Access Agilent 2013年6月号

クイーンズランド工科大学のさまざまな研究で活躍する 2台の Agilent 8800 ICP-QQQ

Fred Fryer
アジレント製品スペシャリスト、オーストラリア

オーストラリア、ブリスベーンにあるクイーンズランド工科大学 (QUT) は、リリース直後に Agilent 8800 トリプル四重極 ICP-MS をオーダー、世界で初めて2 台の機器を購入したラボです。

8800 の導入以前は、QUT は高分解能 ICP-MS とシングル四重極 ICP-MS の購入を検討していました。ちょうどそのころ、8800 が発売されました。事務局長の Ian Mackinnon 教授はすぐに、大学の研究を進める上でこの革新的な新テクニックの大きな可能性に気づきました。8800 は、高分解能 ICP-MS よりも優れた分析力、柔軟性を備え、操作やメンテナンスも比較的簡単です。

研究責任者の Charlotte Allen 博士と Sunny Hu 博士。センターが購入した 2 台の 8800 ICP-QQQ のうちの 1 台。この 8800 は、New Wave レーザーアブレーションシステムに連結されています。

図 1. 研究責任者の Charlotte Allen 博士と Sunny Hu 博士。センターが購入した 2 台の 8800 ICP-QQQ のうちの 1 台。この 8800 は、New Wave レーザーアブレーションシステムに連結されています。
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研究責任者の Charlotte Allen 博士と Sunny Hu 博士。センターが購入した 2 台の 8800 ICP-QQQ のうちの 1 台。この 8800 は、New Wave レーザーアブレーションシステムに連結されています。
 

図 1. 研究責任者の Charlotte Allen 博士と Sunny Hu 博士。センターが購入した 2 台の 8800 ICP-QQQ のうちの 1 台。
この 8800 は、New Wave レーザーアブレーションシステムに連結されています。

購入した 2 台の 8800 は、オーストリア首相が先ごろ立ち上げた QUT の新しい科学工学センターに設置されています。

科学工学センターは、Institute for Future Environments (IFE) に属しています。IFEは、世界の食糧安保、貴重な天然資源の管理といった問題を解決するための学際的研究を支援するために、最近設立された組織です。

幅広いアプリケーションに対応する汎用的な機器

IFE 内には、大学全体の科学および技術系学部の分析を支援するための中央分析部が設置されています。研究責任者の Charlotte Allen 博士が分析ラボを管理しています。最近導入された 2 台の Agilent 8800 トリプル四重極 ICP-MS 機器の設定および使用については、Sunny Hu 博士が責任を負っています (図 1)。

8800 のうちの 1 台は、環境分析専用に用いられる予定です。Agilent ASX-520 オートサンプラと Agilent インテグレートサンプル導入システム (ISIS) を搭載し、HPLC スペシエーションに対応できる構成になっています。この機器は Hu 博士が管理します。写真の ICP-MS は、固体サンプルを直接分析できる New Wave レーザーアブレーションシステムに連結されています。このシステムは Allen 博士が監督します。QUT では、全般的なソリューション分析に Agilent ICP-OES を用いているほか、学部生の教育に 7500ce ICP-MS を使用しています。

8800 を注文した当時、IFE は組織構築と人材配備を行っていました。分析ラボの責任者には、Agilent ICP-MS と連結したレーザーアブレーションを用いた地質学研究の経験が豊富な Allen 博士が選ばれました。博士に与えられた任務は、設備の充実したラボで提供される分析サービスの開発です。Allen 博士は今後、鉱業、鉱物、地質学、材料、ライフサイエンスといった多様なアプリケーションにまたがる大学の研究目標の達成に尽力していくことになります。そうした多様なアプリケーションに対応する必要がある QUT では、ICP-QQQ をできるだけ柔軟に使用するための機器機能が求められます。

このラボでは、ICP-QQQ の使用が必要な分析サポートについて、初期プロジェクト研究がおこなわれ、具体的な要請が出されています。

  • 金属が小昆虫の外骨格の硬さに与える影響に関する研究
  • 外科的移植部位周辺の骨および歯の成長に関する研究
  • 地球の惑星としてのなりたちを理解するための、先カンブリア時代の岩石における希土類元素パターンの精密研究

また、QUT は最近、大陸の堆積岩の年代測定に関する新しいマルチテクニックを研究する目的で、オーストラリア研究会議 (ARC) の Discovery Grants (発見助成金) を得られることになりました。この研究の目的は、謎の多い地殻変動による堆積物の多量の流出が大陸の辺縁部に与える影響を調査することです。この研究では、ICP-QQQ を用いて、砂に含まれる無機物の年代が測定されます。砂にはウランの崩壊によりできた鉛が含まれています。それを測定すれば、砂や粒子が結晶化した年代を知ることができます。研究の目標は、大陸の中心部と辺縁部の地殻的影響 (山脈や盆地の形成) の範囲をより深く理解することです。こうした地殻的プロセスは、陸上の資源ポテンシャルに直接的な影響を及ぼします。

こうした多様な研究プロジェクトが控えるこれからの 1 年間は、クイーンズランド工科大学の中央分析部にとって、興味深い 1 年になるにちがいありません。最先端の研究や、複雑なサンプルマトリックスの元素分析を扱っていて、正確で信頼性の高い分析結果を求めているなら、Agilent 8800 トリプル四重極 ICP-MS の詳細をご確認ください。また、この機器が Scientists’ Choice Award の 2012 年最優秀スペクトロスコピー部門新製品賞を獲得した詳細もご覧ください。この賞は、お客様と同じような科学者の投票によって決まります。受賞理由は、これまでは不可能だった分析や研究が、この機器により可能になることが認められたことです。