Access Agilent 2014年1月号

石油化学業界のニーズに応えるラージバルブオーブンGCシステム

Eric Phillips
アジレント GC マーケティングマネージャ

Jason Ashe
アジレント GC 製品マネージャ

化石燃料製造の需要は、年々増え続けています。そうしたエネルギー需要の拡大により、地中からより多くの原材料を抽出できる新たな掘削技術の開発を促進してきています。これにより、世界中の多くの地域で、抽出や精製を経済的に実行できるようになっています。精製プロセスでは、一連の標準化手法により、品質と製品の均一性を継続的に試験する必要があります。そうしたメソッドには、分析時にガスサンプリングバルブを用いる方法が求められます。また、ASTM や欧州標準 (EN) の石油化学要件を遵守する必要もあります。

製造に対する需要の拡大に伴い、より生産性の高い分析のニーズも高まっています。アクセス性、キャパシティ、温度均一性などは、石油化学関連分析で用いられる外付けバルブオーブンの重要な仕様です。そうした仕様のニーズがいっそう高くなっています。GC分による測定でプラントや精製プロセスをサポートする場合には、アクチュエーター及びバルブの定期メンテナンスを迅速かつ簡単に実施できることは重要です。石油業界では、単一の GC プラットフォームで複数の分析手法を統合する傾向が見られるため、多くのバルブやカラムに対応できることも大切です。オーブンキャパシティの拡大に伴い、均一な等温環境を維持し、コールドスポットを排除できる温度均一性を備えた設計が重要となっています。コールドスポットが生じると、サンプルや汚染物質が捕捉されたり、クロマトグラフィ性能が低下したりするおそれがあります。

必要なキャパシティ、柔軟性、温度均一性を実現

Agilent 7890B GC 用の Agilent ラージバルブオーブン (LVO) は、汎用的な高キャパシティ外付けオーブンで、石油化学業界のニーズに対応できるように設計されています。Agilent LVO は、複雑なマルチバルブ GC アプリケーションに対応できる構成になっています。内部にあるすべてのバルブとコンポーネントに、3 方向 (上、正面、背面) からアクセスすることができます。また、LVO 内に囲いこまれたバルブアクチュエーターにより、温度均一性も確保されています。このバルブアクチュエーターでは、アクチュエーターを取り外さなくても、簡単にバルブを調節することができます。そのため、定期メンテナンスを簡単かつ迅速におこなうことが可能です。これにより、すぐにオンラインに復帰し、操作を再開することができます。

多数のシステムがある大規模なラボ施設で石油化学分析をおこなう場合、従来は、柔軟性はあまり必要とされていませんでした。1 つのシステムを特定のアプリケーション用に構成し専用化し、緊急時のバックアップ用として、別のシステムを使用していたためです。しかし、小規模な施設では、柔軟性が重要となります。ラージバルブオーブン (LVO) / 7890B GC 構成では、オートサンプラタワーも設置できるため、システムを標準的な GC システムとして使用することもできます。また、注入口や検出器を追加することも可能で、さらなる柔軟性も得られます。さらに柔軟性を高めるために、LVO / 7890B GC 構成では、複数の加熱ゾーンの設定が可能になっています。そのため、バルブオーブンを等温にして、GC オーブンを昇温設定にすることも可能です。

あらかじめ設定されたアナライザ – クロマトグラフィ性能を保証

Agilent LVO は、複数の構成を用意しています。アナライザについては、特定のメソッドを実施できるようにあらかじめ設定されています。特定のメソッドに応じて、システムが構築、構成、および試験されています。次の 3 種類のアナライザを提供しています: 分析時間の短縮と生産性の向上が可能な、マイクロパックドカラムを備えた高速リファイナリーガス分析 (RGA)、一般的なメソッド要件を満たす、1/8インチ カラムを備えた標準 RGA、単一の分析で、ASTM D5580、D4815 (図 1A および 1B)、D3606 (図 2A および 2B) に対応する、3-in-1 ASTM メソッド。各アナライザでは、クロマトグラフィ性能が保証されています。

LVO におけるメソッド D4815 および D5580 のサンプル注入バルブ設定。

図 1A.LVO におけるメソッド D4815 および D5580 のサンプル注入バルブ設定。(図を拡大)

LVO におけるメソッド D4815 および D5580 のサンプル注入バルブ設定。

図 1A.LVO におけるメソッド D4815 および D5580 のサンプル注入バルブ設定。

LVO におけるメソッド D4815 および D5580 のサンプル分析バルブ設定。

図 1B.LVO におけるメソッド D4815 および D5580 のサンプル分析バルブ設定。(図を拡大)

LVO におけるメソッド D4815 および D5580 のサンプル分析バルブ設定。

図 1B.LVO におけるメソッド D4815 および D5580 のサンプル分析バルブ設定。

LVO におけるメソッド D3606 のサンプル注入バルブ設定。

図 2A. LVO におけるメソッド D3606 のサンプル注入バルブ設定。(図を拡大)

LVO におけるメソッド D3606 のサンプル注入バルブ設定。

図 2A. LVO におけるメソッド D3606 のサンプル注入バルブ設定。

 LVO におけるメソッド D3606 のサンプル分析バルブ設定。

図 2B. LVO におけるメソッド D3606 のサンプル分析バルブ設定。(図を拡大)

LVO におけるメソッド D3606 のサンプル分析バルブ設定。

図 2B. LVO におけるメソッド D3606 のサンプル分析バルブ設定。

コストを節約できる設計

ラボで古い機器のアップグレードを検討する際には、多くの経済上および技術上の理由が存在します。たとえば、より厳しい規則に対応できる性能、ヘリウムの供給/価格上の問題に対応するより効率的なガス活用、コスト削減と戦略的機能などが考えられます。Agilent LVO / 7890B GC システムの最先端機能なら、旧世代のシステムでは対応できなかったそうしたニーズを満たすことができます。たとえば、新しい 7890B LVO システムでは、高価なヘリウムよりも安価な水素をキャリアガスとして使用できます。また、燃焼限界よりもはるかに低い濃度で水素を検知し、必要に応じて GC ユニットを安全にシャットダウンする一体型 H2-センサーの設置も可能です。Agilent 7890B GC の スリープ/ウェイクモードを使えば、動作状態とスタンバイ状態を管理し、資源の消費量やコストを最小限に抑え、サンプルスループットを最適化することができます。

現在の要望に応え、将来のニーズを満たす機能

化石燃料や石油化学製品の需要は、今後も引き続き拡大していくものと予想されます。そのため、Agilent LVO/ 7890B GC システムは、柔軟性、キャパシティ、アクセス性を重視した設計になっています。サイズやバルブ構成の選択肢により、各種のメソッドを柔軟に組み合わせられるため、生産上重要となる分析を迅速に実行することができます。多くのバルブおよびバルブポジションを利用できるので、特定の分析のニーズに応じたシステム構成が可能です。また、LVO システムはアクセス性に優れた設計になっているため、短いダウンタイムで迅速にメンテナンスをおこなうことができます。さらに、クロマトグラフィ性能の保証されたアナライザにより、あらかじめ構成されたシステムを迅速に導入することができます。これにより、製造プロセスで重要な結果を確実に提供し、最高の生産性を実現します。

Agilent ラージバルブオーブン (LVO) / 7890B GC システムなら、現在の需要と将来のニーズを確実に満たすことができます。詳細をご確認いただき、いますぐその威力を体験してみてください。