Access Agilent 2014年10月号

エネルギーおよび化学分野アプリケーションにおけるシステムダウンタイムの軽減

Yun Zou and Hua Wu
Agilent GC アプリケーション

石油化学研究者は、他の業種と同様、システムのダウンタイムを削減しようと日常的に取り組んでいます。ラボにおいて、時間は非常に貴重なものです。システムでのワークフローが中断すると、全体的な生産性が低下してしまいます。このようなシステムで、本来はしなくてもよい作業に時間を費やすなど誰も望みはしません。この記事では、Agilent J&W GC カラムを使用したガスクロマトグラフィー (GC) ソリューションについて取り上げます。このソリューションで使用されるカラムは、優れた不活性度と低ブリード性能を備えています。また、粒子の流出もなく、ダウンタイムを軽減する設計となっています。

ガスに含まれる硫黄のブリードを低減するGCカラムの使用

Agilent J&W DB-Sulfur SCD カラムは、化学発光硫黄検出器 (SCD) に合わせて最適化されており、低ブリードで検出器のセラミックチューブの汚染が少ないカラムです。気体硫黄化合物の分析は、これらの化合物が極性を持ち、反応性が高く、幅広い濃度で存在することから非常に困難です。SCD は、硫黄化合物に対して直線的な等モルレスポンスを示し、炭化水素の干渉も受けにくいことから、こうした化合物の分析に適した検出器といえます。しかし SCD では、SCD セラミックの汚染や感度の低下を避けるために、低ブリード GC カラムが必要です。また、揮発性硫黄化合物は反応性が高いことに加えて、吸収性、吸着性、金属触媒特性も有しています。硫黄化合物の分析で信頼性の高い結果を得るには、不活性なサンプル流路が必要となります。

DB-Sulfur SCD GC カラムは、低ブリードと優れた不活性度を備えています。この例では、デュアルプラズマバーナーを搭載した Agilent 355 化学発光硫黄検出器を含めて構成された Agilent 7890B GC 上で硫黄ガス標準の分析を行いました。

COS および SO2 の分離能を上げるため、1 m の不活性化フューズドシリカチューブをリストリクタとして使用し、70 m × 0.53 mm、4.3 μm DB-Sulfur SCD GC カラムに接続しました。さまざまなアプリケーションに適用可能な異なる硫黄気体標準をテストし、35 °C で分析を開始しました。30 °C または周囲温度未満での一般的な初期温度と比較したところ、GC システムはより安定し、クライオ冷却は不要でした。

Agilent GC/SCD システムと Agilent J&W DB-Sulfur SCD カラムを用いて分析した硫黄気体混合物のクロマトグラム

図 1. Agilent GC/SCD システムと Agilent J&W DB-Sulfur SCD カラムを用いて分析した硫黄気体混合物のクロマトグラム
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Agilent GC/SCD システムと Agilent J&W DB-Sulfur SCD カラムを用いて分析した硫黄気体混合物のクロマトグラム

図 1. Agilent GC/SCD システムと Agilent J&W DB-Sulfur SCD カラムを用いて分析した硫黄気体混合物のクロマトグラム

一般的に、硫化水素と二酸化硫黄は、通常の 60 m x 0.53 mm、4-µm 無極性カラムでは共溶出しますが、1 m 不活性化フューズドシリカチューブを使用した 70 m DB-Sulfur SCD カラムでは部分的に分離できます。これは、22 種類の硫黄化合物の混合ガスの分析により確認されています (図 1)。ほとんどのピークは優れたピーク形状を持ち、このカラムにより良好に分離されました。硫化水素と二酸化硫黄の分離能は約 0.8 でした。1-メチル-1-プロパンチオール、チオフェン、および 2-メチル-1-プロパンチオールは、通常は分離が困難です。これは、一般に使用される無極性 (ジメチルポリシロキサン) 固定相カラムでは共溶出することが多いためです。図 1 は、DB-Sulfur SCD カラムの使用によりこれらの 3 種類の化合物の分離が向上したことを明確に示しています。

石油ガスおよび天然ガス分析用のパーティクルトラップを備えたカラムの使用

Agilent J&W PLOT PT カラムには、カラムからの粒子の流出を防ぐ一体型パーティクルトラップが組み込まれています。操作の利便性が向上している上、永久ガスおよび軽質炭化水素の分析で明らかになっているように、リークのリスクもありません。H2、O2、Ar、N2、CH4、CO、CO2 などの永久ガスは、製油所ガスおよび天然ガスにおける一般的なターゲット化合物でもあります。

Agilent J&W PLOT PT カラムを使用して分離した標準ガス混合物の注入回数ごとのクロマトグラム (キャリアガス: ヘリウム、オーブン: 40 °C で 7.8 分間、40 °C/min で 40 ~ 120 °C、120 °Cで 5 分間)

図 2. Agilent J&W PLOT PT カラムを使用して分離した標準ガス混合物の注入回数ごとのクロマトグラム (キャリアガス: ヘリウム、オーブン: 40 °C で 7.8 分間、40 °C/min で 40 ~ 120 °C、120 °Cで 5 分間) (図を拡大)
 

Agilent J&W PLOT PT カラムを使用して分離した標準ガス混合物の注入回数ごとのクロマトグラム (キャリアガス: ヘリウム、オーブン: 40 °C で 7.8 分間、40 °C/min で 40 ~ 120 °C、120 °Cで 5 分間)

図 2. Agilent J&W PLOT PT カラムを使用して分離した標準ガス混合物の注入回数ごとのクロマトグラム
(キャリアガス: ヘリウム、オーブン: 40 °C で 7.8 分間、40 °C/min で 40 ~ 120 °C、120 °Cで 5 分間)

PLOT PT カラムにより、リテンションタイムの優れた再現性が得られています (図 2)。標準ガス混合物の 250 回の繰り返し分析で得られた相対標準偏差は 0.06 % 未満でした。これは、PLOT PT カラムの使用によって優れた再現性 (日内) と長期精度 (日間) が達成されたことを示します。標準混合ガスの 250 回の注入では、粒子の流出に関連する信号スパイクはありませんでした。これは、一体型デュアルエンドパーティクルトラップ技術を使用した J&W PLOT PT カラムが粒子の流出を防止し、カラムスイッチングバルブを保護し、マルチカラムバルブ分析の安定性と信頼性を高めていることを示します。

一貫した信頼性の高い分析を実現するパーティクルトラップ技術について、ぜひご確認ください。この例の詳細については、アジレントのアプリケーションノート 5991-4873JAJP でご覧いただけます。

作業の負担を軽減する最先端テクノロジー

Agilent J&W PLOT PT GC カラムの両端に組み込まれたパーティクルトラップ技術により、ダウンタイムが減少します。また、PLOT PT では、詳細な定性および定量分析にガスクロマトグラフィー/質量分析を利用することができます。
ASTM D5623 や D5504 など、化学発光硫黄検出のメソッドに ポリジメチルシロキサン固定相を使用した Agilent J&W DB-Sulfur SCD カラムは、優れたピーク形状を実現し、検出器の安定性を向上させてメンテナンスやそれに伴うダウンタイムを低減しています。

ここで紹介したのは、アジレントの革新的なエネルギーおよび化学ソリューションのうちのほんの 2 つにすぎません。さまざまなニーズに対応するメソッドやアプリケーションを、ぜひご確認ください。