Access Agilent 2015年3月号

DNA Integrity Number (DIN) による ゲノムDNA分解度の客観的評価

Dr. Eva Schmidt
Agilent Product Manager, DNA Integrity Number (DIN)

DNA マイクロアレイや定量 PCR、次世代シーケンサなどの技術が幅広い分野で活用されるにつれて、測定対象のゲノム DNA やRNA などの核酸サンプルも、セルライン等から抽出された高品質のものから、臨床検体から抽出されたものまで多岐にわたるようになりました。研究に用いる核酸サンプルは、分解をうけていない高品質のものを使用することが理想ですが、臨床検体から抽出された核酸サンプルについては、分解や化学的変化が避けられないものもあります。

RNA については、Agilent 2100 バイオアナライザの RNA Integrity Number (RIN) もしくは Agilent 2200 TapeStationのRINe (RNA Integrity Number equivalent) が、分解度の指標として広く活用されており、多数の論文に引用されています。しかし、ゲノム DNA についてはそのサイズの大きさのため、従来のアガロースゲル電気泳動が主に使用されており、分解度は画像からの主観的な評価にとどまっていました。

Agilent 2200 TapeStation system

図 1. Agilent 2200 TapeStation system

測定準備の概要

図 2.測定準備の概要(図を拡大)

測定準備の概要

図 2.測定準備の概要

このたび、2200 TapeStation のデータ解析ソフトウェアに、ゲノム DNAの 分解度を客観的に 1-10 のスコアで表示する DNA Integrity Number (DIN) の算出機能が搭載されましたので、その概要をご紹介します。

Agilent 2200 TapeStation の Genomic DNA ScreenTape アッセイでは、鎖長が 200~60,000 bp の ゲノム DNA を含む試料を解析することが可能です。低分子の DNA や RNA用の他のアッセイと同様に、測定準備はきわめて簡便です。PCR チューブまた は 96-well plate に検量線用 Ladder とゲノム DNA 1μL を分注し、専用 buffer をゲノム DNA に混合し、装置にセットします。さらに専用の ScreenTape とピペットチップを装置にセットし泳動をスタートするだけです。16 サンプルを 25分以内で解析し、ゲルイメージ、エレクトロフェログラム、定量値と DIN を自動計算して表示します。通常のアガロースゲル電気泳動における、ゲルの作製、泳動、撮影、泳動後の処理といった手間のかかる作業から開放されるだけではなく、必要サンプル量が1μLなので貴重なサンプルの測定にも利用できます。かつ、ゲノム DNA の分解度評価に客観的指標を与えるシステムです。

分解度の違いによるDINスコア

図 3. 分解度の違いによるDINスコア
(図を拡大)

分解度の違いによるDINスコア

図 3.分解度の違いによるDINスコア

アレイ CGH や次世代シーケンサでは、用いる DNA の分解度を事前に チェックしておくことは、プロトコルの選択や結果の解釈の上で重要なポイントとなります。また分解度だけでなく定量も同時に行えるため、他の手法による定量値の確認が可能となり、実験の信頼性をより高めることができます。

Agilent 2200 TapeStation による DNA Integrity Number (DIN) の算出および再現性などの基礎データについては、下記の参照資料をご覧ください。

DNA Integrity Number (DIN) with the Agilent 2200 TapeStation System and the Agilent Genomic DNA ScreenTape Assay Technical Overview

またこの DIN の機能を FFPE サンプルの品質評価に活用した例については、こちらから参照資料のダウンロードができます。また Dr. Eva Schmidt による Webinar の録音の視聴が可能です。ぜひご活用ください。