象として開発されたメソッドは、Agilent 1100 シリーズ用にアップデートされました。現在は、Agilent 1260 Infinity バイナリ LC および最近リリースされた表面多孔質 Agilent Poroshell HPH-C18 カラムを利用するようにメソッドが進化し、高 pH 分析向けに最適化されました。

3.5 µm と 1.8 µm の Agilent ZORBAX Eclipse Plus C18 カラムで開発された自動化プレカラムアミノ酸メソッドは、2.7 µm の Poroshell HPH-C18 で実施するようになりました。このカラムは寿命が長く、異なるカラム寸法への変換が容易です。

詰まりに対する pH 耐性が向上

Agilent Poroshell カラムファミリーは、表面多孔質粒子 (SPP) 技術をベースとしており、硬質コアと表面多孔質外殻で構成されています。粒子サイズが 2.7 µm と 4 µm のカラムを利用可能です。ここで使用している 2.7 µm の場合、粒子は 1.7 µm の硬質コアと 0.5 µm の多孔質外殻で構成されています。これらは背圧が 40 ~ 50 % 低く、効率は 2 µm 以下の全多孔質粒子の 80 ~ 90 % です。また、カラムには 2 µm のフリットが組み込まれているため、詰まりに対しては、3.5 µm および 5 µm のカラムと同程度の耐性があります。最近まで、すべてのシリカベースの SPP 材料は、高 pH のバッファにおいては寿命が限られていました。寿命を延ばすためには、表面の修飾または特殊な結合によってベースの粒子を保護する必要があります。Agilent Poroshell HPH-C18 粒子の表面は、化学修飾されて有機層を形成しています。この層は、高 pH 条件でのシリカ溶解に対する耐性があります。

Agilent Poroshell HPH-C18 および ZORBAX Eclipse Plus C18 でアミノ酸と内部標準の分離を使用して、メソッド変換が容易であることを示す

図 1. Agilent Poroshell HPH-C18 および ZORBAX Eclipse Plus C18 でアミノ酸と内部標準の分離を使用して、メソッド変換が容易であることを示す(図を拡大)

Agilent Poroshell HPH-C18 および ZORBAX Eclipse Plus C18 でアミノ酸と内部標準の分離を使用して、メソッド変換が容易であることを示す

図 1. Agilent Poroshell HPH-C18 および ZORBAX Eclipse Plus C18 でアミノ酸と内部標準の分離を使用して、メソッド変換が容易であることを示す

Agilent Poroshell HPH-C18 および ZORBAX Eclipse Plus C18 カラムを使用したリテンションタイムの相関性

図 2. Agilent Poroshell HPH-C18 および ZORBAX Eclipse Plus C18 カラムを使用したリテンションタイムの相関性(図を拡大)

Agilent Poroshell HPH-C18 および ZORBAX Eclipse Plus C18 カラムを使用したリテンションタイムの相関性

図 2. Agilent Poroshell HPH-C18 および ZORBAX Eclipse Plus C18 カラムを使用した
リテンションタイムの相関性

Agilent Poroshell HPH-C18 の 2.1 x 100 mm のカラムを使用してアミノ酸メソッドを実行したカラム寿命の検査

図 3. Agilent Poroshell HPH-C18 の 2.1 x 100 mm のカラムを使用してアミノ酸メソッドを実行したカラム寿命の検査
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Agilent Poroshell HPH-C18 の 2.1 x 100 mm のカラムを使用してアミノ酸メソッドを実行したカラム寿命の検査

図 3. Agilent Poroshell HPH-C18 の 2.1 x 100 mm のカラムを使用してアミノ酸メソッドを実行したカラム寿命の検査

類似したアミノ酸分離

図 1 では、同じクロマトグラフィー条件を使用するとアミノ酸の分離は非常に類似していることが分かります。両方のカラムでの混合物の溶出順序は同じであり、2 種類のカラムの間のサンプルのリテンションタイムの関係は、非常に相関度が高く (0.997) なっていました (図 2)。リテンションタイムは、Agilent Poroshell HPH-C18 カラムの方が多少短くなっていました。

ここに示す例では、Agilent Poroshell HPH-C18 の方がロイシンおよびリジンの分離は良好であるようですが、リジンとヒドロキシプロピルおよびサルコシン/プロリンのペアの間の分離は劣っているように見えます。ただし、望ましいピークペアの分離能へと向上させるために、異なるカラム寸法に容易にスケーリングできるメソッドによって、分離を最適化することができます。

流量は、カラム径によって幾何学的に変わります。流量は、4.6 x 100 mm のカラムでは 1.5 mL/min、3 mm のカラムでは 0.62 mL/min、2.1 mm のカラムでは 0.21 mL/min となります。いずれのケースでも、余分なカラム容量を最小限にするため、低容量熱交換器が短い赤色キャピラリと共に使用されました。Agilent 1260 Infinity バイナリ LC システムに低拡散熱交換器およびキャピラリを組み合わせて使用したところ、カラム圧力はおよそ 175 bar でした。

長いカラム寿命

カラム寿命は、アミノ酸サンプルを分析する研究者にとって、考慮すべき重要な事項です。ほとんどのシリカカラムは、これらの条件に長く曝された後には効率が低下します。

シリカ HPLC カラムで高 pH での安定性を達成するには、2 つの方法があります。1 つは、Agilent ZORBAX Extend-C18 カラムのように、特殊な結合相を採用する方法です。この技術では、シリカが溶解しないように保護するために二座型結合相を使用します。もう 1 つは、Agilent Poroshell HPH 粒子に対して行っていたように、シリカ自体を修飾し、溶解しにくくする方法です。

この研究では、単一の 2.1 x 100 mm のカラムを寿命試験に使用し、4 週間の期間にわたって 500 回の分析を実行しました。週ごとにおよそ 100 回の注入が、開封した直後のアミノ酸標準混合液および試薬を使用して行われました。シーケンスの最後に、カラムを 100 % B の移動相によって 40 分間洗浄し、機器をシャットダウンしました。メソッドは 3.5 日間実行され、その後カラムは 3.5 日間分析を行わずに保管されました。このアプローチでは、サンプルを長時間分析してからカラムを洗浄して保管するという標準的なラボの慣行をシミュレートしました。元のアミノ定量メソッドでは、カラムを 100 % の移動相 B に保管することが推奨されていました。頻繁にアミノ酸を分析し、成果を上げている多くのラボでは、これが一般的な方法となっています。現実的な寿命の研究によって、カラムの寿命が非常に長く、1 か月以上使用できたことが分かりました (図 3)。

既存のメソッドを容易に移管

Agilent Poroshell HPH-C18 には、全多孔質 ZORBAX Eclipse Plus C18 に類似した選択性があります。そのため、アミノ酸メソッドなどの既存のメソッドを容易に移管できます。この例では、クロマトグラフィー条件には変更を加えませんでしたが、グラジエントに変更を加えて、選択されたアミノ酸に対する分離能を向上させることは可能です。

アジレントの幅広い LC、HPLC、および UHPLC 製品およびソリューション

アジレントでは、非常に多数の製品を含む 高速 LC カラム製品群と、すべての粒子サイズにまたがる幅広い相ファミリーを提供することで、HPLC および UHPLC において優れた柔軟性と拡張性を実現します。ソリューションのファミリー全体をご確認いただき、Agilent LC Columns Navigator (英語です)を使用して、分離の実行に適したカラムを見つけてください。