Access Agilent 2013年8月号

LC で分離したすべての化合物を検出 - Agilent 1290 Infinity 蒸発光散乱検出器

Graham Cleaver
アジレントビジネス開発マネージャ

Agilent 1290 Infinity 蒸発光散乱検出器 (ELSD) とAgilent 1260 Infinity 蒸発光散乱検出器は、UV 吸収をまったく持たない化合物に対して最適な検出器としてご好評をいただいています。示差屈折率検出器 (RID) の 100 倍の感度があり、移動相の溶媒グラジエントにも対応した ELSD は、多くの医薬品や食品の分析で幅広く使用されています。Agilent 1290 Infinity ELSD の持つ独特な特長は以下の通りです。

  • 青色レーザー光源の採用により感度が向上し、検出下限は従来モデルに比べて 20 倍にもなっています。
  • 独自のガスフロー技術と組み合わせた低温蒸発機能により、低分子化合物や半揮発性化合物を破壊せずに検出します。
  • Agilent ELSD Dimension ソフトウェアのガスフロープログラミングにより、急激な溶媒グラジエントでも均一な化合物レスポンスが得られます。
  • 超臨界流体クロマトグラフィ (SFC) にも対応します。加熱ネブライザに手を加える必要はありません。
  • スプリットやネブライザを変更することなく、0.1~5 mL/min の分析が可能になります。
  • 分析前の面倒なサンプルの前処理を行わずに、ジメチルスルホキシド (DMSO)に保管されている化合物でも、
    正確に化合物ライブラリでスクリーニングできます。

テクニカルノートおよびアプリケーションノートの詳細情報

新しい ELSD を開発・製造してから、アジレントは多くのテクニカルノートとアプリケーションノートをリリースしています。これらをご覧になれば、アジレントの蒸発光散乱検出器を有効に活用できることがわかります。

あるテクニカルノートでは、わずかに最適化を行うだけで Agilent 385 ELSD のメソッドを Agilent 1290 Infinity ELSD のメソッドに簡単に変換し、20 倍の感度をただちに得られることが示されています(図 1 表 1 を参照)。ラクトースが含まれない乳製品中の残留ラクトースの測定は食品分析では重要なアプリケーションであるため、ラクトース測定を例として用いています。

最適化されたガスフロー条件での Agilent 1290 Infinity ELSD へのラクトースの注入。結果として、Agilent 385 ELSD に比べて感度は 20 倍向上しています。

図 1.最適化されたガスフロー条件での Agilent 1290 Infinity ELSD への
ラクトースの注入。結果として、Agilent 385 ELSD に比べて感度は 20 倍向上しています。(図を拡大)

最適化されたガスフロー条件での Agilent 1290 Infinity ELSD へのラクトースの注入。結果として、Agilent 385 ELSD に比べて感度は 20 倍向上しています。

図 1.最適化されたガスフロー条件での Agilent 1290 Infinity ELSD へのラクトースの注入。
結果として、Agilent 385 ELSD に比べて感度は 20 倍向上しています。

Agilent 385 ELSD

Agilent 1290 Infinity ELSD

LOD (S/N) = 3

50 mg/L

2.5 mg/L

LOQ (S/N) = 10

100 mg/L

5 mg/L

R.T. RSD (%)

0.29

0.11

Area RSD (%)

3.68

3.51

表 1. Agilent 385 ELSD と Agilent 1290 Infinity ELSD における、検出限界 (LOD)、定量限界 (LOQ)、保持時間 (RT) の相対標準偏差 (RSD)、ピーク面積の比較。

Agilent 1290 Infinity ELSD の性能の最適化

別のテクニカルノートでは、Agilent 1290 Infinity ELSD の性能を最大限に引き出す方法を示しています。このテクニカルノートでは、感度と分離能に対するさまざまなパラメータの設定の影響を説明しています。お客様のサンプルで優れた検出下限を達成するための貴重な資料です。

さまざまなエバポレータ温度におけるアミノ酸 (0.1 mM) のクロマトグラムの重ね表示では、最適化の重要性が示されています。

図 2.さまざまなエバポレータ温度におけるアミノ酸 (0.1 mM) のクロマトグラムの重ね表示では、最適化の重要性が示されています。(図を拡大)

さまざまなエバポレータ温度におけるアミノ酸 (0.1 mM) のクロマトグラムの重ね表示では、最適化の重要性が示されています。

図 2.さまざまなエバポレータ温度におけるアミノ酸 (0.1 mM) のクロマトグラムの重ね表示では、最適化の重要性が示されています。

40 °C

Compound

Signal (mV)

Noise (mV)

S/N

Valine

1.83

0.06

3.14

Leucine

1.83

0.06

3.24

 

Phenylalanine

2.50

0.06

4.45


50 °C

Compound

Signal (mV)

Noise (mV)

S/N

Valine

9.25

0.04

15.14

Leucine

4.75

0.04

8.52

Phenylalanine

11.01

0.04

17.91

表 2.2 通りのエバポレータ温度におけるアミノ酸のS/N比。50℃ではS/N比が大幅に向上しています。
 

分析対象物の検出が非常に簡単になりました。30℃でガス流量を増やすことにより DMSO を除去し、アセトアニリドのピークを完璧に検出します。

図 3.分析対象物の検出が非常に簡単になりました。30℃でガス流量を増やすことにより DMSO を除去し、アセトアニリドのピークを完璧に検出します。
(図を拡大)
 
 
 
 

分析対象物の検出が非常に簡単になりました。30℃でガス流量を増やすことにより DMSO を除去し、アセトアニリドのピークを完璧に検出します。

図 3.分析対象物の検出が非常に簡単になりました。30℃でガス流量を増やすことにより DMSO を除去し、
アセトアニリドのピークを完璧に検出します。

DMSO に保管されているサンプルのハイスループットスクリーニング

さらに別のアプリケーションノートでは、Agilent 1290 Infinity 蒸発光散乱検出器を用いて医薬品候補のハイスループットスクリーニングを行い、ジメチルスルホキシド (DMSO) に保管された、化合物ライブラリのサンプルを分析する方法を説明しています。対象化合物が溶媒ピークと重なったり、近接したりすることがよくあります。その場合は、従来では分析を行う前に DMSO を除去しなければ対象化合物の検出はほとんど不可能でした。しかしアジレントのELSDではガスフローを最適化することで、DMSO を除去して分析時間を節約します。

詳細をご覧いただき、可能性を探ってください

アジレントのビデオでは、ELSD プロセスを動画で示しています。多くの例により、Agilent 1290 Infinity ELSD の特長が詳しく示され、UHPLC から SFC、LC/MS、そしてゲルろ過クロマトグラフィ (GPC) への応用をわかりやすく説明しています。