Access Agilent 2013年8月号

ライフサイエンスラボの効率とスループットを大きく向上させる 新しい自動リキッドハンドリングシステム

Matt Kirtley
アジレントシニア製品マネージャ、自動化ソリューション

マルチオミクス研究、全ゲノムシーケンシング、ハイスループット薬物スクリーニングが急速に普及していることで、自動リキッドハンドリングシステムの需要が高まっています。優れた正確性、精度、スループット、そして長い無人稼働時間がおもなシステム要件です。Agilent Encore Multispan リキッドハンドリングシステムは、そうした条件をすべて満たすシステムで、ライフサイエンス分野の幅広いアプリケーションに対応する独自の自動化機能を備えています。


 

必要な効率とスループットを得るためには、ラボのワークフロー全体に対応できる自動システムが求められます。リキッドハンドリングシステムでは通常、おもに以下の 4 つの主要コンポーネントがワークフロー機能を左右します。

  • プレート、チューブ、リザーバなどの多様なラボウェアに
    対応できるデッキ
  • すべてのラボウェアに迅速にアクセスでき、
    高い正確性と精度で少量のサンプルを扱えるディスペンシングヘッド
  • デッキ上でラボウェアを動かすのに用いられ、尚且つワークフロー全体に対応するために必要な
    デッキ外モジュールコンポーネントをシステムに統合できるロボットアーム
  • 柔軟性が高く、使いやすく、ワークフロー全体をモニタリングできるソフトウェア

最高のスループットとデータ品質を得られるように開発された新しい Agilent Encore Multispan リキッドハンドリングシステムは、上記の要件をすべて満たしています。

より完全な自動化による生産性の向上

Agilent Encore Multispan リキッドハンドリングシステムのデッキは、アクセサリやラボウェア用の広いデッキスペースを備えているため、並行処理の対応力が高まります。このデッキは、ラボのニーズの変化に応じて、複数の構成にすることができます。

8 つの独立したピペッタヘッドにより、最高の効率、スピード、柔軟性が得られます。

図 1. 8 つの独立したピペッタヘッドにより、最高の効率、スピード、柔軟性が得られます。(図を拡大)

8 つの独立したピペッタヘッドにより、最高の効率、スピード、柔軟性が得られます。

図 1.8 つの独立したピペッタヘッドにより、最高の効率、スピード、柔軟性が得られます。

3D プランニングシミュレータを使えば、コンポーネントやタスクをシステムにドラッグ&ドロップし、シミュレーションしたワークフローを実行して、実験中に生じそうな問題のトラブルシューティングをおこなうことができます。

図 2. 3D プランニングシミュレータを使えば、コンポーネントやタスクをシステムにドラッグ&ドロップし、シミュレーションしたワークフローを実行して、実験中に生じそうな問題のトラブルシューティングをおこなうことができます。(図を拡大)

3D プランニングシミュレータを使えば、コンポーネントやタスクをシステムにドラッグ&ドロップし、シミュレーションしたワークフローを実行して、実験中に生じそうな問題のトラブルシューティングをおこなうことができます。
 

図 2. 3D プランニングシミュレータを使えば、コンポーネントやタスクをシステムにドラッグ&ドロップし、シミュレーションしたワークフローを実行して、
実験中に生じそうな問題のトラブルシューティングをおこなうことができます。

ディスペンシングヘッドの構成と機能は、正確性、精度、スループットを左右する重要な要素です。Agilent Encore Multispan リキッドハンドリングシステムは、X 軸および Y 軸で動く複数の独立したピペッタと可変ピペッタスペーシングにより、そうした要件を満たします (図 1)。ディスペンシングヘッドは、ディスペンシングヘッドを交換しなくても幅広い体積に対応でき、吐出精度は 10 % 以上です。正確な液体量および凝塊検知も、このディスペンシングヘッドの重要な特長です。

Agilent Encore Multispan リキッドハンドリングシステムのロボットアームは、デッキの外まで十分に届くため、ワークフローに必要なモジュールをシステムに統合し、ワークフロー全体に対応することが可能です。洗練された関節式アームにより、デッキ上やデッキ外のプレートの管理が容易になります。簡単な「ワンタッチ」手順でアームを設定できるので、デッキ外のプレートポジションや装置との統合も簡単です。

Agilent Encore Multispan リキッドハンドリングシステムのインテリジェントなソフトウェアでは、自動化の利点を最大限に活用できます。たとえば、3D プランニングシミュレータでプロトコルを視覚化して、ハードウェアを扱う前に、オフラインでアプリケーションの設定、最適化、トラブルシューティングをおこなうことが可能です (図 2)。この機能により、自動リキッドハンドリングシステムの設定に伴う時間と労力、エラーの大半を回避できます。

ラボのプロセス全体を迅速かつ簡単に自動化

自動リキッドハンドリングシステムの性能の指標となるのは、ワークフロー全体を自動化する能力です。そうした自動化には、加熱/冷却装置、オービタルシェーカー、真空ろ過装置、バーコードリーダーステーションなど、デッキ上の幅広いアクセサリに対応する機能が求められます。また、プレートリーダーやシーラー、遠心分離ステーションなど、デッキ外にあるさまざまな一般的なラボ用機器と容易に連結できる機能も必要です。

Agilent Encore Multispan リキッドハンドリングシステムは、ゲノミクス、プロテオミクス、細胞生物学、薬物および抗体スクリーニング、ADME/TOX といった分野の幅広いワークフローを自動化および向上します。たとえば、革新的な Agilent HaloPlex ターゲットエンリッチメント技術を使えば、PCR の調製や精製、次世代シーケンシング (NGS) サンプルの前処理を迅速かつ効率的に実施することができます。細胞維持、ハイブリドーマ評価、ELISA アッセイ、並行人工膜透過性アッセイ (PAMPA)、アッセイ前処理におけるサンプルの標準化、LC/MS サンプル前処理といったその他のワークフローでも、最適に設計された自動リキッドハンドリングシステムが実現する高品質データの利点を得られます。

ラボに到着するアッセイ用のサンプルには、さまざまな濃度の開始物質が含まれています。そうした濃度を標準化してアッセイを開始できるようにするためには、多くの手作業による前処理が求められることがあります。Agilent Encore Multispan リキッドハンドリングシステムでは、デッキ、ロボットアーム、オフデッキプレートリーダーを用いて、サンプルの初期濃度の評価、適切な希釈、最終濃度の確認をおこなうことができます。3D プランニングシミュレータを使えば、ほとんど労力を使わずに、このワークフローを迅速に設定することが可能です。

その他の例としては、Agilent Encore Multispan リキッドハンドリングシステムを完全にカスタマイズされたサンプル分析用ワークフローソリューションの主要なコンポーネントとして使用し、血液から採取したバイオマーカーの無人分離およびスクリーニングをおこなうこともできます。一体型ロボットアームで未処理サンプルをデッキに移し、分解、ろ過、固相抽出による精製をおこなうことが可能です。その後、前処理済みのサンプルがデッキ外の LC/MS オートサンプラに直接移され、分析が開始されます。これにより、手作業が大幅に軽減され、スループットが向上します。

複雑なマルチステップワークフローの自動化についての詳細は、ビデオツアーAgilent Encore Multispan リキッドハンドリングシステムをご確認ください。