Access Agilent 2015年6月号

エキスパートに聞く: 逆相 LC を使用したバイオシミラーの分析方法

Koen Sandra 氏
Research Institute for Chromatography、Kortrijk、Belgium

Maureen Joseph
Agilent Biopharma Applications

バイオシミラーに関する記事で、アフィニティクロマトグラフィーを使用したバイオシミラーの特性解析の最初の手順に関するいくつかの質問にお答えしました。この優れた技術は、遺伝子組み換えタンパク質の精製と有望なクローンの選択の初期段階で最も一般的に使用されます。今月は、逆相 LC でのインタクト構造の検証、ペプチドマップの精製、MS と組み合わせた場合の結果の信頼性向上について説明します。

Q. 逆相 LC とは何ですか。

A: 逆相 LC とは、mAbs(モノクローナル抗体) とバイオシミラーを分析するための高性能ツールです。逆相 LC は、UV 検出器で、QC モニタリングや製品リリーステストに使用します。また MS では、抗体消化物のインタクト抗体やペプチドフラグメントなど、あらゆるものの分析に使用します。

mAbs とバイオシミラーの分析に使用する 4 つの逆相 LC 分析の例

図 1. mAbs とバイオシミラーの分析に使用する 4 つの逆相 LC 分析の例(図を拡大)

mAbs とバイオシミラーの分析に使用する 4 つの逆相 LC 分析の例

図 1. mAbs とバイオシミラーの分析に使用する 4 つの逆相 LC 分析の例

Agilent ZORBAX RRHD 300SB-C8 (2.1 x 100 mm、1.8 µm カラム) 上のインタクトのハーセプチン先発薬とバイオシミラーの逆相 LC グラジエント分離

図 2. Agilent ZORBAX RRHD 300SB-C8 (2.1 x 100 mm、1.8 µm カラム) 上のインタクトのハーセプチン先発薬とバイオシミラーの逆相 LC グラジエント分離(図を拡大)

Agilent ZORBAX RRHD 300SB-C8 (2.1 x 100 mm、1.8 µm カラム) 上のインタクトのハーセプチン先発薬とバイオシミラーの逆相 LC グラジエント分離

図 2. Agilent ZORBAX RRHD 300SB-C8 (2.1 x 100 mm、1.8 µm カラム) 上のインタクトのハーセプチン先発薬とバイオシミラーの逆相 LC グラジエント分離

Agilent AdvanceBio ペプチドマッピングカラム (2.1 x 100 mm、2.7 µm カラム) でのハーセプチンおよびバイオシミラーのトリプシンペプチドの逆相 LC 分離

図 3.Agilent AdvanceBio ペプチドマッピングカラム (2.1 x 100 mm、2.7 µm カラム) でのハーセプチンおよびバイオシミラーのトリプシンペプチドの逆相 LC 分離
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Agilent AdvanceBio ペプチドマッピングカラム (2.1 x 100 mm、2.7 µm カラム) でのハーセプチンおよびバイオシミラーのトリプシンペプチドの逆相 LC 分離

図 3. Agilent AdvanceBio ペプチドマッピングカラム (2.1 x 100 mm、2.7 µm カラム) でのハーセプチンおよびバイオシミラーのトリプシンペプチドの逆相 LC 分離

Q. 逆相 LC を使用してバイオシミラーを分析する理由を教えてください。

A: 粒子サイズと表面多孔質粒子が小さい逆相カラムは分離能が優れており、mAbs とバイオシミラーの分析時間を短縮できます。図 1 は、インタクト抗体の重鎖 (Hc)/軽鎖 (Lc)、フラグメント抗原結合性 (Fab/Fc)、およびハーセプチンのトリプシンペプチドの 逆相分離の 4 つの例を示しています。LC と LC/MS は、サブ 2 µm の全多孔質粒子を充填した UHPLC カラム、または 2.7 µm の表面多孔質粒子を充填した HPLC カラムと一緒に使用していました。これらすべての分離の目的は、同一性と純度を特定し、先発薬とバイオシミラー医薬品をできるだけ短期間で分析、比較できるようにすることでした。インタクトの mAb、Fab/Fc、Lc/Hc はすべて、まったく同じ分離メソッドを使用して分離できます。

Q. インタクト mAbs の検査に逆相 LC を使用してよいですか。

A: 一般的な 逆相グラジエントを使用してインタクト mAb を分離する場合、有機溶媒の小さな変化が分離に大きく影響します。狭い全有機範囲に対して、緩やかなグラジエント (低い % B 変化/分) が必要です。図 2 は、ハーセプチン先発薬とバイオシミラーの分離の例を示しています。バイオシミラーは、先月の 記事(英語)のとおり、Agilent バイオモノリスプロテイン A カラムで精製しました。UV サンプルクロマトグラムでは、いくつかのピークが同定可能です。これは、Agilent ZORBAX RRHD 300SB-C8 (Agilent 1290 Infinity LC に取り付けられた 1.8 µm カラム) の高分離能のためです。

Q. 逆相 LC によって、わずかな修飾がわかりますか。

A: はい、わかります。mAbs (Fab/Fc、Lc/Hc、ペプチドなど) のフラグメントを分離する場合、より詳しい情報を利用できます。図 3 は、Agilent 1290 Infinity LC に取り付けられた Agilent AdvanceBio ペプチドマッピングカラムでの、ハーセプチンとバイオシミラーのトリプシンペプチドの RPLC-UV 分離を示しています。 ペプチドマッピングによって、1 次構造と翻訳後修飾に関する非常に多くの詳細情報が提供されるため、詳しい特性解析と、先発薬とバイオシミラーの比較が可能になります。図 3 のペプチドマップは同等ですが、グリコシル化には違いがあるのがわかります。各種のグリコシル化変異体は、UV 検出器によってクロマトグラフ的に適切に分離し、確認しました。バイオシミラーのガラクトシル化の不足が明らかになっています。ペプチドマッピングデータから同定したその他のいくつかの不純物には、リジンの切断、メチオニンの酸化、アスパラギンの脱アミド化が含まれていました。これらの修飾はすべてわずかでしたが、mAb の薬効や安全性にとって重大な影響を与える可能性がありました。

このようなハーセプチンとバイオシミラーの逆相 LC の例は、mAbs の分析と比較のための主要な分離となります。「Access Agilent」の次の号では、電荷変異体と凝集分析について説明します。また、分析の高速化に役立つ高性能ソフトウェアツールの記事でシリーズを総括します。すべての記事の詳細については、「Prepping Biosimilars」を参照してください。 

アジレントのバイオ医薬品向け LC のソリューション

高分離能の最適化したグラジエント LC メソッド (サブ 2 µm および表面多孔カラムを使用) と UV および精密質量 Q-TOF を組み合わせると、バイオシミラーに必要な知見を得ることができます。このような高度なメソッドを使用して、分子量と同一性を正しく特定し、純度を確認し、不純物の分離が難しいことを確認することができます。詳細については、アジレントのバイオ医薬品ソリューションを参照して、生物薬理学研究の進歩に役立ててください。

アジレントは、幅広い 液体クロマトグラフィーの製品とソリューションを提供しています。世界中の何万ものラボが、アジレントの LC システムを使用して、必要とする高品質な結果を毎日繰り返し提供しています。100 万台を超える LC モジュールが世界中で採用されており、比類のない性能、生産性、信頼性を提供しています。アジレントまたはアジレント販売店に問い合わせて、お客様の用途に最適な LC ソリューションを見つけてください。